人間は不完全で個体差のある生き物。だから孤独や憎悪、そして争いは生まれるのだ...。
そう考えた司令や医者や石やリボソーム達は「だったらひとつになればいいじゃない!」という結論に至りました。
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そこで今回は、「個性を大事に!」と喧伝する昨今の世の中に反旗を翻す(?)名作をいくつかご紹介いたします。
■『新世紀エヴァンゲリオン』
この画像はリスペクトしすぎな海外ファンが作ったパロディのもの
謎の敵「使徒」と14歳の少年少女が乗り込む人型汎用決戦兵器「エヴァンゲリオン」の戦いを描いたアニメ作品。「人類補完計画」というワードを知っている方は多いことと思います。
作品中で明言されていないため具体的な内容は謎ですが、碇ゲンドウ司令の計画する「人類補完計画」は、互いに妬み傷つけ合う不完全な人類を一つにすることで、優しさに包まれた完全な単一生命体へと進化させることが目的。というのが一般的(?)な解釈のようです。
■『EX MACHINA -エクスマキナ-』
動画は諸事情により『Appleseed α』です
『攻殻機動隊』シリーズで有名な士郎正宗原作の映画『APPLESEED』の続編。
非核戦争後の世界で、特殊部隊「ESWAT」の女隊員デュナンとその全身サイボーグな恋人ブリアレオスの活躍を描いたライブ3Dアニメ映画です。HASYMOやコーネリウスなどが担当する楽曲も必聴!
ブリアレオスの主治医、ケスナー博士は人類が争う理由を個体差に見出し、思考の差をなくそうと考えました。彼は神経接続を利用したウェアラブルデバイスを世界的に流行させることで、それを身につけた人々の意思を奪うことに成功し、世界中の人々は「ひとつになりたぁい」と言いながら、ゾンビのように政府への反乱を始めることに......。
■『Dead Space』
地球の資源が枯渇し、宇宙開拓と惑星からの資源採取が一般的に行われるようになった遥か未来、宇宙船USG Ishimuraからの救難信号を確認し、Ishimuraへと調査に向かったエンジニアチームを待ち受けていたのは、正体不明の異形のモンスター達であった!――といったストーリーのゲーム。
ホラーゲームがやや少ない印象もあるPS3ですが、『Dead Space』は本当に怖い作品の一つ。主人公アイザックの無口さや三人称でありながらもHUDがないことが没入感を強め、和製ホラーの香りが不気味さを煽る名作です。
物語のキーとなるのは「The Black Marker」と呼ばれる石。Markerの発する律動は幻覚を引き起こし、大切な人とひとつになりたぁい気分にさせます。その影響なのか、この世界ではユニトロジーと呼ばれる一体化教が世界宗教となっており、プレイ中でもその熱狂的な信者と相まみえることになるのですが...。Make us whole again...。
■『ブラッド・ミュージック』
SF界の重鎮アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』と並び称されるほどの傑作小説。天才科学者ヴァージル・ウラムが作り出した知性あるリボソーム「ヌーサイト」が人類を取り込み、メタモルフォーゼさせる果てに、統一された思考宇宙を作り出す過程が描かれています。
ひとつになりたぁいというリボソーム達の不気味な意思はもちろん、リアリティあるパニック描写やSFならではの理論がそこかしこに散りばめられているのも面白い小説です。
いかがでしたか? 知らない作品があった方は、是非お手にとってみてください。あなたもきっとひとつになりたくなりますよ...。
「アップルシード アルファ」本予告[YouTube]
Dead Space Launch Trailer[YouTube]
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