ヒーローものにも関わらず、主に暴力描写とセリフの過激さの影響でR指定となっている実写映画版『デッドプール』。
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原作に忠実なノリが評判を呼び、大ヒットを記録している本作ですが、今回はそのVFXの裏側をご紹介します。一部ネタバレがありますので、ご注意下さい。
FX Guideが取り上げた画像の数々は以下。
どこかに落下し、炎に包まれるデッドプール。
炎と瓦礫だけがVFXのようです。
ウェイドが人体実験を受けた施設から脱走するシーン。
火以外はほとんどそのまま。
予告編にも登場したデッドプールの華麗な空中ひねりガンアクション。
これは100%デジタル。レイノルズが演技をしたわけではないようです。
デッドプールを引きずるコロッサス。
大男がヒールを履いて、ようやくコロッサスのサイズに。
本作に登場するX-MENのキャラクター、コロッサスは5つの手順を踏んで作られています。このシーンでは、俳優がモーションキャプチャーのデータ用に演技をしているようです。
コロッサスに関しては、以下のWIREDの動画で詳しく説明されています。
現場でコロッサスを演じたのは、身長約2メートル10センチのアンドレイ・トリコテックス。
彼はトラッキングマーカーのついたグレーのスーツに身を包み、より身長を高く見せるために、時にプラットフォームシューズや帽子、台に乗りながら演技したそうです。
その状態では激しいアクションは難しかったため、俳優のT.J.ストームがモーションを担当。また、同じくスタントパフォーマーのグレン・エニスが、のみで削られたような特徴的な顎のインスピレーションと、顔の部分の動きをつけるFACSのセッションを行っています。
さらに、声は別の俳優が担当しているため、コロッサスは5人の人間で演じられているというわけです。
あらかじめ声は録音されているため、コロッサスのVFXのほとんどを担ったデジタル・ドメインは、インハウス・ツールの「MOVA DIRECT DRIVE」というフェイシャルキャプチャ技術を用い、改めてフェイシャルのデータを取る必要がありました。
そこにモーションキャプチャー・スーパーバイザーのグレッグ・ラッセル氏が、コロッサスの意図された演技を思い描きながら、再び全てのセリフを実際に口にして、顔の動きを撮り直したそうです。
このMOVAは1:1で忠実に顔の動きをキャプチャーするため、コロッサスと顔形が似ていないラッセル氏のキャプチャーデータを「Direct Drive」システムを使ってターゲットし直しています。
また、コロッサスの体全体に入っているラインをコミック版同様に常に真っすぐにするため、ライブ・テクスチャリングという技術を新たに開発する必要があったそうです。
この他にも、FX Guideには『デッドプール』の舞台裏の詳細が掲載されているので、気になる方はチェックしてみてください。
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(中川真知子)
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