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意外にも実話に基づく/実話を参考にしている映画10選

2016/01/31 21:30 投稿

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実話の要素がある映画


実話をもとにしている映画」というのは魅力的なフレーズですが、実はその事実を大々的にアピールしない作品も数多く存在します。


【大きな画像や動画はこちら】

知る人ぞ知る実話ベースの映画、皆さんは何本ご存じでしょうか? SceenRantが作成した「意外に実話がベースの映画」の紹介動画とその説明をどうぞ。

一部ネタバレがあるので、ご注意下さい。



■『ナチョ・リブレ 覆面の神様』

ナチョ・リブレ

フライ・トルメンタの生きざまは涙なしには語れません。


メキシコの修道院の給仕係が孤児院の子供達に少しでも良いものを食べさせたい――と覆面をかぶってルチャドール(メキシカンスタイルのプロレスラー)へと変身し、賞金を稼ぐべく奮闘するドタバタコメディ。

本作はプロレスファンにはよく知られている、フライ・トルメンタという人物の実話がもとになっています。

フライ・トルメンタ(本名セルヒオ・グティエレス・ベニテス)はメキシコの貧困家庭に生まれ、幼い頃は非行に走ったこともあったものの、20代で自分と同じような境遇の子供達を理解する人物が必要だと司祭を目指し、32歳で神父の資格を取得

すぐに子供たちから慕われるようになり、200人以上の孤児の世話をするようになりますが、資金繰りに頭を悩ませた結果、メキシコで国民的な人気を誇るルチャリブレ(メキシカンスタイルのプロレスのこと、スペイン語で「自由な戦い」の意味)の賞金に目をつけます。

彼は神父であることを隠し、ルチャドールとしては若くない32歳でデビュー。必死に戦うものの、思い描いていたような大金は手に入らず、少ないお金で子供達に食べ物を持ち帰る日々をおくります。

しかし、神父であることをライバルがバラしたことをキッカケに状況は一転。感銘を受けた人々から寄付が集まるようになり、ファイトマネーも飛躍的にアップ。

子供たちを守るために戦う正義のスターとして国内外で人気者になり、ついには念願だった子供達がのびのびと暮らせる大きな孤児院を建てる夢を叶えます

『ナチョ・リブレ』はコメディ要素が強いものの、この素晴らしい実話がベースとなっているため、感動のある作品になっています。


■『ロッキー』

ロッキー

ロッキーの人生はスタローンとも重なります。


ヤクザのような仕事もしないと稼げずにいた三流ボクサーのロッキーが世界チャンピオンのアポロ・クリードと対戦することになり、力の差が歴然ながらも必死に食らいつき、最後には感動の嵐を巻き起こした作品。

本作は「モハメド・アリ対チャック・ウェプナー」戦のテレビ放送を観戦していた、俳優として鳴かず飛ばずの極貧生活を送っていたシルベスター・スタローンが、3日間で書き上げた脚本をもとに作られています。

アリは当時世界最強と言われていた一方で、対戦相手のウェプナーはトレーニングの傍、警備員として働かないと生活を維持できませんでした。

圧倒的な力の差がある2人の戦いでしたが、ウェプナーは9ラウンドでアリからダウンを奪います。試合には負けてしまったものの、これを見ていたスタローンはとても感銘を受け、一気に脚本を書いたのです。

『ロッキー』のアポロ・クリード役はこの時のモハメド・アリ、そしてロッキーはチャック・ウェプナーがモデルとなっています。

ちなみに、「自分の人生を盗んで脚本を書いた」と2003年にウェプナーはスタローンを相手に訴訟を起こしますが、2006年には取り下げています。

なお、実話がベースになっているのはこれだけではなく、ロッキーの肉パンチやフィラデルフィア美術館の階段トレーニングは、どちらもモハメド・アリの素晴らしき対戦相手であるジョー・フレージャー(『ロッキー』にカメオ出演しています)が実際に行っていたものだそうです。


■『インディ・ジョーンズ』

インディ・ジョーンズ

マチュ・ピチュはビンガム3世よりも前に地元の人に発見されていたという説も......


