今まで何度かお伝えしてきたとおり、権利の問題で映画『アベンジャーズ』などでおなじみのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)には参戦できなかった親愛なる隣人「スパイダーマン」。
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コミックでは共演は当たり前なのに立ちはだかる大人の事情の壁! ところが先日、マーベルがスパイダーマンの映画化権を持つソニーと共に映画の製作することを発表。いったい何が起こったのか!?
そしてスパイダーマンはどのように今のMCUに参戦するのか? 誰がやるのか? 今回はソニー&マーベル映画版『スパイダーマン』の気になるポイントを考察していきます!
■これまでの映画化の流れ
まずは今までの流れを軽くおさらい。マーベルのスーパーヒーロー・スパイダーマンは今年で生誕53周年。長い歴史を持つキャラクターのあるため長くなりますが、ご了承ください。
最初の『スパイダーマン』の映画が誕生したのは1976年。製作はコロンビア映画で、同社の持つTV局「CBS」で放送するためのTV映画でした。
ところが続編は作られませんでした。様々なスタジオが映画化権利を買って映画化に挑戦するものの(あのロジャー・コーマンも一時期権利を持っていた)、結局実現せず、2000年代に入るまでハリウッドでスパイダーマン映画が作られることはなかったのです。
一方その頃ドラマ版の製作は続き、1977年に実写ドラマ『アメイジング・スパイダーマン』が放送。同時期に日本では1978年に東映が特撮TVドラマ『スパイダーマン』を放送しています。1979年にはその映画版が公開ました。
そして、1999年にソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントが映画化権を獲得。2002年に公開されたのが、サム・ライミ監督/トビー・マグワイア主演の映画『スパイダーマン』です。これは世界中で大ヒットし、『3』まで製作されました。
『4』ではついに『1』から登場していたピーターの恩師であるコナーズ博士がヴィランとなって登場か......などと予想をして盛り上がっていたら、ライミ監督とソニーの不和により製作はキャンセルとなってしまいます。
その後、2012年に仕切り直しとして、マーク・ウェブ監督/アンドリュー・ガーフィールド主演の『アメイジング・スパイダーマン』が公開されます。ちなみに前シリーズとは繋がりはないものの、同作のヴィランはコナーズ博士(リザード)でした。
続けて2014年に『アメイジング・スパイダーマン2』が公開。ところが、ソニー版『スパイダーマン』で最低となる興行成績を記録してしまいます(2014年のアメリカ公開映画で12位にランクインしているので十分凄いのですが)。
『2』は今後のストーリーに大きな影響を与えるであろう事件が起こり、続きが気になるオチだったので『3』への期待が高まる中、ヴィランを主人公にした映画『シニスター・シックス』の制作も決定! 売れるかはちょっと保証できないですが、アメコミファンとしては非常に熱い流れでした。
そして、昨年大きな話題となったソニーへのハッキング事件が勃発します。その中で映画『アメイジング・スパイダーマン』に関する情報が流出。なんと流出したメールの中には、ソニーがマーベルと手を組んで、スパイダーマンを『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』にカメオ出演させたいといった内容の記述があったとされています。
こいつはすげぇや! と興奮したものの、冷静に考えると複雑な大人の事情が絡みあい、互いにアメコミ映画で競ってきた2社がそう簡単に手を組むわけがないか......と思っていたら......。
■驚きの公式発表
2月9日、マーベルは自社の公式サイトにおいて、マーベルとソニーが協力し、新たな『スパイダーマン』をMCU作品で初登場させることを発表。
さらに、ケヴィン・ファイギ(マーベル・スタジオ社長)とエイミー・パスカル(ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント共同会長)の二人でプロデュースする新作『スパイダーマン』映画を2017年に公開すると発表しました。
これによると、マーベルとソニーは協力して『スパイダーマン』の映画を作るものの、資金集めはソニーが行い、配給権、最終決定権、映画自体の権利はソニーが持つようです。というわけで、ソニーが映画化を諦めたわけではなく、MCUには入るものの、『スパイダーマン』はあくまでソニー主導で作られていく模様。
そしてこれから、MCUと映画『スパイダーマン』シリーズを絡める機会を探っていくとも語られています。こいつはすげぇ楽しみ! でも、一体これからどうなるんだ!?
■次は誰?
まず気になるのは、次のスパイダーマンは誰か?
直前の『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでは、アンドリュー・ガーフィールドが演じていましたが、公式発表では新たなスパイダーマンと書いてあるので、別の俳優が演じる可能性が高そうです。
個人的にアンドリュー・ガーフィールドは合っていたと思うのですが、今回の発表以前からアンドリュー・ガーフィールド降板の噂は何度か立っているので続投は難しいかもしれません。現状、それ以外の情報は全くなし。
せっかくなので、勝手に候補を考えてみましょう。
まず一人目は『Fury』でブラピ率いる戦車乗りたちにひどい目にあわされながら成長(?)していく主人公を演じた、ローガン・ラーマン。一見弱そうな感じ、なかなか似合うと思いませんか? まだ23歳とかなり若いので、MCUに登場したら最年少のヒーローということになりそうです。おっさん多めのMCUにフレッシュな空気を送り込むなら(失礼)彼に決まりだ!
