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史上最高のSF/ホラー・コメディ映画13選

2014/08/07 23:00 投稿

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史上最高のSF/ホラー・コメディ映画13選
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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が全米で公開され、サイエンス・フィクションコメディというジャンルに新たな良作が加わったことを祝して、io9が史上最高のSF/ホラー・コメディ映画をまとめたので、皆さんにもご紹介したいと思います。


■『ミステリー・メン』

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スーパーヒーローの特技がどれも酷過ぎる


高予算のコメディは何故か興行成績的にヒットしない傾向があるようですが、『ミステリー・メン』は例外と言えるでしょう。

爆発的ヒットとはいきませんでしたが、スーパーヒーローを脱構築するという点においては、『ウォッチメン』よりも良い仕事をしたのではないか、という意見も。

本作は、ベン・ステイラーを筆頭に、ほぼ全キャストがはまり役です。ウィリアム・H・マーシーに至っては、彼以上に「シャベルマン」を演じることが出来る人物はいないのではないかと思われる程。

ハンク・アザリア演じるマザコン結婚式場引き出物係の「ブルー王子」に、グレッグ・ギニアのナルシストな「キャプテン・アメージング」、ジェフリー・ラッシュのマッドサイエンティストでスーパーヴィランな「カサノバ・フランケンシュタイン」。

問題があるとすれば、とんでもなく臭いオナラで敵を倒すという設定のポール・ルーベンス演じる「スプリーン」ぐらいでしょう。他と比較して設定があまりにも酷過ぎます。

『ミステリー・メン』は、街がコスチュームを着た一般人スーパーヒーローやヴィランで溢れかえっていたらどうなるか、という単純なストーリーです。登場するスーパーヒーローは、上でも挙げた通り、どれもこれも本当にどうしようもない設定。

一般人スーパーヒーローたちが憧れる真のスーパーヒーロー「キャプテン・アメージング」ですら、煩悩に支配された俗物という有様です。マイケル・ベイ監督がカメオ出演するという豪華さに加え、爆笑までは行かずともクスクスという笑いが定期的に訪れること間違い無しでしょう。


【併せて観たい作品】

トーマス・ヘイデン・チャーチとパジェット・ブリュースターの『MIS II メン・イン・スパイダー』は如何でしょうか。『ミステリー・メン』と同じ頃に公開された低予算オバカ映画で、『ミステリー・メン』からアクションを抜き、キャラクターをより変人にしたような作品です。

また、2005年の『スカイハイ』もスーパーヒーローを目指す子供達を描いた優れたコメディです。カート・ラッセルとリンダ・カーター、ブルース・キャンベルといったベテラン俳優が脇を固めているお陰で、子供映画として終わりそうなストーリーですがしまってみえます。

この他、コメディではありませんが、一般人ヒーローと言えばピクサーの『Mr.インクレディブル』も要チェックです。


■『彼女はパートタイムトラベラー』

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はたして本当にタイムトラベル出来るのか...。


ジャーナリストたちが地元紙に掲載されていた「タイムトラベラー募集」の記事を見つけ、その謎めいた募集要項と不思議な広告主の秘密に迫る低予算映画。本作は大きな話題を呼び、高い評価を得た監督のコリン・トレヴォロウは、後に『ジュラシック・ワールド』の監督の座を射止めました。

マーク・デュプラスが演じるおかしな男と、そんな彼に近づく女。ふたりは多くのものを失い、傷つきます。しかし、だからといって映画全体が暗いのではなく全編に渡ってほのかなコメディの雰囲気が漂っており、それがキャラクターと観ている人達の心を結びつけています。


【併せて観たい作品】

同時期に公開されたタイムトラベルものの『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』もチェックしておきたい作品です。

青年ひとりと、負け犬の中年オヤジ3人組がジャグジー式タイムマシンで過去に時間旅行! タイトルから自棄っぱちな雰囲気が漂う上に、内容は純粋なる下品なコメディです。しかし登場人物のキャラクターが丁寧に描かれている上に、出演者もジョン・キューザックにクレイグ・ロビンソン、チェビー・チェイスといった有名所。

本作はB級という言葉で片付けてしまうには惜しい映画です。

ちなみに、『オフロで~』で存在感を発揮したのは、タイムトラベルのタブーである「歴史を変えてはいけない」というルールを受け入れずに未来に影響を与えてしまったロブ・コードリー。また、オフロ修理人というさりげないキーパーソンを演じたのチェビー・チェイスでしょう。


