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フィクションによく登場する終末世界の設定とその意味10選

2014/11/26 22:30 投稿

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フィクションによく登場する終末世界の設定とその意味10選


『ウォーキング・デッド』のヒットもあり、最近人気の文学小説の半分は終末世界といっても過言でないほど、アポカリプスが流行っています。そんな中、io9がアポカリプスの設定に使われる10のタイプとその意味を紹介したので、みなさんにもお届けしたいと思います。


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リストの内容に入る前に、ひとつお伝えしておきたいのは、これらのアポカリプスの全てのシナリオは、それが例え人間が非常に恐れるようなモノだとしても、私たちが望んでいるものだと言えることです。

誰しも、ある日突然大惨事に巻き込まれて瞬時にしてヒーローになるという夢を思い描いたことがあるのではないでしょうか。学生時代や仕事に疲れた時、天変地異が起こって試験や仕事から解放される妄想をしたことは? 止めるに止められないフェイスブックやツイッターに疲れ果て、SMSのないシンプルな生活を送ることを想像することもあるでしょう。

全てのアポカリプスは、私たちのこういった願望を叶えてくれているのです。そして、この「願望成就」に次のような設定が加わるのです。




■伝染病

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非常に身近な恐怖


最近話題のエボラや世界的な流行病といった現実に人々が恐れているものと、世界的規模化に対する恐怖、国境越えや旅行が容易になったことで、第三世界で発生した病が瞬く間にヨーロッパやアメリカに到達することへの観念がベースになっています。

そして最終的に、そういった病を生み出した、もしくは解決できない科学への不信感に繋がっていきます。




■時間をかけて進む黙示録

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数十年先に西洋が崩壊したら...?


社会崩壊やゆっくりと進む環境衰退の設定です。基本的に、現在私たちが生きる社会で持続不可能とされるモノ(複雑な経済システムを含む)と、低価格の化石燃料に依存していた物は消えて無くなります。 この設定は、西洋が崩壊するのではないかという不安に直接関係しています。

また、この設定には伝染病が加味され大惨事になっているというケースや、『マッドマックス』のような世界になるケースがみられます。




■特定の人物が死ぬ、もしくは追放される

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いなくなったものの大切さを知る


一定の割合の人口が追放される(『Left Behind』、『The Leftovers』)もしくは、ある種の人間のみが死亡し、残された人々は無傷という設定です。これは伝染病が原因で発生するアポカリプスでよく見られるパターンですが、原因不明もしくは理由が不透明という場合も多々あります。

キム・スタンリー・ロビンソンの『The Years of Rice and Salt』ではペストが原因でヨーロッパ人の殆どが死滅し、イスラム教の人々が優勢になるという世界が描かれています。また、特定の種族ではなく、男性のみ/女性のみが生き残るという設定も少なくありません。

これらのシナリオは、いなくなってしまった人間がどれほど重要だったのかということを伝えることが目的となっています。それだけでなく、通常、残された人たちのグループのダイナミクスを探り、その生活様式や生態も明らかにします。




■テクノロジーの崩壊

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パソコンやスマホが無くなったら、私たちはどうなる...?


時間をかけて進む黙示録」とも似ていますが、このケースは急速にことが進みます。私たちが誇るハイテクノロジーが、EMPや電力系統の故障が原因で、ある日突然クラッシュするのです。このジャンルはE.M.フォスターの『機械は止まる』やTVショーの『Revolution』、またS.M.スターリンの『Dies The Fire』から始まりました。

この手のストーリーでしばしば使われるハイライトは、人間がどれほどテクノロジーに依存していたか、そしてあっという間に技術発達前に戻り、粗暴になるのか...というところです。

しかし、それは決して悪いばかりではありません。そのような暮らしをする人々を見ている私たちは、単純な生活様式に戻ったことにノスタルジアを感じ、開放感すら得るのです。




■ゾンビ

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起きて食べて働く...私たちはゾンビと同じなのかもしれない


ゾンビが地上にはびこる世界では、ソンビに噛まれた人間は死に、ゾンビとなって蘇ります。一部のイカれた人間は理想の社会を築こうとしたり、他の生存者に自分の考えを押し付けようとしますが、そういったケースは別として、通常、ゾンビの襲撃から逃れた生存者は協力しあって共に生きようとします。

