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「ヘルシンキ・コミック・フェスティバル」でフィンランドのコミッククリエイターに会ってきた!

2013/09/20 21:30 投稿

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子供向けからハードコア向けまでコミック「ヘルシンキ・コミック・フェスティバル」


子供向けからハードコア向けまで揃ったフィンランドのコミックフェスティバルで、コミッククリエイターたちと会ってきました!

9月6日から8日まで、フィンランドの首都ヘルシンキでコミック・フェスティバルHelsingin Sarjakuva Festivaalit」(ヘルシンギン・サルヤクヴァ・フェスティヴァーリト)が開催されました。

1979年から始まった、北欧最大のコミックフェスティバルであるこのイベント。今年のテーマは「子供向けコミック」と「北米コミック」とのこと。フィンランドのコミックアーティストはもちろんのこと、米、加、仏、伊、ノルウェー、オランダ、オーストリアなど、多彩な国々からのゲストが招待され、トークショーも行われました。日本のマンガも販売されてはいるものの、これまでフィンランドからお伝えしてきた日本のポップカルチャーがメインだった「ですコン」や「アニメコン」などのイベントとは違い、「コミック」を中心に据えたイベントです。

そんなヘルシンキ・コミック・フェスティバルから、ふたりのフィンランド人コミッククリエイターに会ってきました。
 


【大きな画像や動画はこちら】

 

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メインテント内ではコミックを販売。フィンランドで子供から大人にまで絶大な人気を誇る『Aku Ankka』こと『ドナルドダック』を初め、『X-メン』、『バットマン』などの北米のコミック、日本のマンガ、そしてもちろんフィンランドのコミックも多数ありました。日本のマンガは『銃夢』、『紳士同盟』、『ああっ女神さまっ』、『ふしぎ遊戯』、『ぴちぴちピッチ』、『Power!!』、『オレンジ・プラネット』などを確認。


子供向けからハードコア向けまでコミック「ヘルシンキ・コミック・フェスティバル」5


メインテント内ではゲストのトークショーも行われていました。写真に写っているのは、ミハ・リンネさん。ゲーム業界の内幕を描いたコミック『Matkailua Pelialalla』を、フィンランドのクラウドファンディングサイト「mesenaatti.me」で資金調達して見事出版した方です。リンネさんには、今度このコミックについて詳しく話を伺う予定なので、お楽しみに。


子供向けからハードコア向けまでコミック「ヘルシンキ・コミック・フェスティバル」4


メインテントの外、地面に落書きがあったり、若手コミックアーティストたちが絵を描いたりしていました。


子供向けからハードコア向けまでコミック「ヘルシンキ・コミック・フェスティバル」6


メインテントより少し小ぶりな隣のテント内では、自費出版コミックの作者たちが作品を直接販売する姿が。


子供向けからハードコア向けまでコミック「ヘルシンキ・コミック・フェスティバル」7


写真は今回コミック・フェスティバルでお会いすることのできたコミッククリエイターのひとり、フィンランドコミック界で20年以上のキャリアを持つ、ヨウコ・ヌオラ(Jouko Nuora)さんです。

素晴らしい描写力をお持ちのヌオラさんは、『Metal Hurlant / Heavy Metal』などのグラフィックノベル誌に載ってそうなスタイルのハードコアコミックで有名。2012年発表の、若かりし頃の自らの体験をコミックにした『Kultainen nuoruus』(写真机左手)は、フィンランド・コミック・ソサエティーの100周年を記念したコンペティションで1位に選ばれています。

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20年間プロのコミックアーティストをやってるんだ。この『Nani III + IV Queen of the Jungle』(写真机右手、白黒表紙のコミック)はアダルト向けで、10年間ずっと描き続けているエロティックなユーモアとアンダーグラウド・パンク・アートだよ。


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と最新作『Nani III + IV』を紹介してくれたヌオラさん。好きなアーティストはロバート・クラムさんやミロ・マナラさん、アルベール・ユデルゾさんだとか。「日本のマンガについてどう思いますか?」と聞いてみたところ......

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マンガについてはよく知らないんだけど、日本では大人向けやエロティックなコミックがあるっていうのはいいことだね。ヨーロッパや特にアメリカでは、裸の胸とか描くことすらタブー視、軽視されてるんだから! ボクはマンガはみんなのものだと思ってるんだ。子供から大人までね。日本にも是非行ってみたいな。


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NSFWなモノも数多く掲載されているヌオラさんの作品は、彼のウェブサイト「Nuora.com」でご覧になれます。


子供向けからハードコア向けまでコミック「ヘルシンキ・コミック・フェスティバル」8


次に紹介するのは、フィンランド唯一のスーパーヒーローコミックだという、『Thunderbolt』(サンダーボルト)とそのクリエイター/ライターである、テーム・ナルヴァ(Teemu Narva)さんです。

『Thunderbolt』はフィンランドの西側にある都市、ヴァーサにあるエネルギー協会、「Vaasa Energy Institute」の「エネルギー・デー」イベントを宣伝するために生み出されたスーパーヒーローコミックで、2010年から年1回新作が発表されています。今年、4巻目となる新作がウェブで公開予定だそうです。

ナルヴァさんは「80年台のヒーローモノのような、善と悪の対立がはっきりした勧善懲悪コミックにしたかったんだ」と語っていました。コミックフェスティバルでは、これまでに公開されている『Thunderbolt』の3巻が印刷されたバージョンを、無料配布していたようです。

無料配布できるのはコミック内に広告欄をたくさん設けているからで、多くのページにおいて、広告のほうがコミックよりも大きく掲載されています。なんだかそれ自体がジョークのよう、面白かったです。


子供向けからハードコア向けまでコミック「ヘルシンキ・コミック・フェスティバル」14


自己顕示欲の強すぎるスーパーヒーロー、サンダーボルトの活躍を笑いを交えて描いたこの作品。確かに難しいことを考えずに読み進むことのできる、なんだか懐かしい感じのコミックです。ウェブサイトでは、広告なしのバージョンを無料で読めるので、よろしければどうぞ。


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フィンランド首都ヘルシンキの、中央駅から程遠くないところで行われた今回のヘルシンキ・コミック・フェスティバル。場所が良い上に入場料が無料ということもあり、多くの人で賑わっていました。テント内外でもコミック関連の展示があった他、近くのバーでも関連イベントが行われていたようです。

テーマに「子供のコミック」なんて入っている割には、(発行元はフェスティバル運営ではないものの)会場で無料配布されていた新聞状のコミックペーパーに、性的な描写の作品が何点か含まれていたりと、なんだか不思議な現象も起きていましたが、そこはご愛嬌。様々な国やジャンルの作品、作家が一堂に会した素敵なイベントだったのは間違いありません。ここ何年かは9月の上/中旬に行われているヘルシンキ・コミック・フェスティバル、もし来年フィンランドに訪れることがあれば、是非参加してみてください。


Helsingin Sarjakuva Festivaalit

(abcxyz)

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