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SF作家フィリップ・K・ディックが影響を与えたプログレの巨人たち

2015/11/10 23:30 投稿

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SF 小説 フィリップ・K・ディック 影響 プログレッシヴ・ロック


『ブレードランナー』の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』や、『トータル・リコール』のもとになった『追憶売ります』などの作品でおなじみのSF小説家フィリップ・K・ディック


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巨匠である彼が影響を与えたのは、同じSF小説業界や映画だけでなく音楽にも及びます。特筆すべきは、前衛的で未来的なプログレッシブ・ロックバンドへの影響です。

そこで今回は「io9」が紹介した「レッドブル・ミュージック・アカデミー・デイリー」の記事から、2組のバンドをご紹介します。

プログレと聞くと、エマーソン・レイク・アンド・パーマーキング・クリムゾンピンク・フロイドイエスなどのバンドが頭に思い浮かぶ人が多いかもしれませんが、英米以外の国にもディックを信奉する超絶技巧バンドは存在します。

まずはフランスのバンド「マグマ」による、『Theusz Hamtaahk』の素晴らしい演奏をご視聴ください。なお、1曲で36分もの尺があります。



ウィキペディアには、マグマについてこのような興味深い説明があります。

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マグマ(MAGMA) は、フランスのプログレッシブロックバンド。クリスチャン・ヴァンデ(fr:Christian Vander)ドラム/ボーカル/ピアノを中心に1969年結成。「宇宙からきたコバイア星人の言語」コバイア語(ヴァンデが創作した架空言語)によるオペラチックなボーカルとスペース・オペラ的な長大な物語、個性的で強力なリズム隊と分厚く呪術的な混声合唱が特徴。


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フランス語ではなくドイツ語っぽい(?)と思って聞いていたら、そのどちらでもない創作宇宙言語でした。

ゲーム・シンガーのハーフ美女 、エミ・エヴァンスさんが生み出した未来語で歌う『NieR』のオリジナル・サントラは、マグマに似たコンセプトと言えるかもしれません。

「レッドブル・ミュージック・アカデミー・デイリー」曰く、フィリップ・K・ディックが影響を与えたヨーロッパのプログレバンドは、フランスのヘルドン、マグマ、イタリアのムジカ・エレットロニカ・ヴィヴァ(MEV)などで、彼らは「ディックからの啓示を受けた」という表現を用いているようです。

記事内には他にも、MEVについて以下のようなことが書かれています。

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1970年にデビューしたマグマ同様、その年は1966年にイタリアで結成された作曲家のアルヴィン・カランとリチャード・タイテルバウム、それにフレデリック・ジェフスキーがメンバーを務める、電子機器を使用した実験音楽をライヴで自由即興演奏するバンド、ムジカ・エレットロニカ・ヴィヴァも飛び立つ準備をしている時期でした。


ケルンで1967年に録音されたアルバム『スペースクラフト』は、エレクトロとアコースティックの押し広げられた高エネルギーによる猛烈な衝突が銀河系を走る音の大型船となり、聴く者に襲いかかるトンでもない生演奏の儀式でした。


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ということで、非常に実験的な音楽(と言うか轟音)を奏でるMEVの『スペースクラフト』を聴いてみてください。



プログレ好きの方には常識だったかもしれませんが、いかがでしたか?

なんとなくですが、フィリップ・K・ディックの紡いだ世界が、音楽シーンに強いインスピレーションを与えていることがご理解いただけたかと思います。

他にも音楽のジャンルは違いますが、「史上最もヘヴィ・メタル魂を感じるSFストーリー7選」「H・P・ラヴクラフトの影響が強いヘヴィメタル・アルバム8選+α」といった、空想科学と音楽の深く濃い関係について書かれた記事もありますので、そちらもどうぞ。


Philip K. Dick Inspired a Whole Wave of Trippy Euro Prog Rock[io9]
画像:Philip K Dick/Pete Welsch(cc-by-sa-2.0.)[Wikipedia]
マグマ(バンド)[Wikipedia]
Magma - Epok I - Theusz Hamtaahk[YouTube]
ムジカ・エレットロニカ・ヴィヴァ[Wikipedia]
M.E.V.: Spacecraft (1967)[YouTube]
Reality Is For People Who Can't Handle Science Fiction[Red Bull Music Academy Daily]

岡本玄介

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