Oculus Riftを筆頭に、VRヘッドセットの体験談をよく耳にする昨今。しかし、このテクノロジーは単にクールなだけではありません。バーチャル・リアリティー酔い(3D酔い)という問題もあるのです。
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ローラーコースターや宇宙戦闘機などの映像を見せると、装着した人の全員ではないものの、ある程度の割合で3D酔いを感じる人たちがいるとのこと。
そこで研究者たちがさまざまな調査を行ったところ、それが解決するかもしれない画期的かつ珍妙な方法が発見されたそうです。
それはインディアナ州にあるパデュー大学の研究チームによる報告で、「プレイヤーの眼前に仮想の鼻を配置する」ことと書かれています。
「鼻」を表示するなんて珍妙な気がしますが、詳しく知れば納得できるかもしれません。
デジタルの鼻はプレイヤーの平衡感覚が地に足がついているように感じさせ、プレイヤーの目が経験していることと、その他の身体パーツに起こっていない感覚との差をどうにか縮めようと、脳に調整させるのだとか。
パデュー大学コンピューター・グラフィックス・テクノロジー科のデイヴィッド・ウィッティングヒル准教授は、こうおっしゃっています。
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私たちが心配していたのは、皆さんの身体が慣れ親しんだ、安定した物体が調整してくれるかどうか。しかし、それは常にそこに在り、感覚器官はそれを知っているのです。
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トップ画像が実際のパデュー大学で実施されたテストに使われた「デジタルの鼻」なのですが、面白いことに被験者たちはバーチャル・ゲームをプレイしている間、その存在に気が付かなかったそうです。しかも、実験後にデジタルの鼻があったことを教えても、被験者たちはすぐには信じてくれなかったとのこと。この結果に関しては准教授も「驚いた」とおっしゃっています。
きっと鼻というのは、いつも目の前に見えている(のに無視している)物体であるがため、当たり前過ぎて誰も気付こうとしないのかもしれませんね。
デベロッパーやゲーム・デザイナーたちにとっては好ましくない解決策かもしれませんが、「鼻」がバーチャル・リアリティー酔いを防ぐ一助になるなら、採用してほしいところ。もちろん、表示のオン/オフができるのが理想ですが......。
ここだけの話、訳者はかつて『DOOM』で酔って具合が悪くなったことがあります。あれ以来FPSは苦手意識が強かったのですが、この方法にヒントを得て、パーティー・グッズの鼻メガネでも掛ければ、『コールオブデューティー』や『ポータル』、それに激しく揺れそうなアダルトVRコンテンツも楽しめるのではないかと思ったので、近々試してみたいと思います!
(岡本玄介)
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