■ 『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』/『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』

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中年オヤジとアポカリプス


イギリスとアメリカを舞台に、ほぼ同時期に公開されたアポカリプスコメディ映画2本。どちらも登場人物がどうしようもない中年おっさん達というのと、馬鹿げた面白さがあるのは共通していますが、ストーリーの流れは全く異なります。

『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』は、大人になりきれず社会に適応出来なかったサイモン・ペグ演じるゲイリー・キング(若い頃はスクールカースト上位系のイケメン)が、学生時代にやった伝説の梯子酒を再び実行しようと4人の幼なじみを集めるも、彼らが育った小さな街は時の経過と共に恐ろしい変化を遂げていた、というもの。

どこにでもある小さな街、変哲の無い建物、退屈な人々...、しかしそれらは全て不吉なサインだったのです。アポカリプスと酔っぱらいのマッシュアップは最悪のエンディングしか導きません。

『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』では、ハリウッド俳優たちが本人役を演じています。ある日のハリウッド、セス・ローガンと友人のジェイ・バルチェルベは、ジェームズ・フランコ主催のセレブパーティーに参加。エマ・ワトソンやリアーナも訪れているパーティーは、酒にクスリに大盛り上がり。しかし、そんな素敵なパーティーをぶち壊したのが、突如として怒った世紀末!

動きの速い化け物から悪魔憑き、天空に届きそうなくらい馬鹿でかい宗教チックなナニかが登場し、最後は歌って踊って冒頭のセレブパーティーを遥かに凌ぐハッピーエンド。

ちなみに、訳者はどっちが好きかというと断然『ディス・イズ・ジ・エンド』。本作はもっと評価されるべき作品だと思っています。


【併せて観たい作品】

アポカリプスをテーマにした作品なら、滅亡を間近に控えた地球で長年連れ添った妻に出て行かれてしまって無気力になった男と、自由奔放な隣人女性のロマンスを描いた『エンド・オブ・ザ・ワールド』をオススメします。

また、コメディではありませんが、見方によってはコメディにしか見えない『アタック・ザ・ブロック』もチェックしておくと良いでしょう。


■『スペースボール』

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主役であるビル・プルマンを食ったリック・モラニス


メル・ブルックスの『スター・ウォーズ』パロディの見所は、ビル・プルマンのハン・ソロキャラクターでもなく、ダフネ・ズニーガのレイア姫でもなく、ダーク・ヘルメットやピザ・ザ・ハット、ヨーグルト等の脇役でしょう。

また、コメディアンのジョン・キャンディ(バーフ、チューバッカ役)とリック・モラニス(ダーク・ヘルメット、ダース・ベイダー役)も映画の成功の鍵を握りました。キャンディのバーフは愛すべき半人半犬のキャラクターであり、ビル・プルマン演じるローン・スターの親友。彼の存在は、笑い溢れるこの作品に感情的な要素を加味しました。

その他、モラニスのダーク・ヘルメットやブルックスのスクルーブ大統領、ジョージ・ワイナーのサンダース大佐といった(一応)悪役陣も大変魅力的。特に、モラニスに至っては、ダース・ベイダーを演じるには到底相応しく無い身長と個性にも関わらず、登場するシーン全てで観客の笑いを得ることに成功しました。

愛すべき点はキャストだけではありません。ブルックスの得意とする「第4の壁をぶち破る」行為も登場。しかも、ビデオテープの中に現在進行形のシーンが映るという捻りが効いています。

『スペースボール』は、完璧からほど遠い映画ですが、後に制作されるスペースオペラ・パロディのしきたりや約束事を多数構築し、サイエンス・フィクションというジャンルでの素晴らしい試みを見せたのです。


【併せて観たい作品】

よりアホな『スター・ウォーズ』パロディを観たい人には、『Hardware Wars』がオススメ。

ピッカピカの宇宙が出て来る良質イタリア版『SW』パロディをお望みなら、クリストファー・プラマーやデヴィッド・ハッセルホフといった有名俳優が出演する『スタークラッシュ』が良いでしょう。


