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アクション、ホラー、ラブコメ、ドラマ...、多彩なジャンルの映画がありますが、何故だかコミックを原作とする映画は子供騙しな印象を持つ人が多いようですが、最近のコミック原作映画はA級俳優を起用し、その俳優たちの演技のお陰で子供騙しとはほど遠い。A級映画がたくさんあるのです。
今日は、io9がまとめた「コミック原作映画の大ヒットを貢献した名演技12選」を紹介します。
■イアン・マッケラン『X-メン』シリーズ
マッケランがスーパーヒーローものに出たことに驚いた人も多かったはず
オリジナルの『X-メン』トリロジーは、パトリック・スチュアートにハル・ベリー、ファムケ・ヤンセンと豪華なキャストで揃えられていましたが、中でも一際豪華でコミック原作映画の出演が以外に感じられた人物が、サーの称号を持ち、『ゴッド・アンド・モンスター』でアカデミー賞にノミネートされ、『リチャード三世』でヨーロッパ映画賞を授賞したマッケランです。
彼はマグニートを単に大声でがなり立てるようなヴィランではなく、怒りや悲しみを内に秘めた深みの或る悪役にしました。
■トビー・マグワイア『スパイダーマン』
CGゴテゴテ映画のパイオニア、マグワイア
『スパイダーマン3』は別として、トビー・マグワイアはサム・ライミの『スパイダーマン』と『スパイダーマン2』で素晴らしい演技を見せました。
スパイダーパワーに目覚めて驚いたり、力を使って街を飛び回ったりするシーンでは若さと無邪気さを感じさせる演技をし、他のシーンでは喪失感と悲壮感を表現しています。
ギャグ要素が多いと言われている『スパイダーマン』シリーズですが、トビー・マグワイヤの名演技のお陰で、チャラチャラしただけでない、アクションあり心理描写あり、ギャグありの全体的にバランスのとれた作品になっているのです。
スパイダーマンを演じた俳優の中で、マグワイア程1人の人間の成長を観客に伝えることに成功した人物は居ないのではないでしょうか。他にも、彼はCGに囲まれつつ、その世界に馴染んでしっかりとした演技を見せた俳優ということでも評価されています。
■クリス・プラット『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
強烈な仲間に囲まれても光る演技力
先日公開したばかりの作品にも名演技を見せた俳優がいます。それがガーディアンズのリーダーを演じたクリス・プラット。
彼は自分よりも遥かに大きなキャラクターやエイリアンに囲まれて演じなくてはいけなかった上に、人間ゆえのうぬぼれや生意気さと弱さといったもので映画を引き締めるという難しい役割も担っていました。
ロケット・ラクーンとグルートとガモラという強烈なキャラクターと並んだ時に、人間役のプラットが見劣りするのではないかとも思われましたが、実際は、クリス・プラットを前にすると他のキャラクターがかすんでしまうほどだったのです。
■ミッキー・ローク『シン・シティ』
キャリア再出発のきっかけに
この演技をきっかけに、ミッキー・ロークのキャリアが見直されることになりました。
彼のマーブのパフォーマンスは、フランク・ミラーのノワールに影響を受けたコミックブックに完璧にマッチしており、倦怠や困難な問題を抱えている雰囲気を入れたことで、より本物っぽくすることに成功。マーブをオリジナルのものより遥かに良いキャラクターにしたのでした。
■ポール・ジアマッティ『アメリカン・スプレンダー』
読者にとってはピーカーはスーパーヒーロー
このリストの中で異色を放つ『アメリカン・スプレンダー』。本作は、実在するアメリカンコミック『アメリカン・スプレンダー』の原作者であるハーヴィ・ピーカーをモデルにした映画です。
超平凡で退屈な人生を送っているピーカーが自分の日常を漫画にしようと思い立ち、友人の有名漫画家にコミックにしてもらったところ、思いがけず大ヒットしたというピーカーの半生を描いた映画なので「コミックを原作とする映画」の趣旨とは少しずれてしまいますが...。
主役のハーヴィ・ピーカーを演じたポール・ジアマッティ(普段は脇役ばかり)は、ペーカーが他に類を見ない個性を持った人物で、どうしてコミックに関する映画が作られるに値するのかを説得力の或る演技でみせており、大ヒットに大きく貢献したという理由で含まれています。
■クロエ・グレース・モレッツ『キック・アス』
モレッツは本作で大ヒット
