眼球の構造を分解してレンダリングすれば、リアルな目ン玉CGが出来る!
表立って知られてないかもしれませんが、あのディズニーの中には、学術的な研究を行っている研究所をネットワークでつないでいる「ディズニー・リサーチ」という機関があるんです。
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今回ここが研究の成果として発表したのが、眼球を超リアルに表現できるイメージ・キャプチャー・システム。明るいと虹彩が開き、暗いと閉じるといった本当の動きまで行ってしまうこの眼球CG。
ぜひとも以下の動画で、どんなものが完成したのかチェックしてみてください。どうぞ!
確かに、怖いくらいカンペキに人間の目玉ですね。
「io9」で取り挙げられていたこの記事。眼球というのは、血管や虹彩などが個人個人違うだけでなく、どれもあり得ないほど複雑な構造で模様を作り出しているため、再現するなんて不可能に挑戦するようなものです。
しかも通常、上下の瞼が覆いかぶさっているので、表面的に見える部分は黒目の辺りのみです。なのにこんな緻密に再現しようというのだから、ホントに恐れ入っちゃいますよね。
ザックリとその再現方法は、このように眼球をパーツに分けてレンダリングするようです。
眼球の外側のほぼ全体を覆っている白色の層である強膜、角膜、そして虹彩を分解
さらに、光源からのライティングを計算し、光が作る陰影と虹彩の開き具合を調節するというメカニズムなのです。そしてチューリッヒのマーカス・グロスさんをはじめ、彼の調査チームは9名の目玉をスキャニングして、ブラウンやブルー、グリーンなど様々な色の瞳の情報を取り込んだのです。
彼らのリサーチ報告は、数式など詳細がビッシリ書かれたこちらのPDFで読むこともできますし、ディズニー・リサーチのサイトでもご覧いただくことができます。
そこに書かれている説明には、以下のように書かれています。学術的ですが読んでみましょう。
人間の眼というのは、個々の外見において中心的な存在のもののひとつでありながら、その形は著しく簡略化されてきました。一般的な3D眼球生成では考えてこられませんでしたが、この報告書の中では、それぞれの眼に多くの個性があることが実証されています。
私たちが提唱する新しいスキャニンング・システムは、白目の強膜と透明の角膜、そして単一ではなく変形している色とりどりの虹彩といった、眼球で全ての視認できる部位を持つ複雑な人間の眼球を正確に再構築することが可能となっています。
これらの構成要素は、非常に異なる見た目をしていますが、私たちはハイブリッドな再現方法でそれぞれ尊敬を持って個性的に表すのです。
私たちのシステムが出した結果は、形状もテキスチャーもこれまで前例の無い次元の精細さでモデルを完成させることなっており、この取り込んだ眼は、これからもっと真実味のあるデジタル人間を生み出せるでしょうし、たとえば眼科学などの分野でのコンピューター・グラフィックスでも使われる潜在能力を持っています。
最後に、この報告書に記されている発見の数々は、私たちの地域社会における人間の眼球についての定説を作り替えるであろうと考えています。そして将来、眼球がモデル化される時に、私たちの研究が著しい衝撃を与える可能性を秘めていると信じて止みません。
なるほど。この研究成果は将来にCGアニメ以外の分野でも、眼球をレンダリングする時のスタンダードとなる可能性が大いに有るということですね。確かにこんなにリアリスティックに再現できたら、きっとそうなるでしょう。
Disney's New Eye-Animation Method Is Scary Good[Kotaku]
(岡本玄介)
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