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『13日の金曜日』
夏合宿を題材にしたホラー映画と言えば、80年代を代表するスプラッターホラー『13日の金曜日』でしょう。同シリーズは、湖に遊びに来た人たちが不死身のモンスターに次々と血祭りにあげられるという至ってシンプルなストーリーではありますが、オリジナルに至っては少し違います。
また、本作を見ればセックスに夢中になり過ぎるのはとても危険だというのが分かるでしょう。
ちなみに、『13金』シリーズの主役と言えば、ホッケーマスクをかぶった大男ジェイソンですが、彼がマスクを被り始めたのはシリーズ3作目から。2作目では紙袋を被っていました。『ジェイソンX』こそがシリーズ最高という声も耳にしますが、訳者のお気に入りはオリジナルです。
『ジョーズ』
青い空、奇麗な海、引き締まった体に眩しい際どいビキニ...夏を満喫するなら海水浴は欠かす事ができません。しかし、海には人に攻撃を加えるサメがいることを忘れてはいけません。
本作は、海をウリにする平和な観光地に巨大な人食いザメが現れ、夏を楽しみたい人々を次々に襲う1970年代のクラシックホラーですが、このシンプルかつリアルな怖さは、約40年が経とうとしている今でも色褪せる事はありません。
この映画を見ると海に行く気が薄れるかもしれないので、今年の夏は海に行かないという人や、サメの恐怖込みで海を楽しみたいという猛者にオススメです。
『悪魔のいけにえ』
ボックス・カーで田舎をひた走るロードトリップ。非日常を求める若者には最高の夏休みの過ごし方ではないでしょうか。しかし、注意しないといけないのが怪しい雰囲気のヒッチハイカーや人肉を何よりのご馳走とする一家。特に、人の皮で出来たマスクを被りチェーンソーを振り回す大男がいたら要注意!
この映画は、「大人数だから大丈夫」「若くて体力があるから大丈夫」そんな風に自分たちを驕って迂闊な行動をしてはいけないということを教えてくれるでしょう。
なお、『悪魔のいけにえ』は1974年に公開されたものを筆頭に、『悪魔のいけにえ2』、『悪魔のいけにえ3 レザーフェイス逆襲』、『悪魔のいけにえ レジェンド・オブ・レザーフェイス』、『The Texas Chainsaw Massacre 5』、『飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』、リメイク版の『テキサス・チェーンソー』、そして前日譚である『テキサス・チェーンソー ビギニング』があります。
訳者の個人的な感想としては、オリジナルが1番リアルで怖く、唸りをあげるチェーンソーを持って執拗に追いかけるレザーフェイスは、どんなホラー映画のヒーローよりも恐ろしかったです。
『死霊のはらわた』
気のあう仲間と森の中のロッジではっちゃけようと計画している貴方、そのロッジに地下室があったとしても、足を踏み入れない方が良いでしょう。興味本位で地下に行ったとしても、決して得体の知れない本を開いたり、読み上げたりしてはいけません。美女が白目を向いたゾンビに姿を変え、木々が触手のように攻撃してくるかもしれないので...。
『死霊のはらわた』シリーズは、リブート作を含め、どれも夏休みを盛り上げる作品です。至る所が血だらけ肉だらけ、死の世界から蘇るモノあり、森からの脱出を試みる者ありの正統派ホラーです。
サム・ライミ監督は、『三ばか大将』のようなコメディが大好きだそうで、オリジナルの『死霊のはらわた』も血や肉を除けば際どいコメディのようなハチャメチャっぷりです。その点で言えば、ホラーが苦手な人でも楽しく見れる作品かもしれません。
『ジーパーズ・クリーパーズ』
車で帰省しようと計画している方にはコレ。
帰省のため、フロリダの田舎道を運転する姉弟。くだらない会話を展開させる2人でしたが、突然現れた猛スピードで煽るトラックに、楽しい気分を吹き飛ばされてしまいます。一言で「煽り」と言っても、これが半端無い。クラクションの音は胸の奥まで響きそうなくらい大きく、無骨で頑丈そうな車体は、セダンなんて簡単に踏みつぶしてしまいそうな程。
この映画は、しょっぱなからカナリの緊張感で責めてきます。そして、無理矢理追い越していった車の運転手が、教会の配水管に捨てていたものを目撃してしまった姉弟は、それが何だったのかを調べに行ったことをきっかけに、執拗に謎の運転手に追いかけられる事に...。
