先日、新たな予告編が公開された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。
気になるシーンが満載で、映画の内容への妄想がグッとかき立てられるものでしたが、今回は新ポスター/新予告編の内容に加え、小説やコミックで明らかになった設定などをまとめてご紹介し、そこから予想という名の妄想を展開してみます。
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現状の設定を語る関係上、まだ日本語版が出版されていない最近の書籍などのネタバレもあるので、ご注意ください。
「『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』についてわかったこと17選」の内容を踏まえて進めますので、まずはこちらに目を通しておくことをオススメします。
◆前提:かつての小説・コミック・ゲームの設定は一旦消滅している
混乱を防ぐためにまずは前提のお話。意外と知られていないようですが、『フォースの覚醒』が作られるにあたり、2014年4月にいわゆる正史が再定義されると発表されました。そして、今までの派生作品の後付設定は基本的に正史から一旦消えています。
いわゆる正史扱いの作品は2014年4月以前の作品だと、映画の『エピソード1』~『エピソード6』、CGアニメ映画&シリーズの『クローン・ウォーズ』のみ。そして、現在テレビ東京系列で放送中の『反乱者たち』や現在マーベルで展開中のコミック版『スター・ウォーズ』などは、正史の派生作品です。
かつての派生作品はLEGENDSというタグがつけられ再販されている
というわけで、ボバ・フェットがサルラックの穴から脱出したり、皇帝のクローンが登場したり、ルークが新ジェダイ・オーダーを設立するといった小説・コミックで語られた、エピソードは正史ではなくなっています。
個人的に、SW世界で一番好きなキャラである『帝国の影』の主人公ダッシュ・レンダーの設定がざっくり消えたのはショックでしたが、ルーカス・フィルムの説明を読む限りでは「かつての作品の設定を新しい作品に盛り込んでいく」と書いてあるので、旧設定が復活する可能性はゼロではなさそうです。
■エピソード6の後何が起こったのか?
『エピソード6』のラストの戦勝パーティーを見ると、反乱同盟軍が帝国軍に勝って戦争は終わりへと向ったように見えますが、それから30年後の『フォースの覚醒』まで戦いは続いていることが予告編からもわかります。
しかも、現在多方面で明らかになっている設定によると、レイアやポー・ダメロンといった主要キャラクターが所属している組織は「レジスタンス(抵抗軍)」と呼ばれ、帝国に反旗を翻し立ち上がった反乱同盟軍とはエンブレムが同じながら、ちょっと違った組織になっているようです。
最高指導者スノークをモーションキャプチャーで演じるアンディー・サーキス
加えて、新たなデザインのアーマーを着たストーム・トルーパーや、シスではないダークサイドのフォースの使い手であるカイロ・レンを擁する組織は、皇帝の帝国ではなく、スノークと呼ばれる指導者の元で働く「ファースト・オーダー」と呼ばれています。
Star Wars:Shattered Empire
それ以外にわかっていることもあります。エンドアの戦いの後半から終了後の3ヶ月までの間を、ポー・ダメロンの母親であり、反乱軍のパイロットであるシャラ・ベイを主人公に描くマーベルのコミック『Shattered Empire』では、皇帝の遺言を受けて帝国の残党が反撃をしかけ、とある秘密作戦を遂行する様子が語られました。
Star Wars:Aftermath
そして、ゲーム『Uprising』および小説『Aftermath』は、それより少し後の時期が舞台となっており、反乱軍が共和国再建に向けて動く中、帝国の残党も集結し、その力を取り戻そうとしている様子が描かれています。しかし、小説『Aftermath』は3部作のうちまだ第1巻しか出ていないため、これ以降の内容に関してはほとんど不明です。
Lost Stars
また、小説『Lost Stars』では「エンドアの戦い」から約1年後、新共和国と帝国残党の間で起こった「ジャクーの戦い」が描かれています。 『フォースの覚醒』の予告編に登場したスター・デストロイヤーの残骸は恐らくこの時のものでしょう。
整理すると、反乱軍こと共和国再建のための同盟(Alliance to Restore the Republic)は、新共和国を樹立するも、皇帝亡き後再編成された帝国軍の残党(これが後のファースト・オーダー?)に倒され、今やレジスタンスとして戦っているというのが、『フォースの覚醒』以前の話の流れなのかもしれません。
そして、惑星ジャクーに住む残骸あさりの「レイ」と元ストーム・トルーパーの「フィン」が出会うところから映画は始まる......といった展開が考えられます。
■誰がジェダイなのか?
フィンはジェダイ?
