俗に言うエッチな色はピンクとは限らないのです。
文字や音に色を感じたり、形状に味を感じたりするというシナスタジア(共感覚)。詳しい解説はウィキペディアに譲りますが、これは想像力が豊かな人たちが知らず知らずのうちに五感をミックスしてしまっているようで、有名なところではレオナルド・ダ・ヴィンチや宮沢賢治、スティービー・ワンダーといった各方面のアーティストの皆さんがシナスタジアの持ち主だというお話です。
そこで科学者が興味を持ったのは、「もしもシナスタジアの持ち主がセックスをしたら、いったいどんな感覚なのだろうか?」という疑問。
ほほぉ、これはちょっと気になっちゃいますね。でもエロ目線ではなく、あくまで学術的な問いかけですからね。気になる答えは...?
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シナスタジアの持ち主であれば、普通の人達とはちょっと違う体験をしながら、日々の生活を送っていることと思われます(でも本人たちからしたら、それが普通なのでしょうけれども)。
数字や文字に色を感じたり、文字に味を感じたり、音から感触が伝わってきたり、きっと毎日がクリエイティブで楽しいのではないかと思います。
ではパートナーを触った時に伝わってくる触覚や、身体に舌を這わせた時の味覚、愛のささやきを聴く聴覚などなど、感覚をフル活用する愛の営みとなったら、もう「芸術はバクハツだ!」というくらい感覚が洪水のように押し寄せるのでしょうか?
普段は他人の目には見えない特殊な感覚を持った、そう多くはないであろう人々からこういう事を聞いたり読んだりする機会は滅多にありません。ですがリチャード・サイトウィックさんの著書『シナスタジア:ア・ユニオン・オブ・ザ・センセズ』では、シナスタジアを持った人の2%が、セックスの時に色を感じると告白しているそうです。
ハノーバー医大のマーカス・ゼドラー氏がリサーチをしたところによりますと、シナスタジアを持つ17名の女性と2名の男性からの回答に加えて、共感覚を持たない人たち36名の回答で性的な興奮を4段階に分別し、各々の感覚を統計として導き出すことができたようです。それがこちら。
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0:セクシーな妄想で性的興奮をし始める段階「オレンジ色」
1:肉体的な刺激により呼吸が早まり血圧が上がる段階「興奮に伴い2~3色からどんどん色数が増える」
2:興奮と刺激の中で身体が反応する段階「激しく感じるにつれ考えが川のように流れる」そして「霧が壁のように形を変える」
3:絶頂を迎え全身の筋肉が緊張する段階「壁が一気に粉砕される」、「輪のような構造体が現れる」、「青みがかった、すみれ色の色調」
4:絶頂後の興奮が覚める段階「ピンクとイエローの間の様々な色味」
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かい摘んでまとめると上記のようになりますが、セックスによって快楽がMAXに達した時に感じるのは、「青みがかった、すみれ色」という結果になりました。
もっぱら最近では、多くの研究者たちが「ほとんどの人々は、何処かしらある一定の段階まで共感覚を得ている」という議論で熱く討論しているそうです。なので、実は一般人の我々にも何かしら色や音、味などを感じる機会があるのかもしれません。
読者の皆さんは、何かそういう感覚を持ったことがある方いらっしゃいますでしょうか? では共感覚をお持ちの方は職場閲覧OKな『どうぶつの森』を見た時の感覚を是非、コメントやツイートで共有してみてください! ちなみに、九九の9の段の「今まで倒したラスボスが復活してきた」感とかそういうんじゃないですからね!
Thinkstock/Getty Images
What color is an orgasm?[io9]
(岡本玄介)
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