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ミシンを接続できたゲームハード『ゲームボーイ』の豆知識パート2

2014/05/29 21:30 投稿

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ソナーや変な拘束具みたいな医療機器も接続できちゃうなんて!

先日ゲームボーイの豆知識をお届けしたばかりですが、まだまだゲームボーイシリーズには知られざる豆知識がワンサカ!


【大きな画像や動画はこちら】

前回に引き続きDid You Know Gamingからのビデオですが、今回はゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスの豆知識や、世にでることなかったスウェーデンのライバル機、そして奇妙な医療系周辺機器の話も交えてお届けします。



■初めて登場したバックライト付きゲームボーイは、ゲームボーイSPではなく、ゲームボーイライト

ゲームボーイライト

電源部にもう一段階チャンネルがあり、奥まで持っていくとライトが光ります


1998年に日本で発売されたゲームボーイライトは、実は他の地域では販売される事がありませんでした。海外のゲーマーにお土産として喜ばれるかも?


■1995年から開発されていた次世代機「プロジェクト・アトランティス」

プロジェクトアトランティス

カラーのうわさは当時雑誌でも語られているほどでした。


任天堂はゲームボーイライトが発表される1998年よりも以前、1995年から32ビットの次作機「プロジェクト・アトランティス」を考えていました。当時の雑誌はSNESのゲームも遊べるとしており、1997年に販売されるとうわさでした。

でも、いくら待てども販売されることはなく、その代わりに、ようやく1998年に出てきたのはゲームボーイカラー。カラーは「プロジェクト・アトランティス」が完成するまでのつなぎとして出された意味合いが多かったようです。


■カラーなだけじゃない! ゲームボーイカラー

選べるゲームボーイカラー

白黒のゲームも色をつけて遊ぶことができました。


もともとのゲームボーイとくらべ、カラーのCPUは2倍早くメモリは4倍多くなってます。5色の色で書かれた「COLOR」のロゴは、もともとの本体カラーバリエーション5色を表したモノ。後の携帯ゲーム機で一般的な仕様となる、ゲーム機同士をケーブル無しでつないで遊ぶ機能が付いたのは、ゲームボーイカラーの赤外線通信機能が初めて

任天堂の携帯ゲーム機として、モーションコントロールゲームがプレイできたのもゲームボーイカラーが初で、傾きセンサーの付いたゲームカートリッジの『コロコロカービィ』がそれでした。


■「ゲームボーイ」シリーズ総販売台数は1億1869万台!

ゲームボーイの販売台数

これだけ売れているゲームは他にあるのでしょうか


ゲームボーイカラーを含めた「ゲームボーイ」シリーズの全世界での総販売数です。


■データ通信機能付きゲームボーイ?

モバイル機器と繋がります

まだまだ時代は追いついていなかったんですね。


1999年8月には、任天堂が2つの新たなコンソールを開発中とのリークがありました。1つは「ゲームボーイのアドバンス版」、もう1つは「ゲームボーイカラーにセルラー通信機能が付いたもの」でした。後者のうわさが本当だったかどうかはわからないものの、『ポケモンクリスタル』と『モバイルゴルフ』ではモバイルアダプタGBを使い、ゲームボーイカラーやアドバンスを携帯電話と接続してデータをやりとりできました。

しかし、この携帯とゲームボーイを接続して遊べる機能も、ゲームも、日本国外で販売されることはなかったそう。


■ゲームボーイアドバンスはもともとネットも出来るはずだった?

叶姉妹

携帯ゲーム機のネット参戦はまだ難しかったのでしょう。


1999年9月には、任天堂が正式にゲームボーイアドバンスを発表。その時に任天堂は、携帯との接続機能は大きな焦点となるとして、ゲームボーイアドバンスでも携帯と接続することにより、ゲームをダウンロードしたりマルチプレイで遊べたり、チャットやメールのやり取りなどもできるとしていました。この発表があった時期には、64DDのオンラインサービス、ランドネットが始まった頃でもありました。

2000年8月には、ゲームボーイアドバンスのデザイン、バッテリーの持ち、価格などが発表されました。ニンテンドー・アメリカの取締役員であるピーター・メインは「ゲームボーイアドバンスはモデムが使える」と発表しましたが、その後、そのような話は出てこなくなります。

しかも、ランドネットのオンラインサービスは2001年2月にサービス終了。その頃にはすでにゲーム開発社の元にはすでにゲームボーイアドバンスの開発キットがありましたが、ゲームボーイアドバンスがインターネットをサポートするというドキュメンテーションは全くありませんでした。


■登場前に消えたライバル

ライバルマシン

恐らく3Dメガネ必須だったのでは?


