映画は人を楽しませることを目的に作られますが、製作者の意に反して、鑑賞中の人間が命を落とす事態が起きてしまうこともあります。
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映画が直接的な原因になったり、その場にいたことが問題だったりと理由は一概には言えませんが、今回はMandatoryがまとめた、上映中に人が亡くなった映画をご紹介。
一部ネタバレがありますので、ご注意ください。
■『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(1988年)
盗まれたダイヤを巡って繰り広げられるブラックコメディ。
マイケル・ペイン演じる吃音のケンが鼻にポテトを突っ込まれるシーンが登場するのですが、これを見ていたデンマーク人の聴覚学者オーレ・ベンツェンさんが笑いすぎたために過呼吸を起こし、心拍数が200-500/分に上昇。そのまま心臓発作を起こしてしまい、劇場で命を落としてしまいました。
問題のシーンは以下。英語ではありませんが、雰囲気だけでもお楽しみください。心臓発作の危険性は恐らくありません。
■『ローン・サバイバー』(2013年)
アメリカの先鋭特殊部隊ネイビー・シールズによるアフガニスタンのターリバーン指導者暗殺作戦中に起きたネイビー・シールズ最大の悲劇「レッド・ウィング作戦」を描いた作品。
チャド・オールソンさんと妻のニコールさんは本作をフロリダのタンパにある映画館で見ていましたが、映画の途中、オールソンさんは携帯電話を取り出してメッセージを送り始めます。すると、それにイラだった数席後ろに座っていた71歳の元警察官、カーティス・リーブスが銃で発砲。オールソンさんは一瞬で命を奪われてしまいました。
この事件の皮肉なところは、犯人であるリーブスも映画開始時にテキストメッセージを打っていたということです。
■『Grand Masti』(2013年)
死を呼ぶのはハリウッド映画に限ったことではありません。映画大国で知られるインドでも上映中に人が亡くなっています。
問題の作品は下ネタ満載お下品映画。妻とのマンネリな関係に嫌気がさして浮気願望を持った3人の男が、下心ありありで大学の同窓会に参加して浮気相手を見つけるものの――というドタバタというより、ドッタンバッタンなコメディ。
登場人物全員が性欲の塊のような明るいエロコメディで、ボリウッドを敬遠していた人ですらハマってしまう面白さのある作品です。
マンゲシュ・ボガルさん(22歳)は話題の本作を鑑賞すべく劇場に足を運びました。そして評判通りの面白さに大爆笑。しかし、それが原因で発作を起こしてしまいました。
彼はすぐさま病院へ運ばれましたが、到着する前に死亡が確認されたとのことです。
■『パッション』(2004年)
メル・ギブソン監督のイエス・キリストが処刑されるまでの12時間を描いた作品。
拷問シーンがあまりにも凄惨なため、議論を巻き起こしたことでも有名です。
カンザス州のウィチタでセールスマネージャーとして働いていたペギー・スコットさん(56歳)は劇場で鑑賞中、クライマックスの拷問を受けた後に十字架へかけられたキリストの姿を見て、心臓が止まってしまいました。
本作を見て命を落としたのは1人ではなく、ブラジル人の牧師も鑑賞中に亡くなっています。
■『原子人間』(1955年)
宇宙探査に行った宇宙船が不時着し、乗っていたはずの宇宙飛行士3人の内、2人が姿を消し、1人が負傷。宇宙船のカメラに残されていた映像によると、何者かが宇宙船に侵入して飛行士らを襲撃し、負傷して戻って来た飛行士はその体を乗っ取られていた――というSFホラー。
1955年、イリノイ州のオークパークに住むスチュワート・コーハン君(9歳)は、本作のエイリアンに恐れおののき、あまりの衝撃と恐怖の緊張状態の持続に心臓が衰弱。その結果、命を落としてしまいました。
子どもにホラー映画を見せるのは危険だということがわかるケースです。訳者も気をつけないといけません......。
■『エクリプス/トワイライト・サーガ』(2010年)
ニュージャージー州ウェリントンに一時滞在中だったダミアン・アンソニー・スマイスさんは、流行りの本作を鑑賞しに劇場へと足を運びましたが、鑑賞中にジョニー・ウォーカー(ウィスキー)をボトルの半分ほど飲み、アルコール中毒で命を落としました。
■『ブラック・スワン』(2010年)
ダーレン・アロノフスキー監督のバレエをテーマとしたサイコスリラー。
本作の上映中に亡くなったのはラトビア人の42歳の男性。彼は映画の最中にポップコーンを食べていたのですが、その音があまりにもうるさかったために若者に注意されます。
ここで謝罪すればよかったものの、男性は非を認めず、口論に発展。この状況に耐えきれなくなった別の27歳の男性が、銃で射殺してしまいました。
なお、犯人はラトビアの警察学校を卒業しただけでなく、法律の学位も持っていたそうです。
■『アバター』(2009年)
ジェームズ・キャメロン監督の3D映画である本作は、まるで自分がその世界にいるような臨場感が味わえる作品として有名。しかし全員が全員、その映像美を堪能できたわけではないようです。
台湾に住むシュオさんは話題の『アバター』を見に新竹市の劇場に足を運びましたが、彼は高血圧で、映画を鑑賞している間に心臓の鼓動が急速に高まり、発作を起こしてしまいました。
係員が駆けつけてシュオさんを運び出し、大急ぎで近くの病院へと連れて行きましたが、残念なことに大量の脳出血により亡くなってしまったとのことです。
■『ダークナイト ライジング』(2012年)
映画の上映中に起こった悲劇で最も有名なのが『ダークナイト』シリーズ完結作の『ダークナイト ライジング』でしょう。
2012年7月20日、コロラド州オーロラで行われたプレミア上映会に来ていた、当時24歳のジェームズ・イーガン・ホームズが拳銃、ショットガン、ライフル、催涙ガスで武装し、観客を襲撃。
催涙ガスが立ち込める中、逃げ惑う人たちに乱射し、70人以上の死傷者(12人が死亡)を出す大事件となりました。ホームズは劇場外に停めてあった車の中で逮捕され、2015年8月に終身刑の判決を受けています。
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ソース:MANDATORY、YouTube①・②・③・④・⑤・⑥・⑦・⑧・⑨・⑩
(中川真知子)
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