「次世代型ヴァンダム」スコット・アドキンスとケイン・コスギW主演のニンジャ・アクション映画『ニンジャ・アベンジャーズ』。
今回は、本作に出演している世界的アクション俳優、「Mr.パーフェクトボディ」ケイン・コスギさんにインタビューして参りました!
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本作のアクションの撮影について、影響を受けた俳優、そして趣味のゲームのお話まで、ケインさんの人柄と映画への真摯な姿勢が垣間見える言葉の数々は以下より。
――タイでの撮影はいかがでしたか?
ケイン・コスギ(以下、ケイン):タイはハリウッド映画のロケーションとしてよく使われているので、撮影で苦労することはありませんでしたが、食事が大変でしたね。
辛いものが苦手なので、タイ料理も苦手なんです。そこで身体を維持するために筋肉を落とさず、脂肪を増やさないようにしなければいけなかったので、大変でした。
あと虫も苦手で......。タイは虫が多いので、それも大変でしたね。
――本作に向けて何か特別なトレーニングは積んだのでしょうか?
ケイン:週5日間3時間ジムに通って、1時間ストレッチ、2時間アクションの練習をするのに加えて、走り込みなどをしましたね。本作では、これまでで一番軽くて動ける身体を作りました。
――スコット・アドキンスとの共演はいかがでしたか?
ケイン:スコットさんの作品は前から観ていたので嬉しくもあり、スコットさんはすごい身体で素早いアクションを上手にやる俳優なので、少しプレッシャーもありましたね。
共演が決まった時から、今まで以上に頑張らなければと思い、かなりトレーニングをしました。スコットさんの筋肉の大きさには敵わないので、ブルース・リーみたいなキレてる身体を目指しましたね。
現場でスコットさんの動きを生で見た時は本当に驚きました。すごい筋肉で、あんなに大きな身体なのに軽々飛び跳ねてキックをしますし、迫力もありました。
スコットさんとはタイの現場に入ってからずっと一緒でしたが、とても優しく真面目な方で、夕食を共にしたり、お互いアクション映画が大好きなので、映画の話をよくしてました。
――日本とハリウッドの両方で活躍されていますが、日本とハリウッドの現場では何か違いを感じますか?
ケイン:撮影の面ではあまり差はありませんね。ただ、ハリウッドは労働組合の力がしっかりしているので、保険の関係もあって「こういう危険なアクションはやめてほしい」みたいな要請を受ける時があります。
僕は「リポビタンDのCMでこれよりも何十倍も高いところから飛んでますから、大丈夫ですよ」みたいな感じで返すんですけど、やっぱりやめてくれと言われますね(笑)。あと、ユニオンは労働時間にも厳しいので、撮影は1日何時間までという決まりもあります。
――『ニンジャ・アベンジャーズ』でスタントマンに代わってもらったシーンはあるのでしょうか?
ケイン:いいえ、全て自分でやりました。今までの作品のアクションは全て自分でやっています。
ただ、主演した『TEKKEN2 : KAZUYA'S REVENGE(原題)』での車にはねられるシーンでは、撮影が始まったばかりだったこともあって、皆から止められてスタントマンに代わってもらいました。
ジャッキー・チェンさんへの憧れがあるので、アクションはなるべく自分でやりたいと思っているんです。本人がやっていると気持ちが伝わりますし、観客も慣れてきているので、スタントマンを使うとすぐわかっちゃいますからね。
――本作のアクション・シーンは、1カット1カットが長く、凄い迫力で「本当にやっている」感が伝わってきました。
ケイン:それが本作のアクション監督がスコットさんと僕の対決シーンで一番大事にしたポイントですね。
カットを短く割らずに、引き気味で撮ることにこだわっています。しっかりと打撃が当たっているのを見せないとミスに見えてしまうので、2人ともかなり気を使ってアクションを頑張りました。
――ご自身が一番影響を受けた俳優は誰でしょうか?