ゲームボーイアドバンスの日本での発売は2001年3月、世界発売は同年6月でした。デザインしたのは岡田 智さん。横井 軍平さんとともに初代ゲームボーイ開発に関わり、そのハード部分をデザインされた方でもあります。

そのライフサイクルにおいてはライバルが存在しなかったと言ってもいいゲームボーイアドバンスですが、2001年にはスウェーデンのエリクソン社がゲームボーイアドバンスに対抗するため、「Red Jade」という名の3Dゲームも遊べる携帯ゲーム機に取り組んでいました。

「Atari Lynx」を作った人たちによって開発されていたRed Jadeですが、エリクソンの財政難によりキャンセルされます。

(*訳注:動画では「後にエリクソンはソニーに買収されます」と言われていますが、これは多分誤解ではないかと思われます。エリクソン社は前にソニーと共に合弁会社ソニー・エリクソンを設立し、携帯を作っていました。2011年にソニーがエリクソンの持つ「ソニー・エリクソン」の株式を買い取ることで「ソニーモバイルコミュニケーションズ」になっています。つまり買収されたのは「エリクソン」ではなく、「エリクソンの携帯部門とソニーの携帯部門で作ったソニー・エリクソン」が正しいかと。)


■海外ではウケなかった「カードe」

カードe

こちらもまた、早すぎたアイティアでした。


2001年にはゲームボーイアドバンス用に「カードeリーダー」を販売。しかし、カードeリーダーの大きさや、ゲームソフトとの通信を行うにはゲームボーイアドバンスが2台必要ということで、日本でこそ成功したものの、北米ではうまく行かなかったよう。そのせいで、アドオンサポート機能も落とされ、発表されていたカードeカードもキャンセルされています。ヨーロッパでは公式に販売すらされませんでした。

『スーパーマリオブラザーズ3』のゲームボーイアドバンス版では、カードe+を使ってのみアクセスできるコースもありました。コース1から10までは海外でも発売されたものの、日本ではそれよりも20コースも多く販売されました。

ゲームキューブもカードe+との互換性があり、『ポケモンコロシアム』でも使えましたが、海外版の『ポケモンコロシアム』ではこの機能は削られていました。

しかし、ファンたちによって海外版のゲーム内にもコンテンツは存在しているということが判明、それらコンテンツの文章はすでに英語訳されており、ダーク・トゲピー、ダーク・メリープ、ダーク・ハッサムをゲットすることがデータ数値を改変すれば可能なんだとか。

「ゲーム&ウオッチ」のゲームを遊ぶことの出来るカードeカードも出る予定でしたが、結局海外では2002年のE3で『マンホール』が配布されたのみ。『ファイア』、『バーミン』、『ヘルメット』、『フラッグマン』、『スピットボール スパーキー』、『オクトパス』もアナウンスはされていたものの、販売されることはありませんでした。


■ソナーにミシン...変わり種周辺機器

ゲームボーイソナー

常に持ち歩く、ある意味小さなコンピューターとして活躍


日本ではバンダイが本当にソナーとして使え、魚釣りミニゲームも付いた「ポケットソナー」を発売。1万5000円程度で携帯ゲーム機がソナーになっちゃう周辺機器なんて、ステキすぎます。

ゲームボーイ接続型刺しゅう対応コンピュータミシンなんかも販売されています。シンガーミシンの「Izek」では専用カートリッジで刺しゅうパターン自分で作れちゃい、ミシンとゲームボーイをケーブルを接続してそれが刺しゅうデキるシロモノです。日本でもジャガーミシンの「ヌ・エル」と、「ヌオット」に接続できるようになってました。


■ゲームボーイカラーの周辺機器にはタッチパネルも考えられていた

なんとタッチパネルの試作も

アイディアはもうこの段階で生まれていたのですね。


2009年のGDCでは、DSiのデザイナーである桑原 雅人さんが、販売されることのなかったゲームボーイカラーのスクリーンの上に設置するタッチスクリーンパネルについて語っていたりもしていました。

ですが、そちらはバックライトがなしではうまく機能しなかったようで、日の目を見る事はありませんでした。バックライトを備えたゲームボーイアドバンスSPでもタッチパネルが考えられていましたが、桑原さんによれば、任天堂経営陣には受けが悪かったそう。

しかし宮本 茂さんにはそのコンセプトが気に入ってもらえたそうです。桑原さんは、彼のデザインがDSの誕生に影響を与えたと思いたいとしています。


■血糖値測定に麻酔ヘッドセット、医療系周辺機器

医療用ゲームボーイ

子供は遊ぶ事が大好きです。怖い医療機器もゲームボーイなら大丈夫。


他に変わった周辺機器としては、血中の血糖/グルコースを測定する小児糖尿病患者向けの「グルコボーイ」という物があります。血糖値測定によりグルコース・リワードポイントをためて、それを使いゲームを遊ぶことができる仕組みです。

医療系周辺機器には小児用鎮静ヘッドセット「ペディセデート」なんていうのも。ゲームボーイと接続されたペディセデートからは、ゲームを進めていくと徐々に亜酸化窒素/笑気ガスが出てきて、小児患者の緊張がほぐれる、ということです。

今でいうところのDLCを先取りしちゃった「カードe+」が海外では人気がなかったとか、なんだか用途と見た目がうまくかみ合ってない感じで変な拘束具みたいなペディセデートとか、今回も知っても役に立たないけど、知ってて楽しい豆知識満載でしたね! ここしばらくゲームボーイで遊んでいないという方はこの機会に取り出して、いろいろな歴史や秘密の詰まったこの小さなゲーム機を愛でてやるのもいいかもしれません。


The Vanishing Modem And Other Surprising Game Boy Advance Trivia[via Kotaku]

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