良いホラー映画に欠かせないのが「こんな奴一刻も早く殺されれば良いのに!」と思うような憎まれキャラと、「こいつが死んだら悲しい!」と思わせるような存在感のある脇役。
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前者はグループの中心になりたいけれど、人の惹きつけ方が分からずに空回り、不貞腐れて個人行動する人を不快にさせたり、とにかく横暴で人を馬鹿にしたり、調子に乗りすぎてグループを危険にさらしたりするタイプ。後者は、とにかく正義感が強い人、とことん良い人、面白い人、知識が豊富な人...あげていったらキリがありません。
今回焦点をあてたいのはこの「死んでほしくない」愛すべきホラー映画の脇役キャラ。主人公を食うくらい存在感のあった、そんな人物たちを10名、io9が選んでいたのでご紹介します。
1.『ロストボーイ』のフロッグ兄弟
本屋で働いているのは仮の姿、彼らの目的はもっと高いところにあります。それは「真実と正義と自由」のために戦うこと。ランボーにインスパイアされたファッションで、スーパーマンオタクのサムと協力してヴァンパイアと戦います。
漫画から得たヴァンパイア狩りの知識と聖水入り水鉄砲を武器に、自転車でキコキコ移動しながら街を守るために大奮闘。必死さの中にあどけなさが見えるフロッグ兄弟は、笑える上になんとなく心を温かくしてくれる存在。主役を食う存在感を発揮していました。
2.『ポスターガイスト』のタンジーナ
女優ゼルダ・ルビンスタイン演じるタンジーナは霊媒師で、クローゼットの中に吸い込まれたフリーリング家の末娘キャロル・アンを救うために全身全霊で戦った勇敢なキャラクターです。
実はまだ問題は解決していないのに「この家はこれで清められた」と清々しく宣言したり、勇壮なモノローグを披露したりするタンジーナのパフォーマンスは最高でした。
3.『ホーカス・ポーカス』のサッカリー・ビンクス
3人の魔女にさらわれた妹を救おうと勇敢にやってきたものの、反対に魔女に死ねない喋る猫に変身させられてしまったサッカリー・ビンクス。
「童貞が火を灯せば魔女が蘇るロウソク」を守り続ける彼でしたが、彼女に良いところを見せたいと粋がった童貞が、300年の眠りから魔女たちを蘇らせてしまったがために、現代を舞台に魔女たちの巻き起こすドタバタ劇に巻き込まれてしまいました。
4.『ハロウィン』のアニーとリンダ
元祖絶叫クイーンのジェイミー・リー・カーティスに負けず劣らずいい演技をしたのが、シャツにバターをべったりつけてしまい、最後は車の中でマイケルに襲われて死んだアニーと、お約束の彼氏とセックスした後に惨殺されたリンダ。
この二人を丁寧に描いていたおかげでマイケルの殺戮がより悲惨に感じられました。
5. 『ジョーズ』のクイント
本作はサメハンターのクイント無しに語ることはできません。船に激しい攻撃を繰り返すホオジロザメに最終的に足から食べられて死ぬという壮絶な最後も見た人にこれ以上ない強い印象を与えました。
そんなクイントを演じたロバート・ショウは、元々キャスティングされていた訳ではなく、リー・マービンとスターリング・ヘイドンに次いで3番目に名前が挙がっていた俳優だったのです。
上の動画はクイントがインディアナポリス号に乗船していた時のエピソードを語るシーン。このシーンがあったからこそ、鼻持ちならない曲者キャラのクイントがいぶし銀の役所となったのです。
6.『スクリーム』のランディ
ネーブ・キャンベル演じるシドニーが執拗にターゲットにされる『スクリーム』に登場するホラー映画マニアのランディ。スラッシャー映画の「あるある」を視聴者に伝える重要なポジションであり、これまでのホラー映画には出てこなかった珍しいタイプです。
「警察はトロいんだ。『プロムナイト』を見ればわかるのに。一目瞭然なんだよ。全員が容疑者なんだ!」とホラー映画のルールの他にも自分を含め全員が容疑者であることを熱弁するランディ。
彼が映画製作のプロセスに言及することで「では、これまでのホラー映画とは違うものを見せてくれるのではないか?」と観客に期待させ、また新しいレベルのホラーを開拓することにも成功しました。
7. 『悪い種子』のデイグル夫人
パティ・マコーマック演じるサイコパスの少女ローダに殺された一人息子の死を嘆き悲しみ、酒に溺れるデイグル夫人。演じたアイリーン・ヘッカートはこの作品でゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞し、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。
8.『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のセックスマシーン
サルマ・ハエックの蛇ダンスやジョージ・クルーニーの際どいVカット...、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』には強烈なキャラクターが沢山出てきますが、中でも強烈なのが、鞭を持ち、股間の銃が常にスタンバイ状態の「セックスマシーン」。
特殊メイクアップアーティストのトム・サヴィーニが演じているのですが、名前とその出で立ちだけで主役を食っています。
9.『フェノミナ』のインガ
ドナルド・プレザンス演じるジョン・マクレガー教授の親友であるチンパンジーのインガ。下半身不随の教授のリクエストを理解して行動に移す、非常に賢い相棒です。
『アベンジャーズ』、『バフィー ~恋する十字架~』で知られるジョス・ウィードン監督が、Entertainment Weeklyのインタビューでお気に入りのホラー映画キャラクターとして名前を挙げています。
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あの映画は馬鹿げたことが満載のホラーだよね。残虐な殺人と昆虫と交信できるジェニファー・コネリー、それと近所に住む狂った人...。(コネリーの命を救うために)ナイフを持った猿が出てきたときなんか「マジかよ!」って感じだった。『キャビン』や1988年の『モンキー・シャイン』を見れば、インガから影響を受けているっていうのがわかるはずだよ。でも、『フェノミナ』のインガほど共鳴できるわけじゃないけどね。
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10.『フランケンシュタインの花嫁』のプレトリアス博士
アーネスト・セジガー演じるプレトリアス博士は、「怪物に花嫁を与える」という自分の計画にフランケンシュタイン博士を巻き込んだマッドサイエンティストで、彼の最後はその人生と思想に相応しい悲惨さです。
彼の「To a new world of gods and monsters!」(神と怪物の新世界へ!)は本作を語る上では欠かせない名台詞です。
[via io9]
(中川真知子)
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