ケイン:やっぱりジャッキー・チェンさんですね。実はアメリカに住んでいた頃はジャッキーさんの作品を全然見たことが無くて、日本に来てから見たのですが、スタントマン無しで本人が凄いアクションをやるところに衝撃を受けました。それ以来ずっと大ファンです。
――ジャッキー・チェンやジェット・リーといった大スターとも以前共演されていますが、それぞれにどういった印象をお持ちですか?
ケイン:お二人はオーラが凄いです。でも、それぞれ雰囲気は違いましたね。
ジャッキーさんは現場ではずっと動いていて、ゴミがあると拾うなど、本当に何でもするのが印象的でした。一方で、ジェット・リーさんは撮影が始まると落ち着いていて、禅のように一人の世界に入る人でしたね。
ジャッキーさんは1回の蹴りを何十テイクも撮って、納得がいくまでやるというタイプなのに対し、ジェット・リーさんはリハーサルをちょっと見たら練習なしで撮って、1~2回でOKというスタイルで、そういった違いもありました。
――アクションの最前線で活躍するケインさんから見て、最近のアクション映画はどのように変化してきていると思いますか?
ケイン:最近はアメコミ・ヒーロー映画を含め、大作アクション映画が増えてきていて、CGとワイヤーが多用されていますよね。
一方で本作や『ザ・レイド』みたいにCGやワイヤーを使わない、ジャッキー・チェンさんやジェット・リーさんがやってきたようなアクションも人気が戻ってきている印象です。
さらにここ5年位、UFCなどの総合格闘技の人気が高くなった影響で、アクション映画でも組み技やトリッキーな動きを取り入れるのが流行っている気がしますね。
――ここ最近のアクション映画の中で、お気に入りの作品はありますか?
ケイン:ドニー・イェンさんの作品や『ザ・レイド』シリーズ、『マッハ!無限大』ですね。あと、『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』や『キングス・マン(原題)』のアクションもグロテスクですが、新鮮で面白かったです。
最近一番気に入った映画はアクション映画ではないのですが、ロン・ハワード監督の『ラッシュ/プライドと友情』です。F1はあまり知らないんですが、主人公2人の対決の物語に惹かれました。ライバルや友情といった、関係の話を描く映画が大好きなんです。
他にも『アメリカン・スナイパー』や『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』も面白かったですね。ドラマ系映画も好きなんですよ。
――ケインさんのベスト・ニンジャ映画はなんでしょうか?
ケイン:ニンジャ映画は、ちょっと前に改めてお父さん(ショー・コスギ)の映画『ニンジャII/修羅ノ章』を見たんですが、やっぱり今見てもすごい作品だと思います。
後は厳密には映画ではないですが、『服部半蔵 影の軍団』も大好きです。真田広之さんが出演されている回が特に。あの時代のニンジャやアクションはすごかったですね。
だけど最近はニンジャ映画がほとんどなくなってしまいましたね...。
――そんな中『ニンジャ・アベンジャーズ』は公開されますが、最近では映画『GIジョー』シリーズの公開や、SFニンジャ小説『ニンジャスレイヤー』のアニメ化など、世界的にニンジャに注目は集まってきていると思うので、ぜひケインさんにはどんどんニンジャ作品に出演していただきたいのですが、いかがでしょうか?
ケイン:子供の時からニンジャには縁があるし、日本に来て最初にやった『カクレンジャー』もニンジャだし、『ニンジャ・アベンジャーズ』にも出ましたから、ニンジャ映画が作られるなら、またチャレンジできたら嬉しいですね。
――ケインさんはゲームがお好きとのことですが、どんなゲームを遊ぶのでしょうか?
