フィクションの世界の出来事を科学的に検証するVsauce3が、今回はピカチュウの危険性を教えてくれます。いくら可愛くっても、人間がその攻撃を受けたら死んでしまうかもしれないようです。
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以下より動画とその要訳をご覧ください。
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ピカチュウはほっぺたに「でんきぶくろ」という電気を生成する器官を持っています。電気を放つ生き物は意外に珍しくありません。デンキウナギやデンキナマズなどの実在の生物も発電できる生き物です。
デンキナマズはパソコンを起動できるほどの発電ができます。その体の中には電池にも似た「発電板」という発電器官が並んでおり、それぞれの発電板が0.15Vの電気を発生させることが可能です。これは1800年にアレッサンドロ・ボルタによって発明された、ボルタ電池のインスパイア元となったとも考えられています。
電気を利用する生き物の中にはそれを攻撃以外に使うものもいます。たとえば、カモノハシはくちばしに4万もの電気感受器を持っています。すべての生き物は神経や筋肉の動きにより電場を生むため、隠れている獲物であっても、電場をくちばしで感知することで見つけられるのです。シュモクザメも電位差を感知する「ロレンチーニ器官」を使い、同じように獲物を見つけます。
デンキウナギは860Vもの電圧を生むことができます。アメリカの電気規則規格に照らし合わせれば「高電圧」に指定される電圧です。一方のピカチュウは「10まんボルト」でその116倍もの電圧で攻撃してきます。
しかし、「10まんボルト」だからといって死ぬわけではありません。3.5万Vのスタンガンでビビビとされても(動画2:42)、10万Vのテザー銃で撃たれても(2:46)一時的に行動不能になるだけです。これは体に危険なのが電圧よりも電流だから。
一般的に心臓を止めるのに必要な電流量は、7mAとされています。9Vの電池を直接心臓にあてるだけで、これに相当する効果が得られるそうです。しかし、直接心臓に電流を流されない限り、体の肉や脂肪などが守ってくれます。とはいうものの、人は10分の1A(0.1A/100mA)あれば死んでしまうと言われているのです。
ピカチュウが何Aで攻撃可能なのかは、理科の授業で習った気のするオームの法則「電流=電圧割÷抵抗」で導き出せます。ピカチュウの電圧は「10まんボルト」、そして米国立労働安全衛生研究所によれば、乾いている状態の人間の体は10万オームとのこと。よって、電流は1A。つまり致死電流量の10倍です。ピカチュウの「ボルテッカー」はもっと電圧が高いので、感電死することは間違いありません。
ピカチュウの集団が存在すると、猛烈な電気がたまって稲妻が落ちたりもする可能性があります。この稲妻も危険で、超熱いです。稲妻は1億Vから10億Vにもなります。その温度はなんと太陽の表面の5倍もの熱さである、2万9726.7度。
雷に打たれた時、もし体の表面が濡れていたり、水滴があったりすると、突然の温度の変化で水分が爆発、服などは裂け飛びます。地球上には1秒間に100もの雷が落ち、アメリカに限っても年間2500万回も落ちています。一人の人間がその生涯で雷に打たれる確率は3000分の1。それでも意外なことに、雷に打たれた人の90%は生き延びています。
運悪く雷に打たれた場合、体内に電流が流れ、筋肉があまりにも急激に収縮するので、骨が砕けてしまいます。雷による死因で多いのは、頭頂に雷を受けて脳みそが焼かれてしまうか、電気が心臓の収縮に影響し、心臓が止まって血流が停止するかです。
ピカチュウは電気を生むので、電磁場も持っていると考えられます。80~90年代に「非電離放射線:静電気、低周波電場、磁場」などの持つ発がん性リスクなどを調査した研究では、発電所作業員や配線作業員などの電気にかかわる職業の人では、白血病、脳腫瘍、男性乳がんの発症率が想定よりも高く出ています。
なので、サトシのようにいつもピカチュウのそばにいると、感電死しなくとも脳腫瘍ができてしまうかも......。しかし、最近の研究ではこの研究を裏付けるような決定的な結論は出ていないので、その可能性は何とも言い難いというのが現状のようです。
靴下をカーペットにこすることで生じる静電気だって、2万5000Vの放電。ピカチュウと戯れているときにビリビリっとやられたら、死んでしまう可能性は高いようです。
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...いやはや、かわいい見た目に騙されて気を抜いたらあっという間に感電死です。
『ポケモン』で遊ぶ前にその危険度の知識を身につけておきたいという方は、殺戮兵器コイキングの恐ろしさ、マグカルゴ、カメックス、ウツボットの危なさも知っておきましょう。
[via YouTube]
(abcxyz)
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