ドイツ発:一部メディアが殺人事件の要因が『ファイナルファンタジー』にあると謎の報道


何でもかんでもゲームのせいにするとは、いやまったくすばらしきかなこのせかい。

ドイツのミュンヘンで31歳の女性であるカトリン・Mさんが、刀で18回刺されて死亡するという悲惨な殺人事件が起きました。そして何を思ったか、ドイツのメディアは事件を『ファイナルファンタジー』のせいにしています。

ドイツのメディア、例えばタブロイド紙のTZなどは、犯人だとされる18歳の男性(19歳との報道もあり)マルコ・Fさんが「彼のお気に入りの『ファイナルファンタジー』キャラクターにコスプレしている写真」とされるものを掲載しています。

でもそのコスプレ写真とされているモノ、よくよくみると『ファイナルファンタジー』というよりは別のゲームのキャラクターに似ていないでしょうか?
 

そのキャラクターとは『すばらしきこのせかい』の桜庭音操。確かに戦闘もあるものの、とても「暴力的なゲーム」とは呼べないRPGゲームです。

また、IGNドイツ版によれば、別のタブロイド紙Abendzeitungはわざわざマルコさんの『ファイナルファンタジーXIV』のプロフィールとされるものを掲載しています。しかし『ファイナルファンタジー』とマルコさんとを結びつけるには根拠薄。というのも、どうも1度しか『FF XIV』をした形跡はない(と掲載紙の編集部も書いている模様、じゃあなぜ関連付けたのか...)ようですし、剣で攻撃する暴力性があるといっても、血まみれな映像表現はありません。

まあゲームを槍玉に挙げるほうが精神疾患について書くよりも軽く書けるし、実際関係があるかどうかわからなくても国を動かすような大きな話題にできるっていうのもあるんでしょうけどね。米コメント欄にはこんなコメントが。

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TRT-X:「臨時ニュース!犯人はその人生のある時点でゲームを遊んだことがある!」というわけか。これだけゲームがあふれているなかでゲームを遊んだことがない人を探すほうがむずかしいだろうにな。
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GreatWizard:大衆紙が事前に調査してから物書くわけないだろ? 奴らは記事の正確性じゃなくページビューで金もらってんだぜ?
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いくらタブロイド紙とはいえもうちょっと大人げある報道をしてもらいたいものです。カトリン・Mさんのご冥福を祈ります。


Wo ein Mordverdacht ist, kann doch ein Videospiel nicht weit sein...[IGN Deutschland]
Munchner Professor: Marco F. ist ein Ausnahmefall[Abendzeitung]
Die wirre Welt des Morders[TZ Thanks, Captain!]
[via Kotaku

(abcxyz)

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RSS情報:http://www.kotaku.jp/2013/01/ff_blamed_for_brutal_murder.html