本作の製作総指揮は、『ゴッドファーザー』シリーズで知られるフランシス・フォード・コッポラ。中盤までの不気味さ、緊張感は中々のもの。大事な所で故障するポンコツ車と、中盤以降の展開はヌルい気持ちで見るのが良いでしょう。
『ホステル』
夏休みを利用して、バックパックひとつでイケナイ葉っぱと女目当てにヨーロッパに旅行しようと計画している人に超オススメなのがコレ。旅行を何倍もスリリングにしてくれること間違い無しです。
ヨーロッパをバックパックひとつで旅して回る3人の若者たち。しかし、アムステルダムのホテルで、「スロバキアのあるホステルに泊まれば、美女を入れ食い状態」と話すヒョロ男の言葉を信じて噂のホステルを目指す事に。しかし、そのホステルは、裏で若いバックパッカーを捕まえて金持ちの歪んだ欲望を満たす闇のビジネスをしていて...。
前半はヨーロッパの美しい町並みと希望溢れる若者達の姿、魅惑の美女との絡みシーン、中盤からはゴア展開です。拷問系に弱い方は苦手かもしれません。
『ラストサマー』
若者が羽目を外すのは決して珍しい事ではありません。
車で遊びに来ていた4人の男女が飲酒運転の末に男性をはねてしまい、その男性を海に捨てて証拠隠滅を計ります。それから1年、大学生になった彼らの元に、事件を知っているという人物から手紙が届き...。
飲酒運転の代償は大きいです。楽しい夏休みを楽しい思い出で一杯にしたい方は、「家に帰るまでが遠足」の気持ちでお出かけしましょう。
『クライモリ』
森に行くなら、ひとつ頭に入れておかなければいけないことがあります。それは、決して道を間違えないこと、そして、一目を避けて佇む家にはどんな家族が住んでいるか分からないということ...。もしかしたら超大型ミキサーで新鮮な人肉ミンチを作る人食い野郎達に獲物にされるかもしれません。
キャンプ前夜にこの映画を見たら、参加をキャンセルしたくなる恐ろしさ。また、キャンプの夜にこの映画を上映したら、あまりの怖さに寝れなくなるかもしれません。ただ、かなりグロいので、グロ耐性が無い人は無理して見ない方が良いかもしれません。
『サランドラ』
トレイラーを借りて街を郊外を目指そうと考えている貴方にオススメしたいのが、1977年公開のウェス・クレイヴン監督作『サランドラ』。トレイラーの事故が原因で砂漠のド真ん中で立往生してしまった一家。しかし、そこは、核実験場に近い場所で、食人ミュータントが住んでいた!
2007年に『ハイテンション』を撮ったアレクサンドル・アジャ監督が『ヒルズ・ハブ・アイズ(原題と同名)』の名でリメイクしているので、知っている人も多いかと思いますが、io9が勧めているのはオリジナル版の方。食人ミュータントと言えど、グロ度は低く、そこまで衝撃的ではありません。ただ、乳幼児が誘拐されたり、犬が犠牲になるので苦手な人も多いかもしれません。
『サマーキャンプ・インフェルノ』
夏合宿に参加する人、もしくは子供を夏合宿に送り出す親御さんは、これを観ておいた方が良いでしょう。ボート事故にあった父親とふたりの子供。それから8年後、生き残った子供は風変わりな叔母に引き取られ、心にトラウマを抱えながらも美しい娘に成長しました。そして、そんな少女が従兄と共に社会性を学ぶ為に参加したサマーキャンプで、恐ろしい連続殺人事件が起こり...。
犯人が誰なのか一切明かされない部分や、イベントで連続殺人が起こる部分なんかは『血のバレンタイン』のサマーキャンプ版といったところですが、ラストは「そんなオチ!?」という衝撃です。『サマーキャンプ・インフェルノ』は、夏云々関係なく見て欲しい素晴らしい作品です。
『ブラッド・ビーチ 謎の巨大生物! ギャルまるかじり』
酷い邦題です。しかし「ギャルまりかじり」の部分で判断せずに、見てみる事をオススメします。海水浴の怖さは、『ジョーズ』でお伝えしましたが、海で怖いのは何も水の中だけとは限りません。
ロスアンゼルスのビーチの砂浜に現れた巨大アリ地獄。次々と人間が地中に引きずり込まれるという報告が警察に届いているにも関わらず、その原因が分からない警察はなす術も無く被害者が増えるのを見ているだけ。賑わうビーチの下に生息するのは一体...?