『インディ・ジョーンズ』は1954年の『インカ王国の秘宝』を参考にしていますが、両作品のキャラクターは実在の探検家ハイラム・ビンガム3世がモデルになっていると言われています(スピルバーグとルーカスが認めているわけではありませんが......)。

ハイラム・ビンガム3世はイェール大学の講師でしたが、インカ時代の遺跡に強い興味を持ち、1911年にイェール大学ペルー探検隊を結成。数百年前の本や地元ガイドを手がかりに、同年、「空中の楼閣」と呼ばれるマチュ・ピチュを発見します。

マチュ・ピチュは注目を浴び、ビンガムの本はベストセラーとなりました。


■『エルム街の悪夢』

エルム街の悪夢

移民たちに何があったのかは知る由もありません


殺人鬼が死んだ後によみがえり、寝ている子供達の夢に現れては殺戮を繰り返す......なんてことが実際にあったわけではありません。しかし、フレディ・クルーガーのインスピレーションとなった、なんとも奇妙で不可解な出来事は実際に起こったのです。

かつて複数のカンボジア移民が不可思議な状態で亡くなったことがあります。中でも、ロサンゼルスに落ち着いたある移民の一家の息子は寝ることを拒否し始め、もし眠ってしまったら目に見えない何かが襲ってくると主張したのです。

彼は部屋にコーヒーメーカーを運び込み、何日にも渡って起き続けたものの、眠気には勝てず眠ってしまいます。その数時間後、彼の家族は恐ろしい悲鳴を聞き、ベッドで絶命している青年を発見しました。

LAタイムスに掲載されたこの悪夢の出来事を読んだウェス・クレイブン監督は、ここから想像を膨らませてフレディ・クルーガーという怪物を作り上げたのです。


■『300』

300

生まれた赤ん坊の健康をチェックし、問題が見つかると間引きしていたスパルタ軍。


ザック・スナイダー監督の『300』はフランク・ミラーのコミックが原作の作品ですが、実はペルシア戦争のテルモピュライの戦いをかなり忠実に描いています

もちろん、ミュータントや魔法といったものは物語を膨らますための創作ですが、古代ギリシアの世界で名を轟かせたスパルタという最強の陸軍は実際に存在しました。

幼い頃から徹底した軍の英才教育を受けたスパルタの男たちは、どんなに不利な状況でも戦うことをやめない最強の戦士だったと言われています。

レオニダス1世が実際に「This is Sparta!」と叫んだかどうかは定かではありませんが(少なくとも英語ではないはず)、その他のセリフは今でもギリシア軍のモットーとして残っているそうです。


■『フューリー』

フューリー

戦時中には多くの逸話が生まれました。


第二次世界大戦の最中、少数のクルーが戦車に立てこもり、300人を超すドイツ軍を相手に戦うブラッド・ピット主演の『フューリー』。本作は複数の実話を組み合わせて作られています。

例えば、実在のアメリカの軍人で多数の勲章を受賞し、後に映画俳優になったオーディ・マーフィ

第二次世界大戦中、彼は生き残った兵士を逃がすため、M1カービンでドイツ軍を攻撃し、弾が尽きると爆発炎上して放棄された戦車に乗り、50口径機銃でドイツ兵を攻撃し続けたそうです。

ブラッド・ピットのキャラクターの愛称「ウォーダディ」は、第二次世界大戦で戦車兵として従軍し、81日間で兵員1000人を殺害、捕虜250人を確保、戦車12両を撃破、装甲車両並びに自走砲258両を撃破したと言われる「撃破王」の1人、ラファイエット・G・プールのものです。

また、田舎の交差点の真ん中で何十人という敵兵の死体に囲まれる中、爆発炎上した戦車から1人の新兵が見つかったというシーンは、デヴィッド・エアー監督が複数のアメリカ兵士から聞いた話がもとになっています。


