好きなジャンルの映画が製作されるとなると、それだけでテンションが上がるもの。そして、予告編が良い出来だと期待感はさらに高まります。しかし、いざ作品を見てみたら......なんだコリャ~!? というのはよくある話。
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監督もプロデューサーも俳優も、観客を落胆させたくて映画を作っているわけではありません。しかし、悲しいことに(人によっては嬉しいかもしれませんが)残念な作品は結構あるのです。
そこで今回はio9がまとめた、作品の内容が残念かどうかを鑑賞前に予測できるかもしれない、「その映画が残念な可能性が高いインタビューの答え8選」をご紹介します。
なお、「当てはまっている=駄作」というわけではありません。あくまでも「その傾向にある」というだけで、このような受け答えをしていても素晴らしい映画はたくさんあります。ご了承ください。
■◯◯のはじまりを誰も描いていないということに気づいたのです
明かされないからこその楽しさというのもあります
多くの製作者が、前章や多くの作品に様々な形で登場するものの、誕生が明かされていなかった大人気キャラクターにまつわるストーリーをネタにしたがります。
例えば、『オズ はじまりの戦い』。何故、ライマン・フランク・ボームは『オズの魔法使い』の起源を原作の中では書かなかったのでしょうか? 魔法使いの起源については少しだけ触れられていますが、掘り下げられてはいません。同様なのが、『スター・トレック』でのカークとスポックの出会い。
プロデューサーや脚本家にとって、キャラクターの起源は素晴らしい未開拓の場所なのかもしれません。しかし、しばしばこれらのプロジェクトは頓挫します。恐らく、進めていく内に「やはり起源を明かすことは必要ない」という結論に至るのでしょう。
実際の所、起源は理由があって明かされていないことがほとんどです。そして、キャラクターによっては、起源は重要ではないのです。
■自分たちにとっての『スター・ウォーズ』です (『スター・ウォーズ』とは全く別物の作品に対して)
確かに『スター・ウォーズ』は例えに使いやすいですが...
ジェームズ・ガン監督は『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』のインタビューでこのフレーズを口にし、作品は大ヒットしました。
しかし、「これは私の『スター・ウォーズ』です」といったことを製作者が発言した場合、その作品に『スター・ウォーズ』の要素を含んでいることはほとんどありません。彼らは「本作はハラハラドキドキとキュートを含んだ、壮大なサーガになる」とか「自分が長い間ずーっとハマっていた伝説」といった意味でこの言葉を口にしているのです。
例えば、『エアベンダー』の脚本/監督のM・ナイト・シャマランは、全てのインタビューで自身の作品と『スター・ウォーズ』を比較していました。しかし、公開された映画は原作のアニメにも『スター・ウォーズ』にも失礼なものとの評価。また、『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』の脚本/監督であるストラウス兄弟は、度々『スター・ウォーズ』を引き合いに出しました。
『スター・ウォーズ』を引き合いに出してはいけないということではありません。ただ、似ても似つかない作品にも関わらず、『スター・ウォーズ』と比較していたら、悪い兆候と言えるでしょう。
■これはリメイクではありません、◯◯のコンセプトに独自の捻りを入れました
果たして観客はオリジナルの捻りを求めているのでしょうか?
古くから愛されている作品を原題にリメイク/リブートする場合、全く違う作品に書き換えられることがあります。『デスレース』がいい例でしょう。オリジナルのロジャー・コーマン監督作品の要素は、車とフランケンシュタインのマスク以外はほとんど受け継がれていません(そんな『デスレース』も好きという人はけっこういると思いますが)。
しかし、古い名作をリメイク/リブートする際に「単なるリメイクではない」と言う発言があったら、要注意かもしれません。
■「サービス」が動詞として使われている場合
確かにグッズ展開は重要ですが...
映画業界の人々は「サービス」を動詞として使うことが多々あります。彼らは「神話にサービス(奉仕)した」「キャラクターにサービスした」「ストーリーにサービスした」といったように使うのですが、ここでの「サービスした」は基本的に「画面に登場する」という意味。実際の製作についてではなく、ある特定のものが画面に登場する時間が与えられているという意味で使われる傾向にあります。
■グリーンスクリーンを前にどう演技すればいいのか分からなかった
「何やってんだろ?」なんて考えながら演技したシーンを、観客は楽しめるのでしょうか?