オチは何とも言えませんが、アイディアは最高です。これを見ると、迂闊に「砂浜に埋めて〜」なんて口に出来なくなるのではないでしょうか。
『バーニング』
夏合宿に来ていた少年達の悪戯で、全身に大やけどを負ってしまったキャンプ・カウンセラーのクロプシー。復讐に燃えたクロプシーは「バンボロ」となり、植木ばさみを武器に、自分を火だるまにした悪ガキ達だけでなく罪の無い人たちまでも血祭りにあげていく...。
後半までダラダラと物語が進むので多少のつまらなさはありますが、「バンボロ(日本で配給する際に、殺人鬼クロプシーのことを勝手にバンボロと命名)」が本気を出した時の殺しっぷりは見事。そこからが本番といった感じです。
『キャビン・フィーバー』
ここまでで、人里離れた森の中のキャビンに行く人は、人食い一家やマスクをつけたモンスターに注意しなくてはいけないと伝えてきました。しかし、罠はそれだけではありません。キャビンに行くなら、肌をデロンデロンに溶かす恐ろしいウィルスの危険性も考えなくてはいけないのです。
学業から開放され、キャビンで羽を伸ばそうとする学生グループ。素敵なキャビンに大喜びの彼らですが、「リス狩りをする」と猟銃片手に森の中に行ったお調子者でクセのある男(彼女無し)が、森の中で皮膚病らしき症状を抱えた男と出会った事で、楽しかったはずのバケーションが一転してしまう。
本作を撮ったのは、『ホステル』のイーライ・ロス監督。彼は2002年に撮った本作で、その実力を認められることになりました。病気を恐れるあまりに、人の心が怪物と化して行く様子が、全編に不気味な雰囲気を漂わせながら、美しく、かつコメディ要素も含ませつつ描かれています。
【特別編 コメント欄より】
•『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』
森の中にボロい別荘を買って修理して凄そうと考えている人は、これを見ずに別荘に行ってはいけません。あなたの別荘の周囲にどんな早とちりの若者グループがいるか分からないのですから...。
本当は良いヤツなのに、猟奇殺人者にしか見えない仲良しオヤジ2人。そんな彼らを見て、トンでもない勘違いをしてしまった若者グループが、不幸と勘違いと早とちりの連続で次から次へと若者があり得ない方法で死んでいきます。
『死霊のはらわた』、『悪魔のいけにえ』、『ファーゴ』と有名どころをオマージュしたシーンが満載。ホラーファンなら、お腹が痛くなる程笑えるはず。訳者の超オススメです。ただ、結構グロいです。
•『キャビン』
森の中にひっそりと建つキャビンにはモンスターやゾンビが出没し易いようですが、そのモンスターを人間が管理していたり、賭け事に使っている場合もあるので要注意です。
「こんなアイディアもあったのか!」と目から鱗が出るようなホラー映画であると同時に、画像でも分かる通り、『ザ・グリード』も真っ青のスプラッターぶりです。
【番外編 訳者のオススメ】
•『ピラニア3D』
古代の獰猛で食欲旺盛なピラニアもいるかもしれません。また、『ピラニア リターンズ』では、生き残ったピラニアがウォーターパークにまで出没するので、プールでも油断しないほうが良いでしょう。
•『ファイナル・デッドサーキット 3D』
海やキャンプではなく、サーキットのような場所に行く計画を立てている人もいるかもしれませんね。そういう方は、呉々も事故にご注意。また、本作に登場するプールのシーンは、あそこまで酷くはないにせよ、実際に起こってもおかしく無いような事故なので要注意です。
•『テキサス・チェーンキラービギニング(原題はHOBOKEN HOLLOW)』
なんとも紛らわしい邦題の付いた本作ですが、これはレザーフェイスの出生シーンが何とも悲しくおぞましい『テキサス・チェーンソービギニング』とは全く異なる、人間の恐ろしさが炸裂する作品です。夏休みを利用して、農場体験やヒッチハイクをしようとしている人にピッタリ!
放浪者やヒッチハイカーを口八丁で騙してど田舎の農場で強制労働させ、言う事を聞かないようであればスタンガンで調教し、逃げ出せば殺してジャーキーにして売ってしまう途方も無い話です。『テキサス・チェーンソー』シリーズのような展開を期待して見ると、ガッカリしてしまうかもしれませんが、実話を元にしているらしく、背筋がゾクゾクするような不気味さがあります。メイキングまで見ると、もっと楽しめるでしょう。
[via io9]
(中川真知子)
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