ケイン:ゲームが本業!? みたいな感じですかね(笑)。それはジョーダンですが、そのくらい好きです。
最近はオンラインFPSがメインですね。5年前くらいから『Call of Duty』シリーズは好きで、今は『CoD:Advanced Warfare』で遊んでいます。
あるゲームのときクランに入っていて、いつもは声を変えてボイスチャットを使っているんですが、ある時普通の声でやったら仲間から「声がケイン・コスギに似てますね」って言われた事がありますね(笑)。
その時は「外国人は皆こんな感じですよ」とか「そうなんですか? じゃあ、パーフェクトボディですねぇ(笑)」なんて返して、やり過ごしました。危うくバレるところでしたね(笑)。
最近だと携帯ゲームでもたくさん遊んでいます。撮影場所がタイとかだと、FPSをやるには回線の問題もあるので。携帯ゲームだと『パズル&ドラゴンズ』、『モンスターストライク』、『ONE PIECE トレジャークルーズ』、『LINE トリオ』とか、パズルゲームはだいたいやってますね。
――映画やCMから受ける印象とは違う、意外な一面ですね(笑)。
ケイン:僕は仕事が無い時やジムのトレーニングとか、武術練習などの用事が無い時はだいたい家にいます(笑)。
――ゲームキャラクターの動きを映画でのアクションに取り入れたりはするのでしょうか?
ケイン:もちろんしますね。今まで僕が出演したハリウッド映画でもゲームの題材作品があり、その中のキャラクターを演じましたが、出来るだけゲームのキャラクターに忠実になるよう、ゲームを勉強します。
例えば一例ですが、『ストリートファイター』の「竜巻旋風脚」とか、いろんな格闘ゲームの技をアクションに取り入れています。
――逆に、ケインさんがモーション・キャプチャーを担当するゲームも出てほしいと思うのですが?
ケイン:以前『天誅』というゲームのモーション・キャプチャーを1回だけしたことがあるんですが、また是非やりたいですね。でも、ゲームのキャラクターは人間が出来ない動きをするから面白いというのもあるんですよね。新しい技のヒントにもなるので、それを自分なりにアレンジして取り入れています。
ゲームは子供の時から大好きで、「Atari VCS」のころから遊んでいました。日本に来てから、最初は日本語がうまく喋れなくて友達もいないし、ホームシックになりながらずっと部屋の中にいて、『ストリートファイター』をやってましたね。
たまにゲームセンターで遊ぶとき、『ストリートファイター』で対戦して負けたりすると、思わず台の向こうにいる相手の顔をのぞき込んだりしてしまうほどハマりました。
――公式サイトで日記を書かれていますが、日本語を全てローマ字で書いていることが話題になりました。なぜ、あのような書き方をしているのでしょうか?
ケイン:日本に初めて来た時は、日本語がまったくできず、すぐにドラマの仕事があったので、日本語で書かれた台本を全てローマ字に変えて読んでいたから、書きやすいというのがありますね。急に普通の日本語に変えると、スタッフが代筆しているんじゃないかと思われそうなので、ずっと変えていません。なるべく自分で書きやすい形でファンに伝わればと思っています。
あと、多分日本語を全てローマ字で書いている人はいない気がするので、それも僕らしくていいところだと思っていますね。
ケインさんはとにかく真面目で、優しさが溢れている方でした。40歳とは思えぬ若々しさもさることながら、気合の入ったゲーマーであることにも驚き。
そんなケインさんが主演する『ニンジャ・アベンジャーズ』は全アクション・シーンが必見の作品。スコット・アドキンスが披露するとんでもないアクションの数々に圧倒されます。そして、そんな彼がパーフェクトを超えた史上最高の身体となったケインさんと対決するシーンは、超絶アクションの競演に思わず感動すること間違いなし!
また、「第二次大戦中、東南アジアでは日本軍所属のニンジャ部隊が暗躍していた」などという奇抜な設定や、アメリカン・ニンジャものには欠かせない、ちょっと(?)怪しい日本描写も面白いです。
80年代のアメリカン・ニンジャ映画をリバイバルしたかのような作品なので、アクションやニンジャが好きなら見るしかない!
ハリウッド映画『ニンジャ・アベンジャーズ』は3月28日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル大阪、ディノスシネマズ札幌、他全国順次公開。
[ケイン・コスギ公式ホームページ]
[最強無敵のエンタテインメント・ラインREDBAND公式サイト]
(傭兵ペンギン)
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