もう一人は、エディ・レッドメイン。3月に日本公開予定の『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞にノミネートされた若手俳優(とはいえ33歳)。同作でのメガネ姿がパワーを得る前のピーター・パーカーっぽい! 彼自身ヒーロー映画に強い興味を示していたので、オファーがあればやってくれそうな気配も!
ちなみに、コミックではピーター・パーカー以外にも様々な人物がスパイダーマンになっていますが、公式発表の中で「この新しいレベルのコラボレーションは、これから先ピーター・パーカーのストーリーを語るのに完璧な方法」とソニー・ピクチャーズの社長が語っているので、次回作の主人公もピーター・パーカーとなりそうです。
というわけで、ピーター・パーカーのクローンであるベン・ライリーや『アルティメット・スパイダーマン』に登場したスパイダーマンのアフリカ系とヒスパニック系のハーフ、マイルズ・モラレス少年などが主人公になることは今のところなさそうです。もちろん、ストーリーの展開によっては出てくる可能性は残っています。
皆さんは誰がピーター・パーカー/スパイダーマンにぴったりだと思いますか? 勝手に予想して盛り上がるなら今のうちですよ!
■どんな話?
次に、ストーリーがどうなるのかも気になるところ。しかし、これもまた情報は全くないので、公式発表を隅から隅まで見ながら考えていきましょう。
まず最初に考えたいのは前シリーズ『アメイジング・スパイダーマン』のストーリーと繋がるかどうかですが、『アメスパ』の展開をMCUに無理やりつなげたとしても、映画『アベンジャーズ』の時にニューヨークで大事件が起こっていた中、スパイダーマンは何をしていたんだ! という疑問が出てきてしまうので、完全にリセットされる可能性は高いと考えられます。
もちろん、「スパイディはアベンジャーズが頑張っている裏でチタウリと戦いながら、ガレキに埋もれてしまった人々を救出していたのだった!」的な回想シーンなどがあれば、それだけで解決しますし、それはそれで熱い展開なので大歓迎です。
仮にリセットするとして、ピーター・パーカーが蜘蛛に噛まれ、ベンおじさんが殺されてしまうスパイダーマン誕生のストーリーをもう一度最初から映画にするのか? も気になる所。個人的には、さすがにスパイダーマンを見たことのある人は多いでしょうから、冒頭5分くらいの回想で一気に見せるような気がします。
そして初登場はいつになるのか? 公式発表を見る限り、2017年公開の映画の前にMCUの新たなスパイダーマンは登場予定とのこと。となるとスケジュール的には『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』か『ドクター・ストレンジ』にカメオ出演する可能性が高いでしょう。
しかし、『ドクター・ストレンジ』はMCU初登場となるキャラクターなので、彼の誕生ストーリーを語るに加え、MCU初登場のスパイダーマンを登場させると、原作でつながりがあるとはいっても混乱しそう。
先述のリークの件も合わせると、やはり『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』でのカメオ出演が順当な流れかもしれません。すると、同じく初顔見せになる「ブラックパンサー」の影が薄れそうなのだけがちょっと心配だ......!
ちなみに、本来次回作とされていたヴィランを主人公にした映画『シニスター・シックス』がどうなるのかは現在不透明。もしかしたら計画だけ残って、今後のスパイダーマン映画のスピンオフとして同様の映画が作られるかもしれません。
■広がる可能性
どういうストーリーになるにせよ、スパイダーマンがMCUに参戦するというのは、最高に嬉しいニュース。
『アベンジャーズ』との共演はもちろんのこと、このままいくと原作でつながりの強い『デアデビル』のドラマ版に登場するなんて可能性もあるかもしれません。
さらにスパイダーマンがMCUに来たってことは、「ベノム」も登場するでしょうし、登場すれば『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』のメンバーである「エージェント・ベノム」も登場する可能性も出てきます。もっと言ってしまえば、「スター・ロード」の父親がベンおじさんの可能性だってゼロではなくなるのです!
また、「レオパルドン」が登場したことで一躍話題となった『スパイダーバース』的な展開として、トビー・マグワイア版、アンドリュー・ガーフィールド版、そして新版が一気に集結! なんてこともできるかもしれません。
ちょっと興奮しすぎかもしれませんが、実際登場しなくても、他作品でピーターやスパイディの名前が言及されるだけでも楽しいじゃありませんか。可能性は無限に広がった!
映画『スパイダーマン(タイトル未定)』は2017年7月28日公開予定。それにより、その他の作品、『ソー:ラグナロク』は同年11月3日、『ブラックパンサー』は2018年7月6日、『キャプテン・マーベル』は2018年11月2日、『インヒューマンズ』は2019年7月12日へずれ込みました。
『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』は予定通り2018年5月4日公開とのことなので、スパイダーマンはこの辺りでアベンジャーズと共演を果たすのではないでしょうか?
そして、そんなMCUの直近の最新作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は、2015年7月4日日本公開予定。まずは『エイジ・オブ・ウルトロン』を見て、スパイダーマンの登場に備えましょう!
© 2015 Marvel
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(傭兵ペンギン)
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