丸山晋一 Nude 写真 アート

今回の美術のお時間は抽象的なヌード写真です!

1968年に長野県に生まれ、1991年に千葉大学をご卒業、そして2003年にニューヨークに移り住んだという丸山晋一さん。この方は広告写真を撮ってきた経験を生かして、高速カメラを駆使し、水などの液体撮影の作品を生み出してこられたフォトグラファーです。

カレの撮った...というより創りだしたこれらの作品は、ハダカの人間をバルブ撮影(長時間露光)で撮影したかのようにお見受けしますが...実はそうではなく、新しい、そして結構メンドクサい工程を経て完成したモノなのだそうな。

被写体がステキに肌色なのでハダカに視えるのですが、どうやっても大事なトコロ...いやいや、顔さえも観えませんね。以下でギャラリーをチェックすると共に、これらの作品が持つコンセプトもみていきましょう。どうぞ!

130104_Nude_Dancers2130104_Nude_Dancers3130104_Nude_Dancers4130104_Nude_Dancers5130104_Nude_Dancers6130104_Nude_Dancers7

うーん、惜しい!? いや、やっぱ全然惜しくない!(笑)

たとえば長時間露光で撮った、チョメチョメ真っ盛りの写真であれば、このように動いたストローク分だけ身体がボヤけて写るので、職場での閲覧もソコソコOKな出来になります。

ですが2012年に製作された、丸山さんの写真作品『Nude』シリーズはと言いますと...確かに人体のモーションを写し撮っているのですが、動きがハゲし過ぎるのか、もはや人間としての原型は留めていないに等しい状態ですよね。当然コチラも職場閲覧OKでしょう。

ハダカのダンサーは身体を屈め、回転させ、ヒネり、大いに暴れているにもかかわらず、コレらがバルブ撮影ではない、静止画だとすると一体どうやって...? 
私は人間の身体と、その動きの両方の美しさと捉えようと挑戦しました。イメージに在る人の姿は、あたかも彫刻のような造形をしていますが、これはダンサーを撮った1万枚それぞれの写真を合成させたものなのです。途切れることのない動きひとつひとつを一枚にまとめた結果、その全体像が、存在する人体と実際に何か違ったものとして現れたのです。これらの観点から、繋がりは生命の存在として人間を認識させることができます。
というコンセプトに思わず、なるほど。人体も美しい造形美ですが、その人体が生み出す動作の軌跡もまた美しい。そして連続した動きが生命力を表現し、それこそが人間であるのだ、というトコロでしょうか。

ヌードと聴くとついついエロさを期待してしまいますが、実は人間の原始的な本質を表現しているのですね。もしかすると、タイトルも内面的な「Nude」を表しているのかもしれません。アートですなぁ。

丸山さんの作品は、コチラのウェブサイトでもご覧いただけます。カレを有名にした、中空に浮いている水の作品や、スーパースロー動画などもご覧いただけますので、ソチラもぜひどうぞ。


Shinichi Maruyama + Petapixel via COLOSSAL via io9

(岡本玄介)