ゾンビは、作り手にとっても、見る人にとっても、思い思いに比喩することのできる存在です。例えば、労働階級者や移民、貧民階級といった具合です。ゾンビの集団に個性は無く、意思も存在せず、ただひたすらに消費して生きるのみ個々にキャラクター設定されたヒーローとは対極の存在です。

稀に、ゾンビが友人や愛するものすら殺す殺伐とした物語の中心として登場することがありますが、基本的に、その他大勢のモブの扱いされるのが一般的と言えるでしょう。




■ロボットの反逆

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人間に近いロボットが出てくるたびに『ターミネーター』の世界が頭をよぎる


いき過ぎたテクノロジーが突如として人を襲う...。コンピューターが外の世界を認識し始め、人間を排除しようとしたり、なんらかの障害が原因(ハッカーや悪役がロボットを利用し人類に攻撃を仕掛けるなど)で殺人を起こすようになるという設定です。

これらのストーリーは、人間が開発した技術があまりにも賢くなってしまい、人間の裏をかくのではないかという恐怖が元になっています。

身近な所で言うと、あなたの生活全般がSiriによってコントロールされているとして、ある日突然、彼女が悪意を持ち始めたら...? といった具合です。 




■人類が地球を捨てる

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好き勝手やった挙句に捨てた


地球がゴミの山となり、人間が住める場所ではなくなってしまうという設定です。これは、「時間をかけて進む黙示録」や「自然災害」、その他の災害と共に使われることが多々あります。『ファイヤーフライ 宇宙大戦争』では、人類は地球を捨てて戻ることは無く、地球は過去のものとして語られる程度です。

しかし、「人間が地球を捨てた」ストーリーのポイントは、地球に戻り、「惨状」、「文明の崩壊」、「人々が去った後で残された自然が全てを立て直した」 という3つのパターン(もしくは複合)を目の当たりにすることが一般的です。

そして、大抵の地球を離れる理由が、我々人類が住処である地球を汚し過ぎてしまったことであり、マルサス主義も加味されることがあります。




■核大虐殺

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人間は先見の明が無い


武器は必ずしも核である必要はなく、生物兵器、化学兵器、地震によって引き起こされたもの、より突飛なものの可能性もあります。この手のアポカリプスは、私たちの持つテクノロジーが自爆に近いレベルに達したというだけでなく(最後の生存者すら死の瀬戸際に立たされる)、人類の先見の明のなさと非道さを伝えようとしています。




■自然災害

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自然の前では人間は無力です


自然災害、またの名をローランド・エメリッヒ・カテゴリーとも言います(実際にそんなカテゴリーはありません)。ここでいう自然災害には宇宙からの飛来物(流星、彗星、太陽フレア等)を始め、火山、津波、世界規模の洪水、氷河期の到来、暴走したニュートリノが含まれます。

時に、こういった「自然災害」のストーリーは私たち人間の失敗や無責任な干渉が原因で引き起こされます。良い例が2003年の『ザ・コア』でしょう。

また、温暖化に対する警告を含んでいるケースも少なくありません。アポカリプスに登場する自然災害は、高い確率で自然に発生し人間の前に立ちはだかり、まるで害虫を叩いて殺すが如く一瞬にして命を奪っていきます。

自然災害の設定が伝えたいメッセージは、大抵の場合が「自然は偉大で人間が制御することは不可能であり、私たち人間はちっぽけで傲慢だ」ということの他にありません。




■モンスターやエイリアンの出現

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支配する側が、ある日突然支配される側に


ゴジラのような巨大なモンスターが突如として現れる、もしくはエイリアンが地球を侵略...。どちらのパターンも、基本的に人類はそれらの生物よりも劣り、理解することすら出来ないという設定が多く見られます。

モンスターやエイリアンの攻撃は無情で、到底納得できるような正当な理由はなく(攻撃する側からしてみたら本能に従っているのでしょう)、時として伝染病にも似ていると感じられます。

このケースは、人間は自分たちが考えているほどコントロールする側ではないのかもしれないという恐怖を現しているのです。

また、エイリアンの侵略者と巨大なモンスターは、私たちが植民地主義を受ける側になることに対する恐怖も具現化しています。それだけでなく、巨大なモンスターの攻撃は、私たちが心の中に抱える怪獣を解き放ち、癇癪を起こすように滅茶苦茶に暴れたいという願望も叶えているのです。


The 10 Types of Fictional Apocalypses (And What They Mean)[via io9]

中川真知子

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