無学 のコメント

魔法の神秘性が失われ、我々の使う物とは違うエネルギー源を背景にした唯の力学に成り下がっているというのは、最近のタイトル・設定等に魔法という単語が出てくるものを見ていて思うことが多い。
魔法はあくまで論理的に作用する力に対立するナニモノかであるべきだと思うんだ。何もそれが完全に無秩序であれとまでは思わないが、あまりにも理路整然とした所謂自称「魔法」は、一つの「科学の一種」「別の世界の下にある科学」としか言えないことは否定するのは難しいのではないか。
そして、例えこの地球以外の世界を扱った作品──むしろ私たちの住む世界を題材にした作品こそが本来の意味での魔法であるべきなのだが──だろうと魔法そのもの本質は変わってはならないはずだ。現実の私達は使えないが作品世界の住人は当然のように使用する力を魔法と言えるかと言えばそれは違うだろう。この点も魔法というものから神秘性を失わせる要因の一つではないかと思う。
魔法が何でもできる力を持っていると破綻すると言うが、私達の世界における力学とは異なった力学に対する用語として「魔法」という言葉がすべてを解決する力を持ってしまっているのではないか。魔法という単語それ自体が設定構成の場における文字通りの魔法になっているように思える。

No.13 121ヶ月前

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