隠れた名作は、もちろんこのジャンルにだって埋もれていますよね。
ロールプレイングであれば、先日ご紹介しました「続編が待たれる地味(?)な名作RPG7選」、そしてほぼ2倍の量となって新たにお届けした「まだまだあるゾ! 続編が待たれる地味(?)な名作RPG15選」という記事がありました。
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そして前回、「アドベンチャーゲームだって、続きを遊びたい名作が在るじゃん!」と思われた方々に朗報。今度は米Kotakuが選んだ、1作品で終わってしまったアドベンチャーゲームを9タイトル、ドドーンとご覧いただきたいと思います!
■『ポリスノーツ』
アドベンチャーはアドベンチャーでも、こちらは「SFハードボイルド」アドベンチャーというシブい作品で、コスプレ・アーティストのOMI化郎GIBSONさんをはじめ、今でもファンが大勢いる作品です。
やはり映画のような演出をしたのが、当時新しかったのでしょうね。
主人公のジョナサン・イングラムは宇宙飛行もしますし、殺人を扱うロサンゼルスの刑事でもありました。これはどちらも、小島監督が憧れた職業だったのだとか...?
人類が移住するスペースコロニーの保安に務める警察官「ポリスノーツ」。このキャラクターのモデルは、映画『リーサル・ウェポン』シリーズで主人公マーティン・リッグスを演じたメル・ギブソンさん。なので風貌から格好まで、よく似ているのですね。
アニメーションの会話シーンで、口パクを合わせるのが上手く調整できなかったそうで、海外版にはなっていないこの作品。それでもファンたちの手によって字幕が付けられ、あちらのゲーマーたちの間では名作と語り継がれているのです。
もちろん続編もプレイしたいのですが、欧米諸国ではまず英語版をお願い! ということだそうです。
■『ブレードランナー』
ポイント&クリックで操作する、名作映画を基にゲーム化したのがこの作品です。とは言え、物語は映画とは全く別のサイドストーリーとして作られています。なので世界観は同じに設定してありますが、主人公もデッカードではなくレイ・マッコイという別人が演じています。
映画がとにかくメジャーだったために、このゲームもそんなにマイナーではないものの、意外にもプレイした人は少ないタイトルなのだそうです。隠れた名作としてお墨付きなのはもちろん、アンドロイドが電気羊の夢を見るためだけに続編が作られても良いかもしれませんね。
■『おれには口がない、それでもおれは叫ぶ』
原題は『I Have No Mouth and I Must Scream』という小説で、鬼才のSF作家ハーラン・エリスン氏の作品が基になっています。
かつての記事「史上最もヘヴィ・メタル魂を感じるSFストーリー7選」では詳しいあらすじを掲載しましたし、「あなたが一度もプレイしたことがない11の優れたホラーゲーム」でも、人間の狂気を描くホラーとして数えられていたこともありました。
この話は、中国、ロシア、アメリカ合衆国の冷戦中、各々が開発したスーパーコンピューターが人間より長けた戦術を編み出し、戦争が勃発してしまいます。人類が壊滅的状況に陥った109年後の世界がこの物語の舞台で、生き残った人間は5人の男性と1人の女性だけとなっています。
脱出する6人と、人間を憎み彼らを執拗に追うコンピューターの「AM」。
このゲームでは、そんな登場人物たちが持つ罪の意識を熟知した「AM」が、それぞれに見合った方法で虐待をしていくようです。
なんと原作者のエリスン氏がゲームのデザインを手がけているだけでなく、「AM」の声まで演じておられるというから、ファンならどうあっても手に入れたいゲームではないかと思います。だからこそ、続編が期待されるのでしょうね。
■『サニタリアム』
こちらは1999年にリリースされた、サイコロジカル・ホラーという、ポイント&クリックのアクションゲームです。
交通事故により、記憶喪失となった男が主役で、事故のあと彼が目を覚ますとそこは精神病院でした。彼はそこで現実世界と妄想世界を行き来し、自らの精神障害と自分が何者なのかを探していくのがストーリーとなっています。例えて言うなら、グロさを無くした『サイレントヒル』や『サイコブレイク』みたいなものでしょうか。
しかし何かに失敗して死ぬようなことがあっても、主人公は再び精神病院に連れ戻されるため、エンディングを迎えるまでのゲームオーバーというのはないのだそうです。無限ループを彷徨うような感覚は、まさにサイコロジカルにホラーしているかもしれません。
「テレビゲームはあなたを泣かせることがあるか?」というのがこのゲームの売り文句だったそうです。しかし、こうしてこの記事に載っているくらいですので、実際泣いた人は多かったのでしょうね。それは恐怖でなのか、それとも感動してなのか? はたまた難易度や理不尽さで泣かされたのかも...?