■『キャビン』

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恐ろしいのはモンスターではなく人間


ドリュー・ゴダードとジョス・ウィードンがタッグを組んで練り上げたクラシックホラーの風刺作品。

森の中のキャビンを訪れたティーンエイジャーグループが、キャビンならではのホラー展開に巻き込まれるも、そのモンスターは人間によって管理されていた?! という超展開に。キャビン系ホラーに見慣れてしまった人でも大いに楽しめてのめり込める皮肉が満載です。登場人物はことごとくステレオタイプで、ホラーファンが望む形で良い仕事をしてくれます。

他にも、ホラー映画が如何にして観客の求める「血みどろ」や「ありがちなキャラクターのクリシェ」を見せるのかというコメントの中で、ストーリーテリングと人種に関する深い考察を見せています。


【併せて観たい作品】

ジョス・ウィードンがインターネット上で発表した短編ホラー・ミュージカル・コメディ『Dr. Horrible's Sing-Along Blog』も、『キャビン』同様に人間の黒い部分を多く描き出しています。

また、コメディではありませんが、ウィードンの『ファイヤーフライ』『セレニティー』もオススメです。


■ 『キャプテン・スーパーマーケット』/『ショーン・オブ・ザ・デッド』

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天才コメディアンサイモン・ペグとエドガー・ウェイト


前作のシリアスな『死霊のはらわたll』とは異なり、コメディ要素が全面的に押し出された『キャプテン・スーパーマーケット』は、絶え間ない皮肉とゾンビのドタバタ喜劇の連続。ブルース・キャンベルは、『死霊のはらわた』シリーズ全てで主役のアッシュを演じていますが、本作ではこれ以上無いほど生き生きとした演技を見せました。

また、コメディに多大なる時間と労力を費やしているエドガー・ウェイトとサイモン・ペグのコンビの『ショーン・オブ・ザ・デッド』は、ありふれたゾンビネタをふんだんに折り込み、ほのかな視覚的ギャグでリピーターを続出させました。ニック・フロストの台詞は全てがバカらしいながらも微かな賢さが光ります。中でもパブでのアドリブの台詞は映画史に残る素晴らしさ


【併せて観たい作品】

ブルース・キャンベルの活躍を観たいなら、間違いなく『死霊のはらわたll』

もう少し彼のことを知りたい人には、『プレスリーVSミイラ男』がオススメです。エルビス・プレスリーが実は生きていて、老人ホームでひっそりと(でも官能的に)暮らしていて、黒人のJFKと共にミイラ男と闘うぶっ飛んだストーリーです。

また、『ショーン・オブ・ザ・デッド』のファンなら、ライトとペッグのテレビシリーズ『スペースド』もチェックしましょう。これはサイエンス・フィクションではありませんが、オタク臭漂うシチュエーションコメディです。


■『恋はデジャ・ブ』

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あらゆる角度から見た1日


ビル・マーレイがじたばたする様子や最後のほのぼのハッピーエンドに目を奪われて、本作がSFだということを忘れてしまいがちですが、『恋はデジャ・ブ』はタイムループをテーマにしたれっきとしたサイエンス・フィクションコメディです。

ビル・マーレイ演じる気象予報士が、ペンシルバニア州のパンクスタウニーで超常現象により時間の中に閉じ込められてしまい、退屈な1日を延々と繰り返すことに。 (監督であるハロルド・ライミスは、かつて1000年と語ったことがありましたが、現在は公式に10年とされているようです。)

2月2日を繰り返し過ごさなくてはならなくなったマーレイが徐々に行動や考えを修正し、意中のアンディ・マクドウェルの理想の男性に近づく様子が本作の1番のハイライトであり、素晴らしいところ。何度もやってくる2月2日、評判を落としたり、良くしたりと様々なことに挑戦する喜劇的な展開は、単純ですが面白いアイディアです。

また、この映画が問いかける「結果の無い人生を生きる意味」は深く考えさせられるテーマでもあります。

年老いたホームレスの男性を救おうとするも、結局は老衰に逆らえず死んでしまうという悲しいエピソードや、時間に閉じ込められて絶望したマーレイが繰り返し自殺を試みるも失敗し、次の日には生き返ってしまう残酷ながらも滑稽なエピソードが、最後に訪れるハッピーエンドがより豊かにしています。


■『トレマーズ』

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安っぽさが良い


50年代から続く様々なモンスター映画に敬意を表した『トレマーズ』は、90年に公開した映画でありながら、今でも色褪せること無くB級傑作ホラーとして愛され続けています。

