去年4月、アメリカ地質調査所(以下USGS)の研究員が、アラスカ州北部のプルードーベイに生息する4匹の雌のホッキョクグマに小さなビデオカメラ付きの首輪をはめてリリースしました。

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そして先日、USGSは初めてビデオを回収し、雌のホッキョクグマの食べて、泳いで、相棒とじゃれつくダイナミックな映像をio9が紹介しています。

では、以下から詳細をどうぞ。



USGSは、ビデオを回収した理由を以下のように説明しています。

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「私たちは2013年にも2台のカメラを付けた事がありましたが、その時は何の映像も得られませんでした。というのも、バッテリーが北極の温度に耐えきれなかったのです。」と語るのは、USGSホッキョクグマ研究プログラムの調査リーダーであるトッド・アトウッド博士。「そこで、今年は別のカメラを使いました。新しいカメラが問題無く動いていたのを見て、本当にワクワクしました。」


カメラ付き首輪は、ホッキョクグマが温暖化によって氷が失われつつある中で、どのように適応しているのかを理解する新たな研究の為に付けられました。USGSの研究生物学者と、カリフォルニア大学サンタクルーズ校のアンソニー・パガノ博士率いる研究によって、ホッキョクグマの行動とエネルギーを身近で観察することが可能となったのです。


長年に渡り、USGSと科学者は、ホッキョクグマの行動や生息地を、ラジオや(主にホッキョクグマの場所を特定するために)衛星を使って研究してきました。しかし、この新しいビデオ付き首輪により、場所と実際の行動を結びつけることが出来たのです。


「これらの首輪は8~10日分しか録画できませんが、科学者たちはホッキョクグマの行動パターンを理解し始めることが出来ました。例えば、彼らがどれくらいの頻度で食べるのか、狩りをするのか、体を休めるのか、歩くのか、泳ぐのか、そして、これらの行動が海氷の状態や他の変異に影響されている可能性があるのか。最終的に、この情報は科学者が、ホッキョクグマのエネルギー値や必要な栄養量、そして海氷の状態の潜在的な影響を調査する助けになるでしょう。」とパガノ氏は語りました。



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この動画から科学者が学んだホッキョクグマの行動は、アメリカ合衆国魚類野生生物局の、「絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律」と「海洋哺乳動物の保護」の一環である「ホッキョクグマ保護管理計画」を助けることになるそうです。


USGS via io9

中川真知子

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