「JALOPNIK」による、「あなたがお気に入りの、ホラー映画に登場した車はなんですか?」という記事を読んで、読者の方々から提案があったのをまとめた、「ホラー映画史上最も印象的な車10選」。
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場合によっては、車のおかげで主人公が逃げられる時もありますし、ごく稀にモンスターが凶悪な車で追いかけてくることも、時空を飛び越えることもあったりします。
名車や珍車が目白押しです。今回はどんな車が選ばれたのか、10位から見て行きましょう。どうぞ!
10位:プリムス・バラクーダ『ハイウェイマン』
アクション・ロード・スリラーであるこの映画で、主人公レニー・クレイが轢き逃げされた奥さんの復讐のために駆るのが、1968年型バラクーダです。
レニーに対して、妻を殺した連続轢き逃げ犯人は、キャデラック・エルドラドに乗っており、この2台によるカー・チェイスが見ものです。でもせっかくの名車がグチャグチャに壊されるのは忍びないものです。
写真:IMCDB
9位:アストンマーチン・DB2/4『鳥』
1950年代に生産された、スポーツクーペの元祖と言われる名車です。女優のティッピ・ヘドレンさんのお顔もよく見えますし、何より上空から襲ってくる恐怖の鳥達が主役ですので、車に屋根が有ったらそこでブロックしてしまうので、元も子もありませんもんね。
ヒッチコック作品には、衣装や小道具などが高級品でハイセンスなものばかりが登場するイメージがあるので、このアストンマーチンも主役メラニーがハイソなマダムに見えるのに一役買っていると思われます。
ちなみに映画の撮影が終わった後、この車はロサンジェルス在住の人に買われ、エンジンをコルヴェットのものに入れ替えられた挙句にトランスミッションはオートマチックにされてしまったんですって。DB2/4は、そのままでも最高速度は時速193キロメートルまで出せるというのに...です。
写真:IMCDB
8位:ジャギュア・XJ12『ショーン・オブ・ザ・デッド』
ショーンの義理の父親、フィリップの愛車ジャギュア・XJ1。登場シーンはほんのちょっとだけですが、ショーンの親友エドの運転でパブ「ウィンチェスター」に向かって、数々のゾンビを撥ね飛ばしながら大爆走します。この時、救出した人たちを合わせて7人も乗っているので、撥ねられたゾンビにとってもヘヴィーな一撃となったことでしょう。
当初は、ゾンビ化したフィリップを載せたまま、壁に激突して大炎上させる予定だったらしいのですが、そこはカットされてしまったんですって。それでもフィリップは車内でゾンビになってしまうのですが。
写真:IMCDB
7位:キャデラック霊柩車『ゴーストバスターズ』
「Ecto-1」として知られる、SF映画好きなら誰でも知っているこの車。ベースは1959年型キャデラックで、実際に霊柩車として使われていたものを、ゴーストバスターズ人数分のプロトンパックが積める改造車にしています。
多くの男子の、将来なりたい職業ナンバー1の『ゴーストバスターズ』ですので、モチロン運転したい車ナンバー1でもありますよね。でもこういう長い車って、曲がる時注意しないと横っ腹をベッコリやっちゃうんですよね(経験済み)。
写真:IMCDB
6位:オールズモービル・デルタ88『死霊のはらわた』
なんとこの1973年型デルタ88は、サム・ライミ監督が高校生の時に乗っていた個人所有の一台だったんですって。
最初は物々しい山小屋に向かって走るだけだったこの車は、後に次元の穴に吸い込まれ、空から落っことされ、あたかも『マッド・マックス』か!? ってくらいトゲトゲしい装甲車に改造されてしまいます。MTV『ピンプ・マイ・ライド』もビックリの変わり様です。さすがブっ飛び野郎のアッシュ。
5位:リンカーン・コンチネンタル・マークIII『ザ・カー』
車とホラーを融合させた、初の映画としても知られる1977年の映画『ザ・カー』。
この主役であるリンカーンは、テレビシリーズの『バットマン』で、バットモービルをカスタムされた、ジョージ・バリス氏による1971年型のコンチネンタル・マークIII。