ケビン・ベーコンとフレッド・ワードの素晴らしくおバカなふたりは、ネバダ州の砂漠の中にぽつんと存在するパーフェクションという町を襲う巨大ミミズを巧みに避けようと奮闘。地中を高速移動する巨大ミミズに翻弄される12人の挙動や、生存したカップルと彼らの場違いなほどに装備されたレコーディングルームは、大真面目なのに何故か笑えます。

この映画は、古き良きモンスター映画を茶化すのではなく、安っぽいパロディにするでもなく、真っ向から敬意を表しつつ笑いをとっています。実際に人が50フィートのミミズに攻撃されたらどのような反応をするのかをリアルに捉えており、それが良く観察されているから面白いのです。

スペシャルエフェクトがチープなのも『トレマーズ』の良さと言えます。これがリメイクされて「飛び出す3Dグラボイド」にでもなったら目も当てられない駄作になるのでは無いでしょうか。


【併せて観たい作品】

『スリザー』も『トレマーズ』同様、この手のクラシックホラーへ敬意を表しています。

よりカルトな80年代の映画をお望みなら、『バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー』が良いでしょう。


■『ゴーストバスターズ』

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ビル・マーレイとハロルド・ライミスのコンビと言えばコレ


本作の特殊効果は今でこそ安っぽい印象がありますが、これはデジタルエフェクトを一切使わずにマットエフェクトやミラーエフェクトを始めとする様々な技術を融合させて超常現象を再現しているのです。

幽霊や超常現象といった暗くなりがちなテーマを、明るいBGMのながれるコメディにしたアイヴァン・ライトマン監督。21世紀になっても、ゴーストと言えば、「ゴーストバスターズを呼ばなくては」と瞬時に思わせるくらい強い印象を与えました。

ダン・エイクロイドは私生活でも心霊やUFOといった超自然現象に傾倒しており、その知識や志向は本作にも反映されています。他にも、シガニー・ウィーバーやリック・モラニス、アニー・ポッツにアーニー・ハドソンといった脇を固めた俳優達も、その面白さと魅力を余す所無く発揮しています。

ちなみに、主演のビル・マーレイはアドリブが多い訳者として知られていますが、噂では本作の脚本を読むことすら無く演技に挑んだのだとか。さすがに、関係者から否定されていますが、マーレイならやりかねないと思われているからこそ出た噂なのでしょう。


【併せて観たい作品】

『ゴーストバスターズll』もチェックしておきましょう。コメディアンのチーチ・マリンが港の作業員としてカメオ出演しているのも見所のひとつです。

また、80年代はサイエンス・フィクションコメディの黄金時代でもあり、『ゴーストバスターズ』シリーズの他にも『ときめきサイエンス』や、『ショート・サーキット』『ボクの彼女は地球人』といった良作が次々と作られました。


■『スタートレックIV 故郷への長い道』

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シリーズ映画史上最高のヒット


ジェネシス3部作の完結編が、メンバーが20世紀のサンフランシスコにやってきて既に絶滅してしまっているザトウクジラと交信するなんてストーリーになるなんて、誰が想像出来たでしょうか? このコメディ色の強い作品を通して、全キャストが俳優として成長しました。

ウィリアム・シャトナーは、真面目すぎないカーク提督を好演し、演技の幅を見せつけました。本作の監督でもあるレナード・ニモイは、いい具合にぼんやりとした演技で復活したばかりのスポックを表現しました。

現代(といっても80年代)に来たからこそ成り立つギャグとしては、最新医療機器は信用せずに勘を頼りにするという設定のDr.マッコイが、20世紀で行われている人工透析は遅れていると、患者に持参の薬を与えてあっけなく治してしまったり、ウフーラとパベル・チェコフがサンフランシスコのアラメダ海軍基地で艦の原子炉から放射線を収集しようとしてソ連のスパイと勘違いされたり、スコッティがアップルコンピューターをメチャクチャに操作したりします。


【併せて観たい作品】

ウィリアム・シャトナーがセルフパロディし、ジュリアス・シーザーのラップを歌う『Free Enterprise』(日本未公開)をオススメします。


■『スリーパー』

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ウッディ・アレンの監督としての幅広さを見せつけた作品


ウッディ・アレンがサイエンス・フィクションを撮ったのはたったの1度だけにも関わらず、SFも撮れるということを十分過ぎるほど証明してみせました。

ハーバート・ジョージ・ウェルズの『今より三百年後の社会』に多少なりとも影響を受けたプロットに、冷凍学からディストピア、ロボットのドタバタ劇といった宇宙以外のサイエンス・フィクション要素をほぼ全て織り込んだ『スリーパー』は、1973年に冷凍睡眠状態になり、200年後の未来で目覚めた男性を描いた作品です。