チャニング・テイタムは『G.I.ジョー』(1作目)のインタビューの中で、公開前から興味深いことを話していました。「グリーンスクリーンを前にこんな大げさな演技をして良いのか? という不安との戦いだったが、デニス・クエイドとスティーブン・ソマーズ監督の主張を聞いて、そこまで真剣に映画のことを考えるのを止めた」とのこと。
しかし重要なのはここからで、テイタムは与えられたシーンで何が起こっているのかを全く把握していなかったと、繰り返し言っています。そして、どのシーンも彼の中では支離滅裂だったとか...。
Blastrのインタビュー記事を下に引用します。
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グリーンスクリーンを見ながら「リップコード! アァァァァァァァ!!」といったことを叫ぶんだ。その時にふと思ったんだよ「俺は何をやっているんだ?」って。それか、「お前はロケットを持ってこい、俺はナノマイトを持ってくる......。ちょっと待て、ナノマイトってなんだよ」てな具合さ。俺は全く理解していなかった。
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多くの場合、グリーンスクリーンを相手に演技した俳優がインタビューに応じると、ドラゴンが前にいることを想像してとか、ロボットが自分に向かってくることを想定して~といったことを話します。しかし、「何が起こっているのか分からなかった」と言うのであれば、それは良い傾向とは言えないでしょう。
確か、ジェイク・グレンホールも『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』のインタビューで同様のことを言っていました。また、『スター・ウォーズ』新3部作の俳優たちも「困惑した」といったことを口にしていました。
ちなみに、io9読者のGrokさんが寄せた情報によると、『ホビット』の撮影の際、イアン・マッケランは「貴方のほかに13人の人がいると想像しながら演技してくれ、演技の幅を引き延ばすことができるぞ」と言われ、グリーンスクリーンを前に涙してしまい、「こんなことをするために俳優になったのではない」と漏らしたのだとか。しかも、その時マイクがオンになっていたため、スタジオにいた全員にその言葉が聞こえてしまったのだそうです。
■映画の中では言及している
確かに『バトルシップ』はボードゲームとの接点がほぼ見られません。
「作品自体に実は具体的に含まれていない何か」を参考にした、またはそれに関連した作品についてのインタビューの中で登場するフレーズ。例えば、コタク・ジャパン編集部は大好きな『バトルシップ』がそうです。
ピーター・バーグ監督は行われたすべてのインタビューで、ボードゲームとは程遠い内容の映画にも関わらず、どのようにボードゲームを関連づけているのか? という質問を受けています。
また、映画『ウォッチメン』では原作コミックで強烈なインパクトを残す「イカ」が登場しませんが、ザック・スナイダー監督は関係したシーンがあると言っていました。映画版を見ると、エネルギー発生装置の頭文字が「SQUID(イカ)」となっているので、登場していないとは言い切れませんが...。
他にも、インタビューで製作者が半ば説明を強制されている時、映画化された元の作品のコアな部分に対しての応答の仕方を見れば、良し悪しが少なからず判断できるかもしれません。
■トーンを修正しなくては
タートルズのこの姿は修正後のようですが...
代表的な作品は『ジョナ・ヘックス』でしょう。本作に関連した多くのインタビューで、トーンを修正するために再撮影を行ったと書かれています。とはいえ、再撮影を行った=その作品はまずい、ということではありません。どのマーベル映画も再撮影は行っています。
しかし、「映画のトーンが間違っていたから修正する必要があった」といった発言から再撮影されている場合、それは悪い兆候です。なお、マイケル・ベイ監督も去年公開した『ティーンエイジ・ミュータントタートルズ』で同様のことを言っていました。
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「最初のカットを自分に見せるために彼らはマイアミに来た。そして、見た後に監督と編集者とVFXスーパーバイザーという面々と夕食に出かけたんだ。ステーキを食べ、マティーニを一杯ずつ頼み、私はアンドリュー(・フォーム)にテキストメッセージを打った。彼はトイレへ行き、私もトイレへ行った。そこで私は言ったんだよ、「これはまずいぞ!」とね。そしてパラマウントにメールしたんだ、「ヤバいぞ、面白く書ける脚本家が今すぐ必要だ、パイプラインは進んでいかなきゃならない」と。あるべきトーンにしないといけないと感じたんだ。あれは危険だったね。
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■自分がこの役に決まってから、キャラクターが大きく変更された
ミーガン姉さんはセクシーを売りにしていますが、娼婦役は嫌だったらしい?
『ジョナ・ヘックス』で娼婦を演じたミーガン・フォックスですが、彼女はインタビューで「心が美しい娼婦を演じるために契約したわけではない」と言い続けていました。
このように、俳優が「こういう役だと思っていなかった」「キャラ設定が途中で変わった」発言している場合、危険信号かもしれません。
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