6週間で同じものが計6台が製作され、撮影期間内にすべて破壊されたのだそうです。しかしながら、遊園地での展示用に造られた7台目は壊されずに、コレクターの元に渡っていったのだそうな。
しかしこんなゴツい車に轢かれたら、たまったモンじゃありませんね。一撃必殺って顔しています。
写真:IMCDB
4位:ジープ・グラディエイター『トレマーズ』
第一作目で、ケヴィン・ベーコンさん扮するバルが運転していたのが、コチラのピックアップ・トラック。物語の途中では、怒れるグラボイズにタイヤを食いちぎられてしまうのが印象的なシーンかもしれませんね。
実は『トレマーズ2』でも、ちょっとだけ塗装を変えてまたこの車が出てきます。といいますのも、2作目の時にプロデューサーが同じ車種を市場で見つけられなかったため、他のグラディエイター3台分のパーツを分解&合体させて1台に仕上げたからなののだそうです。
写真:IMCDB
3位:シボレー C.O.E. 『ジーパーズ・クリーパーズ』
車マニアにはヨダレものの、C.O.E.は「キャブ・オーヴァー・エンジン」の略。これは1940年代のヴィンテージ・カーで、無骨なデザインがとにかく特徴的すぎますね。
23年に1度、23日間だけ人間狩りに姿を現すという謎の猟奇殺人モンスター、ジーパーズ・クリーパーズですが、ホントは翼が生えていてスイーっと空を飛べるというのに、どういうワケかこんなゴツい車を運転するんです。
C.O.E. の存在感は大きいものの、運転手が空を飛ぶので何故出てくるのかあまり意味がよく解らない1台です。監督の趣味でしょうか?
写真:IMCDB
2:シボレー・ノヴァ『デス・プルーフ』
女の子たちが乗った車にガッチャンガッチャンぶつかるのが大好きな、スタントマン・マイク。彼の愛車が漆黒の1971年型シボレー・ノヴァです。そして最後は散々追い回した女の子たちに、追い回されて痛い目を見るハメに。
こちらはカート・ラッセルさんの顔も見えるので、中に誰が乗っているのか判らないようなホラー映画とはちょっと違うのですが...映画界を代表するカー・チェイスのひとつとしても、カウントされる作品です。
写真:MSXLabs
1位:プリムス・フューリー『クリスティーン』
スティーヴン・キング原作にしてジョン・カーペンター監督による映画化作品。
いじめられっ子のアーニーが買った、1958年型のポンコツがこのプリムス・フューリーです。アーニーはこの車にクリスティーンと名付け、整備して大事に乗っています。
ですがこのクリスティーン...実はボコボコにされても、モリモリと自己修復する意志を持つ生きた車で、アーニーをいじめる輩に復讐する、恐怖の殺人マシーンだったのです。
実はこの年のフューリーだけ、V8型の350エンジンを搭載していたそうで、停止した状態から時速60マイル(約時速100キロメートル)に加速するまで、たったの7.7秒しかかからなかったという、モンスター・エンジンだったりするのです。そんなのに追い回されたら、ひとたまりもないですね。
写真:Hub Garage
以上、追いかけられて初めて敵だと判る、恐怖の「ホラー映画史上最も印象的な車10選」をお届けいたしましたが、いかがでしたでしょうか?
アメリカは車社会ですからね、大体どの映画の中にも車が登場するのですが、やはり個性的な車が出ると一味違います。中には、そんなにホラー映画ではない作品からの車も混ざっていますが...まぁ追いかけられる被害者が恐ろしい体験をしているってことで。
なかなかホラー映画で活躍する車というのは挙げにくいかと思いますが、皆さん何かお心当たりがありましたら是非とも教えてください。たとえば『悪魔の追跡』のキャンピングカーですとか、『激突!』のプリムス・ヴァリアントと、大型トレイラーのピータービルト281ですとか、まだまだ色々ありそうです。
トップ写真:CoolChaser
Top ten horror movie cars[JALOPNIK]
(岡本玄介)
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