ウッディ・アレン演じるロボット執事と「オルガズムを引き起こす装置(オルガスマトロン)」はあまりにも有名ですが、なによりこの映画の最高のギャグは、スポーツ・キャスターのハワード・コーセルが政治犯を罰していたとか、ダイアン・キートンに犯罪者に銃を持たせることは公共事業だと考えられていただとか、ハンガリー人俳優のベラ・ルゴシがニューヨークの市長だったといった、アレンがでっち上げた20世紀の歴史でしょう。


【併せて観たい作品】

『スリーパー』のディストピア要素をより馬鹿っぽくしたような『26世紀青年』も併せてどうぞ。


■『ギャラクシー・クエスト』

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『スタートレック』を知らなくても楽しめる


『ギャラクシー・クエスト』は稀に見る「三連勝式」映画です。素晴らしいサイエンス・フィクションコメディであり、サイエンス・フィクションを最高の笑いにしており、『スター・トレック』のパロディでありながら、『ギャラクシー・クエスト』そのものも、サイエンス・フィクションとしてしっかりと成り立っているのが理由です。

テーマである『スター・トレック』のパロディは全編通して一貫しており、かといってそれに始終するのではなく、落ちぶれた俳優たちへの皮肉や『ギャラクシー・クエスト』のコミックへの賛辞をバランスよく取り入れて奇麗にまとめています。また、ティム・アレンが他のどの映画よりも輝いた演技を見せているのにも注目です。

『ハリー・ポッター』シリーズでセブルス・スネイプ役を演じ、原作のイメージそのものだと大絶賛されたベテランイギリス人俳優のアラン・リックマンは、そのシリアスな演技で映画のレベルをワンランク上げています。

『ゴーストバスターズ』よりもコメディちっくな演技を披露したシガニー・ウィーバー無くして、この映画のサイエンス・フィクションの脱構築はなし得なかったでしょう。

他にも、後に『名探偵モンク』で主役を演じエミー賞やゴールデングローブ賞を受賞したトニー・シャルーブと、『月に囚われた男』でたった1人で演技しきったサム・ロックウェルが脇役として色を添えています。


【併せて観たい作品】

『スタートレック』は勿論ですが、この手のストーリーが好きであればテレビアニメシリーズの『フューチュラマ』の第4シーズン11話の「Where No Fan Has Gone Before」も観ておくと良いかもしれません。


■『バック・トゥー・ザ・フューチャー』

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サイエンス・フィクションコメディの鉄板


この映画に関する難しい説明は一切必要無いでしょう。『バック・トゥー・ザ・フューチャー』ほど完成されたサイエンス・フィクションコメディはありません。タイムトラベルのメカニクスを説明している上に、映画の核にはタイムパラドックスを添え、タイムトラベルした先で、若き母親が未来からやってきた息子に恋をするというタブーにも挑戦しています。

マーティ・マクフライが過去で感じるカルチャーショックと、両親が結ばれるきっかけとなるダンスパーティでの華麗なるギター捌きは純粋な面白さ。また、『BTTF』は他のサイエンス・フィクション映画もリスペクトしており、ダース・ベイダーらしきキャラクターが描かれた表紙がついた小説が小道具として登場したりもします。

マイケル・J・フォックスは、最近のコメディ映画でめっきり見かけることがなくなった「誰からも愛されるアクティブな主役」で、クリストファー・ロイドは今で言うマッドサイエンティスト。

また、トーマス・F・ウィルソンのビフは、これ以上ない完璧な苛めっ子です。リー・トンプソンはキュートで陽気、母親としても理想です。そして、「ハリウッドきっての変人」と言われるクリスピン・グローバーは、その変人部分をおさえて見事に母性本能をくすぐるジョージ・マクフライを好演しました。

本作の素晴らしい所を列挙し始めたらきりがないので、ここらで止めておこうと思います。


【併せて観たい作品】

勿論、『BTTF2』『BTTF3』でしょう。


The 13 Greatest Science Fiction Comedies Of All Time[via io9]

中川真知子

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