あたかも絵描き版『潜水服は蝶の夢を見る』ってなトコでしょうか。
かつては大手ディベロッパーのRockstarやEA、Eidosなどでコンセプト・アーティストとしてご活躍されていた、フランシス・ツァイさん。
これまでに、こういったアートワークを描いてきた方なのですが...2010年より、筋力の低下をもたらす神経変性疾患である、筋萎縮性側索硬化症(またの名をルー・ゲーリッグ病)という、不治の病にかかってしまいました。
そしてこの病気によって、ツァイさんは徐々に筆を持てなくなり、これまでのように絵を描くことがたいへん不自由になってきたのです。しかしツァイさんは、目玉の動きをトラッキングするデバイスを使用し、アート制作に応用しているというのだから、その不屈の精神には恐れ入ります。そんな作品の内いくつかが、今回ギャラリーでご紹介するコチラです。以下でどうぞ!
不思議とバンド・デシネの空気を感じるのはワタシだけでしょうか?
ツァイさんは、両手で制作ができなくなってからまず、足を使って描画するようになりました。つま先だけで、iPhoneに描いたという絵がこんな感じなのですが...次第にその足も動かなくなってしまいます。
以前の記事が米Kotakuに掲載されてから、ツァイさんはコンピューターに目玉の動きを読み込ませて絵を描くんだ...という約束をし、この度お姉さんからの連絡によって、その試みが成功しているコトが判りました。
使われているのは、Tobii社の「eye-gazing」テクノロジーというモノで、SketchupやGIMPといったソフトウェアと接続すれば、今回のようなアートが描けるんだそうです。
目ヂカラと制作意欲と執念で描いたこれらの絵は、現在ツァイさんのウェブサイトでTシャツやポスターとなって売られています。ホントけっこうTシャツ向けのイラストなので、着ているとオシャレかと思われますし、代金はカレの治療費に充てられるとのコトですので、在庫ごと全部オトナ買いしてみてはいかがでしょうか?
うーん、それにしてもこのド根性、普通の人生を歩んでいるワタシたちには、まさに手も足も出ないと言ったトコロでしょうか...!? このまま少しでも長く、活動を続けて欲しいと願って止みません。
These Pictures Were Drawn Using A Human Eyeball. Incredible.[Kotaku]
(岡本玄介)
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