■『ヒート』

ヒート

チャック・アダムソンに細かく聞き取りを行って生まれた脚本。


ロバート・デ・ニーロ演じるプロの銀行強盗とアル・パチーノ演じる刑事の緊迫したやりとりを描いた、マイケル・マン監督の『ヒート』は、監督の友人であるシカゴの元警察官であり、映画プロデューサーのチャック・アダムソンの経験がベースの作品。

アダムソンは警官だった頃、デ・ニーロのキャラクターの元となったマッコーリー(映画の名前と同じ)の逮捕に全力を尽くしていました。そして、この2人は実際に、映画と同じようにテーブルを囲んでコーヒーを飲んだことがあるそうです。

この時、マッコーリーは罠に気づいて逃走。最終的には追い詰められ、アダムソンによって撃たれて絶命しました。

なお、動画では『ヒート』は1997年に起こった「ノースハリウッド銀行強盗事件」の銃撃戦にインスピレーションを受けていると言っていますが、『ヒート』が公開されたのは1995年なのでこれは間違いだと思われます。


■『レッド・オクトーバーを追え!』


レッド・オクトーバーを追え!

命知らずな計画がもとになっています。


トム・クランシーのCIAヒーロー、ジャック・ライアンは様々な冒険へ向かいますが、『レッド・オクトーバーを追え!』は想像だけで創作された作品ではありません

ソ連の体制に不満を持っていたラミウスが、無音の推進システムを持つ潜水艦のレッド・オクトーバーでアメリカに亡命しようとする本作は、1975年11月にソ連のストロジェヴォイ級駆逐艦を盗み、忠実なクルーとともにレーニン主義に改革を起こそうとしたヴァレリー・サブリン少佐の行動がもとになっています。

ソ連軍はすぐに軍艦を沈め、サブリン少佐が欧米に亡命しようとしていたと主張。クランシーはこの出来事にインスピレーションを受けて小説を書いたと言われています。


■『スター・ウォーズ』

スター・ウォーズ

帝国軍がナチスというのは有名な話


ジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ』がナチスドイツから多大なる影響を受けているというのは、ファンならご存じでしょう。

帝国軍の軍服に乗馬ブーツというユニフォーム、ストーム・トルーパーという名前もナチスが第一次世界大戦中に結成したドイツの突撃部隊の総称「シュトルムトゥルッペン」の英語訳からきています。

スペースバトルは実際のドッグファイトがベースですし、「ケッセル・ラン」はドイツ軍で使われていた用語が元ネタです。また、惑星ホスの名前は極寒のロシアの前線で活躍したドイツ軍人の名前からとっています。

そして、エピソード4のフィナーレはドイツのプロパガンダ映画を参考にしているそうです。さらに、新3部作でパルパティーンが銀河元老院になっていく様子が描かれていますが、これはアドルフ・ヒトラーを意識しています。

極めつけは『フォースの覚醒』。J.J.エイブラムス監督は、脚本家が「戦争に敗れたナチスが再結成したらどうなるのだろう?」と考えたことからファースト・オーダーが誕生したと語っているそうです。


■『シャイニング』

シャイニング

息子は何を見たのか?


スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』はスティーブン・キングの小説がもとになっていますが、本作は完全なフィクションではありません

『シャイニング』執筆前に、キング一家はコロラドのスタンレーホテルに宿泊。シーズン終了間近ということもあり、その時の宿泊客はキング夫妻と幼い息子だけだったそうです。

キングはホテルのバーテンダーと軽く一杯。そして夜中に悪夢のような光景、息子が恐怖におびえながらホテルの中を走り回っている姿を見たのです。

これがきっかけで『シャイニング』は誕生しました。大まかなあらすじは、キングが体を休める前には完成していたそうです。

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ソース:ScreenRant

中川真知子

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