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サイボーグ昆虫軍隊や地雷探査ラットの研究が進む一方で、ハサミや尻尾を操作することが可能なサイボーグ・サソリが誕生したとio9が伝えました。
この遠隔操作式サイボーグ・サソリの生みの親は、生きたゴキブリに手術を施し、電気インパルスとiPhoneアプリで動きをコントロール可能にした「ロボ・ローチ(ロボット・コックローチ)」を開発したBackyard Brains。
今度もマッドサイエンティストよろしく、サソリを手術して、電流でハサミや尻尾の動きを遠隔誘導できるようにしたようです。
Popular Mechanicsは以下のように説明しています。
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まずはサソリを選んだ理由からです。
「サソリは謎めいた生き物です。他の動物と比較して、あまり研究されておらず、されていたとしても、その大部分が毒に関するものです。それに、なんといっても、サソリは姿形が良い。大きなハサミと、あの独特の尻尾! サソリは頑丈で、いかつい鎧をまとった戦車のようです。動作も興味深いのですよ。」と話すディラン・ミラー氏。
ミラー氏は、これまでにジャイアントデザートへアリースコーピオン、ダイオウサソリ(アジアンフォレストスコーピオン)、レッドクロウスコーピオンをサイボーグ・サソリにしているそうです。当然ですが、これらのサソリを手術するのは、ゴキブリよりも難しいとのこと。
まず、手術の準備として、サソリを無感覚状態にする為に10~15分ほど氷水につけます。それから粘土を捏ねて段ボールに固定、もしくは顕微鏡にセットします。当然ですが、粘土は粘着度が高過ぎてもいけません。ちなみにミラー氏の愛用は「Silly Putty」だそうです。
手術には、糖尿病患者が血糖レベルを調べるために使うような、薄く尖った「やす」を使用。ミラー氏は、脚の神経の端付近に穴をあけ、そこに白金イリジウムワイヤを挿入し、サソリが覚醒したら、ロボ・ローチの背中に背負わせたバックパックかデスク・マウント・ファンクション・ジェネレーターを使って脚に100ミリ秒辺り2~3ボルトの交流電流を流しました。
この実験は、常に小動物を飼育する容器のような閉鎖的な環境の元で行われてきました。それについて、ミラー氏はこう話しています。「内に怒りを秘めたサソリに研究室の中を走り回られるのはご免ですからね」
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PopMechの記事によると、ミラー氏のチームは元々、サソリがどのようにして地上の振動を感じ取っているのかを研究していたのだそうです。
サソリは視力が弱く、例えば、脚に触れて脅威を認識するように、振動を感知することで周囲を把握しています。研究室では、この反応を得るために、電流とシグナルを出す極小遠隔操作ジェネレーターを使って脚の神経を刺激しているのです。
ちなみに、動画のサソリが緑に発光しているのは、ブラックライトにあたった表皮のβ―カルボリンという物質が光っているため。ミラー氏がサソリの外見が恰好いいと絶賛するのも納得ですよね。
Backyard Brainsのブログに行けば、サイボーグ・スコーピオンとロボ・ローチに関する詳細を読むことが出来ます。特に、ロボ・ローチの手術方法を丁寧に教えるチュートリアル動画(RoboRoach Surgery Instructions)は大変興味深いですよ。
ただ、頭部をヤスリで削ることを始め、鳥肌が立つような手順が何度が出て来るので、ゴキブリと手術に耐性のある方のみオススメします。
The Claws Of This Cyborg Scorpion Can Be Controlled Remotely[via io9]
(中川真知子)
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