マサチューセッツ工科大学の研究者がキューブ型モジュールロボットを作りました。このロボットは回転したりジャンプしたり、自分で何通りものパターンに組み立てたりと、まるで生きているかのように動きます。しかも、個々のキューブは接続されていないんです。
文字だけだと伝わりにくいでしょうか? では、以下からio9が紹介した詳細と動画をご覧ください。
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このキューブ型ロボットの名前は『M−Blocks』。マサチューセッツ工科大学にあるComputer Science and Artificial Intelligence Laboratory(CSAIL)の研究科学者であるジョン・ロマニシン氏が開発したものです。
MIT News Officeによると、2011年、当時シニアだったロマニシン氏がモジュールロボットの新しいデザインをダニエラ・ラス教授に提案した際、彼女は「それは実現出来ないだろう」と言ったそうです。
それから2年、ラス教授はコーネル大学のロボット研究家であるホッド・リプソン氏にロマニシン氏のデザインを元にしたプロトタイプのロボットが動く様子を映した動画を見せるに至りました。
しかし、そのプロトタイプを見たリプソン氏は「実現はしないだろう」と、2年前のラス教授と同じことを言ったそうです。それでも、ロマニシン氏は諦めませんでした。そして遂にラス教授、そしてカイル・ギルピン氏と共に、今年11月に開かれるIEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systemsで、この自己集積キューブ型ロボットを発表することになったそうなのです。
毎分2万回転に達することのできる内蔵された弾み車のメカニズムが、このキューブ型ロボットを運動可能にしているそうです。また、弾み車が静止している時には、角運動量を与えることが出来るとのこと。そして、動画でも説明されている通り、全ての面と角に磁石が付いているため、キューブがお互いにくっつくことができるようです。
このM−Blocksは、異なるタスクまたは活動分野で活躍するポテンシャルを持っています。積み上げることも出来れば、ジャンプすることも出来、床を転がることも逆さにくっつくことも出来るのです。
現在のところ、個々のM−Blocksはオペレーター(コンピューターがワイヤレスラジオを介して命令を送っています)によって表面的にコントロールされていますが、最終的には、それぞれのブロックが独立したアルゴリズムを持つようにしたいと考えているそうです。さらに、将来的には、センサーやカメラ、特定の問題を自らの力で解くAIを搭載したいと計画しているとのこと。
io9のジョージ・ディボースキー記者は、M−Blocksのミニチュアバージョンが『ターミネーター2』のT-1000の原型になるのでは? と書いています。先日はT−800の骨格の原型のようなロボットを紹介しましたが、もしかしたらT−1000を再現するのも不可能ではない日が来るかもしれません。
(中川真知子)
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