コタク・ジャパン・ブロマガ

研究結果:進化は女性間での激しい闘いによって決まる?

2013/11/24 20:30 投稿

  • タグ:
  • 登録タグはありません
  • タグ:
  • 登録タグはありません
研究結果:進化は女性間での激しい闘いによって決まる?


クジャクの羽、カブトムシの兜を突き合わせる闘い...。一般的に雄同士が雌を競い合う闘いは豪快で派手です。従来、この雌を求める雄同士の闘いが、進化に大きな貢献をしてきたと考えられてきました。

が、しかし新たな研究結果によると、雄間だけでなく、雌間の激しい闘いも進化において非常に重要な要素であることがわかったそうです。

今日は、io9が紹介したポーラ・ストックリーとアン・キャンベルの「進化に影響する女性同士の熾烈な闘い」を見ていただきたいと思います。女なら誰しも経験、または目撃したことのあるグループ作りや派閥作りも闘いのひとつのようですよ。
 


【大きな画像や動画はこちら】

 
研究結果:進化は女性間での激しい闘いによって決まる?1.jpg昆虫、鳥類、ほ乳類に関わらず、雄が雌を巡って派手な闘いを繰り広げるのは知られています。そして、同様に、雌も子孫を残す為に熾烈な闘いを繰り広げているのです。その方法は、これまであまり知られていませんでしたが、ポーラ・ストックリー氏とアン・キャンベル氏が「The Philosophical Transactions of the Royal Society B」の中で述べている内容によると、雌のマウスは、年に数回、ホルモンの上昇に伴い、他の雌のマウスを攻撃したり、雌の類人猿は他の雌の子供を殺したりすることもあるのだそうです。


以下は、人間の女性を含む、動物の雌が繰り広げる進化をかけたドラマティックな競争の研究結果です。「産む性」だからこそ見せる残虐性と狡猾さに驚くかもしれません。

---------------------------------------

【低コスト競争】

この研究のテーマのひとつに、通常、雌は競争にエネルギーを費やすことは殆どないにも関わらず、生殖と子育てには膨大なエネルギーを投資しているというものがあります。そして、その生殖と子育てが雌の闘いに大きく関係してくるのです。つまり、お互いを殴り合う代わりに、雌は誰が子供を産み、誰が子供を諦めるのかという低コストな戦い方をするのです。

しかし、全ての雌がそのような戦い方をするというわけではありません。例えば、ブチハイエナの場合、雌は雄よりも大きく、雄のペニスよりも大きなサイズの陰部を持ち、攻撃性も順位も高いのです。しかし、殆どの動物において、雌は生殖の為にエナジーを温存させておくものなのです。そして、それにはいくつかの興味深い方法があります。

まず、私たちが頭に入れておかなければならないのは、雌の争いのモチベーションは、雄同様に性選択から来ているということです。雌は交配パートナーを見つけ、子孫を残したいと考えています。しかし、どのようにして1匹の雌が他の雌を殺すこと無く交配のチャンスを得るのでしょうか? 多くの場合、チームを作るのです。

昆虫からほ乳類まで、動物は協力して子供を育てます。そして地位の高い雌は、低い雌よりも多くの子供をもうける傾向があります。(この地位の高い低いは、姉妹間である場合が多々あります。)これは、子供の数を見せつけることにより、その雌に地位の低さを認識させる手っ取り早い方法である為と考えられます。

このパターンは、人間のグループにも当てはまることもあるようです。例えば、中国の南西部に位置する摩梭(モソ)には、母系社会を営み、女性も男性も実家で生活し、夜になると妻子の住む妻の家に男性が通うという「妻問い」を行うことで有名なモソ人が住んでいます。このモソ人は、姉の方が妹より多くの子供を持ち、農業に勤しむ傾向があります。ストッキー氏とキャンベル氏は、「女性間の生殖競争は、力でねじ伏せるよりも容易に上位関係を認識させることが出来る」と主張しています。


---------------------------------------
---------------------------------------

【暴力を使わない攻撃】


研究結果:進化は女性間での激しい闘いによって決まる?2.jpg

女性の最大の攻撃、それは「仲間はずれ」


女性は、暴力ではなく、社会的に孤立させることで威嚇する傾向があります。社会的な動物の間では、グループから孤立させられることは「死」、または子づくりの機会が限りなく減少することを意味します。これは人間にもあてはまります。女性が得意とする「派閥」作りです。拳と拳をぶつけ合わなくとも、派閥で勝ち組と負け組を明確にするのです。

しかし、ここでひとつ注意しなくてはならないことがあります。それは、人間の場合、文化に多大なる影響を受けているため、野生動物と同じにすることは出来ないということです。

また、ストックリー氏とキャンベル氏が指摘するように、多くの女性が文化的に衝動的暴力性をおさえるように訓練されている為、人間の女性の行動を「ナチュラル」と呼ぶことは不可能なのです。そう考えると、5万年前の人間の女性と、現代の女性の行動を比較して結論を出そうということは非常に困難な作業と言わざる終えません。


---------------------------------------
---------------------------------------

【柔軟な挙動】

話を動物に戻しましょう。動物の雌は、雄よりもより柔軟な形で暴力的になります。前述したとおり、雌のマウスはホルモンの関係で、周期的に暴力的になると言いましたが、動物は子供を守る為にも攻撃的になることが知られています。

それは、オキシトシンと呼ばれるホルモンが関係しているのです。オキシトシンは、妊娠中、出産後に放出されるホルモンで、母と子の絆を強くする、所謂「愛のホルモン」です。しかし、このオキシトシンは、一方で攻撃的にするのです。その為、雌は妊娠を機に子供を慈しみ育むようになり、同時に、子供のために好戦的になるのです。


---------------------------------------

全体的に見て、人間を含む雌の攻撃と競争は、雄のそれよりも難解で狡猾と言えるのではないでしょうか。女性は優位性を主張すると同時に、協力者を得て、遺伝子プールをコントロールしようとします。これは、特に、人口規模が高いところに住んでいる社会性動物の中に見られます。

勿論、協力や協同は「友情」といったピュアな関係性の上で成り立つのでは無く、支配関係や強制といった場合もあるでしょう。そして、この協同や協力を提供する女性の中には、自らの生殖権限を犠牲にしなくてはならないこともあるのです。それは、低コストな問題解決法なのです。


[via io9

中川真知子

関連記事

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

コタク・ジャパンチャンネル

コタク・ジャパンチャンネル

このチャンネルの詳細