だびんち のコメント

著者本人でないのでここで書いてもしょうがないかもしれませんが、まずトールキンとル=グウィンでは時代が違いますよね。ル=グウィンは存命の人物ですし。この二人から現代に至るまでに魔法に対する姿勢が変わったという指摘そのものに無理があると思います。

さらに言えば、トールキンは現代のファンタジーの系譜をたどれば一番上辺りにはいると思いますが、それでも最近の人物です。それに、彼は作家である以上に学者・研究者です。例えば『指輪物語』の背景には『シルマリル』において創られた独自の神話体系があります。また彼が作ったエルフ語に関しても言語学的に見てしっかりと文法や綴りの法則性などがあります。言ってしまえばトールキンは、自身が学んだ文献学や言語学といったあらゆる知識を利用して世界を一から設定しています。

「魔法」という狭い範囲でなく、「魔法の存在するファンタジー世界」を非常に丁寧に、その構造や体系から作り上げたのがトールキンと言えます。そういった意味での「批評が魔法のシステムを重視する」というお話ではないのでしょうか。

仮に本文にあるような「魔法がどういう仕組みで動いてるか、というシステム」が重視されているのなら、それはナンセンスだと私も思います。たしかに神話や言語を創るよりかは、ある程度の一貫性を持たせればそれなりに見える魔法の方が一見取っ付きやすく、独創性を出しやすいのかもしれません。そのあたりはわかりませんが。

ちなみにトールキンの世界に描かれる「魔法」は古典的かもしれません。
「理由もわからず抗えない不思議な力」といったところでしょうか。

専門外であまり詳しくありませんが、思ったことを冗長に書いてしまいました。研究者の方がいたら怒られそうです。長文失礼しました。

No.53 121ヶ月前

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