一風変わったスーパーヒーローものの中で際立った存在だったのが、汚い言葉を躊躇無く使いながら大の大人をバッサバッサと殺すヒットガールを演じたクロエ・グレース・モレッツ。
モレッツは、面白いけれど父親の死にたいする深い悲しみを抱えたヒットガールを好演。役柄としては非常に暴力的で不快にも関わらず、力強いパフォーマンスで純粋な不条理主義への風刺にしたのです。
■ジャッキー・アール・ヘイリー『ウォッチメン』
マスクを剥ぎ取られた時の演技が強烈
このリストに登場する多くのキャラクターが個々に深いダメージを受けていますが、ジャッキー・アール・ヘイリー演じる顔を隠したヒーロー『ロールシャッハ』より酷いものはいないでしょう。
ささやくようなボイスオーバーやマスクを脱いだ時の荒れ狂った様子など、ロールシャッハを演じるのは難しいように感じますが、アール・ヘイリーは見事にその役を自分のモノにして、観客に強烈な印象を残しました。
■スカーレット・ヨハンソン『ゴーストワールド』マーベル作品
意外なほどコミックキャラが似合う
『アメリカン・スプレンダー』同様、『ゴーストワールド』もカルト的人気の作品を大ヒット映画にすることが出来ることを証明した作品です。この作品にレベッカ役で出演したヨハンソンは、ソーラ・バーチ演じるイーニドよりも平凡な道を選ぶ少女に多大なる個性とエネルギーを与えました。
近年、ヨハンソンはマーベル作品でブラック・ウィドウを好演しています。
■ロバート・ダウニー・Jr. マーベル作品
セクシーで金持ちで才能あふれるプレイボーイ役が似合うダウニー・Jr
トニー・スターク(アイアンマン)をロバート・ダウニー・Jr.が演じていなかったら、『アイアンマン』シリーズはここまでヒットしたでしょうか? 彼はアイアンマンが実はもろく、その強さが不安定であることに真実味を持たせる演技をしています。
最初の作品で、トニーが自分の技術が悪い奴らに利用されていて、父親すら自分を裏切っている事を知るシーンで、ダウニー・Jrはトニーが悲痛なまでに苦悶しつつも、向こう見ずな発明家で自由な発想と魂を持つ人物だと視聴者に伝えました。
また、トニーが『アベンジャーズ』と『アイアンマン3』でペッパー・ポッツに残したボイスメールは、スーパーヒーロー物の歴史の中でもっとも感傷的な内容と言えるでしょう。
■ティルダ・スウィントン『スノーピアサー』
メイソンを「悪魔のような怪物」と説明したスウィントン
単なる風変わりなポストアポカリプス・ディストピア映画になる可能性が高かった本作を、その演技力と圧倒的な存在感でA級作品にしたティルダ・スウィントン。
彼女が演じたメイソンは、氷漬けになった世界で生き延びた人たちにとっての総理。人々が住居として使用している列車の先頭車両の乗客であり、「悪魔のような怪物」です。
彼女は、メイソンを演じる為に髪を染めて顔半分を覆うような大きなメガネを付けて、元々の中性的な美しさを徹底的に封じ込めて役作りをしました。
また『スノーピアサー』だけでなく、ウィンストンはキアヌ・リーブス主演の『コンスタンティン』のガブリエル役も熱演し、こちらの高い評価を得ています。
■ヒース・レジャー『ダーク・ナイト』
レジャーのジョーカーは色褪せない
レジャーの歯を小刻みに動かしてイヤらしい音を立てる仕草やうなり、暴力的なパフォーマンスは、クリストファー・ノーラン監督の『ダーク・ナイト』をA級の映画にしたと言っても過言ではありません。
トリロジーの内容を忘れた頃でも、『ダーク・ナイト』の冒頭、銀行襲撃のジョーカーの様子、病院訪問、馬鹿げた独白といったシーンは鮮明に思い出されるのではないでしょうか。
■ジャック・ニコルソン『バットマン』
コミカルな演技の中に狂気を入れることが出来たのはニコルソンだから
最後は、ヒース・レジャーより以前にジョーカーを演じたジャック・ニコルソン。元祖ジョーカーのシーザー・ ロメロと言い、どうやらジョーカー役は俳優に恵まれているようです。
ニコルソンのジョーカーはよりコミカルで、レジャーのものよりもホモっぽいのが特徴。その上でサイコっぽい部分もしっかり観客に伝えられていました。
バットマン役のマイケル・キートンと共に、いや、むしろキートンを食う位の勢いで映画を盛り上げました。1989年の『バットマン』が名作スーパーヒーロー映画として語られるのは、ジャック・ニコルソンのお陰とも言えるでしょう。
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[via io9]
(中川真知子)
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