そのフィンが、アナキン/ルークがかつて持っていたライトセーバーを持っているというのが、新ポスター及び新予告編で判明しました。
果たして彼はジェダイなのか? ライトセーバーの刃を出し、振り回す事自体は、特別トレーニングを受けなくても可能です。しかし、フォースの力と共にライトセーバーを使いこなせなければ、ブラスターの攻撃などを弾き返す事はできません。そして現状、フィンがどれくらいライトセーバーを使いこなせるのかは不明です。
では、レイはどうなのでしょうか? レイに関しては、以前のインタビューなどでも、優れた戦士であるということが語られていますが、彼女がフォースを感じることができるかどうかの明確な言及や、それを思わせるセリフなどはありません。
ただ、フィンとレイは監督が意図して姓を明らかにしていないそうなので、もしかすると、これまでの作品に登場したキャラクターと血縁関係があり、その結果ジェダイになる素質があるという可能性は十分残っています。
最後にパイロットのポー・ダメロン。一見ジェダイにはなりそうにないキャラクターですが、コミック『Shattered Empire』のラストで、彼もまたフォースとの強い繋がりを持てそうなヒントが描かれているので、ジェダイになる可能性はなくはありません。
果たして誰がジェダイとなるのか? もしかしたら『フォースの覚醒』ではすべてが明らかにならないのかもしれませんが、非常に楽しみなポイントです。
■カイロ・レンは何をするつもりなのか?
彼は何を終わらせるのか?
ダース・ベイダーの信奉者であるということが明らかになっているレン騎士団の戦士であり、フォースの使い手であるカイロ・レンは新予告編で(おそらく)ダース・ベイダーが始めたことを終わらせると語っています。
では、具体的に彼の言うベイダーの始めたこととは? まず想像するのは、ジェダイ狩りでしょう。レン騎士団はシスではないようですが、ダークサイドではあるようなので、ライトサイドのジェダイを憎み、ベイダーと同じくジェダイの生き残りを殺そうとしているという可能性は十分にありそうです。
もう一つの可能性として考えられるのが子孫探し。ベイダーはエピソード3で自分の子供がパドメと共に死んだとシディアスに伝えられるものの、後にデス・スターを破壊したパイロットが息子ルークであることを知り、彼を仲間に加えようとしました。
ベイダーの捜索自体は旧三部作の時点で終わっているような気もしますが、ルークを仲間にして共に皇帝を倒し、銀河を支配しようと計画したところまで考えると、カイロがベイダーのようにスカイウォーカー一族を探して、銀河の支配を目論んでいるという可能性もあるかもしれません。
ベイダーの信奉者として、その子孫を探しているというのもファンの心情的に(?)納得がいくものですし、もしかしてもしかすると、カイロ・レンもまたスカイウォーカーの血族という可能性もゼロではないでしょう。
妄想が止まりませんね!
スター・ウォーズ:スカイウォーカーの衝撃
ちなみに映画では語られなかった、ベイダーが息子ルークの生存を知る過程は、マーベルから現在刊行されているエピソード4と5の物語を描く新正史設定のコミック『スター・ウォーズ』と『Darth Vader』で語られています。『スター・ウォーズ』の第一巻は日本語版が11月30日に発売予定なので、ファンはぜひ読んでみてください。
また、新予告編ではカイロ・レンがフォースの力を使って(?)、ポー・ダメロンを尋問していると思しきシーンがありました。カイロ・レンは一体何を聞き出そうとしているのかも気になるところです。
まず、コミック『Shattered Empire』でエンドアの戦いの後、彼の母親はルークとともに秘密の任務についたことがわかります。もしかすると、親からの繋がりで彼はルークのことを何か知っているのかもしれません。
尋問シーンでは爆発する森が写りしますが、実はコミック『Shattered Empire』で、ポー・ダメロンの両親はヤヴィンIVに家を構えている事がわかるので、あの森は彼の故郷であるヤヴィンIVである可能性はあります。
そしてポー・ダメロンの両親はルークからジェダイとつながりのある、あるものを受け取っているので、もしかするとカイロ・レンはそれを狙っているということもありそうです。
■ルークはどこへ消えた?
そんなカイロが追っているかもしれない、ルークは一体どこへ行ったのか? 予告編でR2-D2と一緒にいたローブの人物はルークだと思われますが、それ以外の登場シーンはなし。しかも、ポスターにすら登場していません。
監督の最近の発言によれば、それは意図的とのこと。また、一部ファンの間でダークサイドに落ちたのではないか? という説がありましたが、監督は肯定も否定もしていません。
一方で、コミック『Shattered Empire』ではルークが登場し、皇帝が隠し持っていたジェダイに関する品を探している事が判明しています。また、コミック『スター・ウォーズ』でもジェダイの遺物との遭遇が描かれており、そういった品を今でも探し求めているというのは納得の行く展開かもしれません。
というわけで、ルークはダークサイドに墜ちたのではなく、銀河を旅しながらジェダイの遺物を集め、ジェダイ・オーダーを復活させようと動いているため、レジスタンスを離れているという設定なのではないか? と考えられます。
他にもポスターでR2-D2の左隣に写っている謎のキャラクター「マズ・カナタ」や、デス・スターっぽい風貌の兵器(ファースト・オーダーの基地「スターキラーベース」かも?)など、気になるところはまだまだありますが、情報が少ないので今回は割愛。
なんといっても、30年もの時間が開いているエピソード6から7の間のストーリーが気になりますが、恐らくその大部分は『フォースの覚醒』では明らかにはならず、これからどんどん作られていくであろう派生作品で語られると思いますので、ファンはしっかりチェックしておきましょう。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は12月18日公開予定。公開が近づくと同時に、その日がとっても先にも感じてしまいますが、今回紹介したように派生作品はすでにたくさん出ているので、それらをゆっくり楽しみながら、公開に備えておきましょう!
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[via io9]
(傭兵ペンギン)
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