■『悪魔の招待状』
『ディジャブ』と『シャドウゲイト』に続くケムコアドベンチャー・シリーズの第3作目に登場したのがこの作品です。元々はパソコン用ポイント&クリック・ゲームでしたが、1989年にケムコ社が『ファミコン』用に移植したコマンド式サバイバル・ホラーです。
8ビットのグラフィックながらも、当時の子供たちは幽霊やゾンビなどの敵に恐怖したことでしょう。このタイトルもまた、原題を『Uninvited』という、海外では続編が望まれているクラシックのひとつです。
■『バッド・モジョ』
フランツ・カフカの有名な著書『変身』よろしく、主人公が謎の魔法でゴキブリに変身してしまう、虫嫌いにとっては恐怖のゴキブリ・シミュレーターで、内容も裏路地で死んだネズミが出てきたりして、なかなかにグロいことになっています。
大金を持ってサンフランシスコの街から逃げ出そうとする科学者ですが、ゴキブリに変身してしまう謎のお守りにより、世界で一番忌み嫌われる昆虫に変身。バーカウンターやらキッチンやらと、サンフランシスコの汚い場所をパズルを解き明かしながら進んでいくのです。
現在Steamでは、『バッド・モジョ・リダックス』としてアップデートされ、600円ほどでお買い求めができるようになっています。レビューでも賛辞のコメントばかりで、続編が待ち望まれる隠れた名作となっているようです。Gが大丈夫なかたはぜひ!
■『ゴーストトリック』
気が付いたらすでに死んでいた主人公シセルが、電気スタンドのクネリから授けられた「死者のチカラ」を使い、物や人にトリツキ、アヤツルことで死を逆転させ、自らの死の真相を探っていくミステリー・アドベンチャーゲームです。
『ニンテンドーDS』では、『逆転裁判』や『ウィッシュルーム 天使の記憶』など、名作アドベンチャーゲームのタイトルがたくさん出ているのですが、シリーズ化されていない隠れた名作と言えば、この『ゴーストトリック』。
英語版では、副題に『ファントム・ディテクティヴ(幽霊探偵)』とついており、ミステリーを解き明かすことに熱中するゲーマーが多かったようです。
■『宝島Z バルバロスの秘宝』
Wiiリモコンを劇中のアイテムと同じように回したり引っ張ったりする動作で謎解きをし、全て集めると宝島に行けるという黄金ドクロの「バルバロスパーツ」を集めて、バルバロスの秘宝に辿り着くのがこのゲームです。
直感的な動作で謎を解いていくのは、これまでのポイント&クリックとは全く別の体験になりますよね。ザックが大好物のチョコバーをかじりながら、続編の登場を待ちたいものです。
■『ルーム』
ルーカスアーツ社の前身、ルーカスフィルム・ゲームズ社が1990年にリリースした作品で、『マニアックマンション』のために開発したスクリプト言語「SCUMM」を使用した4作目のグラフィカル・アドベンチャーゲームです。
内容は西暦8021年の地球を舞台にしたファンタジーで、たそがれの空を竜たちが支配し、無数の星が輝いていた『第二の闇の時代』が過ぎ、はるか長い年月がたった時、人類が再び世界を支配しようと考え始めた頃のお話です。
ここは職業ごとに作られたギルドが存在する社会で、鍛冶屋や羊飼い、聖職者たちが秘法を巧みにコントロールしています。何世紀も続いてきた織物師ギルド「ウィーヴァーズ」は、魔法の力を宿す織物を作るギルド。
しかし人々はその力を恐れるがあまり、「ウィーヴァーズ」は大陸を去り、ルーム島と呼ばれる孤島に移住。俗世間との関わりを一切絶ち、ついには忘れ去られた存在となっていました。
主人公は、島の掟を破ってまで母が授かった少年ボビン・スレッドベア。長老たちはボビンが秩序を乱すことを恐れ、白鳥に変身して島から逃げ出してしまいます。17歳の誕生日を迎えたボビンは、長老たちによって白鳥のヒナの姿に代えられてしまった乳母と共に、その長老たちを追う旅に出るのです。
音楽が美しく幻想的なこのゲーム、日本では過去に『PCエンジン』版でリリースされたことがありますが、これもまた密かに続編を望んでいるファンたちが多いようです。
こちらもまた、Steamにて販売されていますので、気になった方々はぜひどうぞ。
ということで、洋ゲーも多かったのでピンと来ない作品もあったかと思いますが...動画を観るだけでも、どれもが名作っぽい雰囲気は充分に感じられますよね。知らないタイトルであっても、確かに続編が望まれそうだと思わされるものばかりです。
アドベンチャーのジャンルもかなり幅が広く、また数えきれないくらいマイナーな名作が存在すると思います。コタク・ジャパン読者の皆さんなら、どんなゲームの続編をプレイしてみたいと思いましたでしょうか? ぜひとも教えてくださいね!
Nine Obscure Adventure Games We Wish Had Sequels[Kotaku]
(岡本玄介)
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