みなさんは映画やドラマ、本などに影響を受けて、真似をしたことはありますか? 訳者は『スターウォーズ』のライトセーバーやフォースの真似事、『幸福の条件』の告白フレーズ、あとは『スタンド・バイ・ミー』の線路歩き、好きな女優の喋り方などなど...数えきれないほど真似してきました。
まぁ、ここら辺の真似なら「単なるイタい人」で済むと思いますが、SFやファンタジー映画を真似してしまうと本当に痛い、もしくは非常に危険で、大事故や大事件になってしまう場合があります。そこで今回は、「io9」がまとめた「多くの人が真似をして怪我を負ったSF/ファンタジー」をご紹介。
それでは、以下から詳細をどうぞ。
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1.『スーパーマン』
『スーパーマン』を見て、片手を高らかに上げて「トウ!」というかけ声と共に、高いところから飛び降りてみた人、多いのではないでしょうか? 「小児科におけるスーパーヒーローに関係する怪我」のケースシリーズでも、「着地を想定せずに飛行する真似をして子供が負傷」する問題があげられています。
どのケースでも、ヒビ程度で済んでいるのが幸い。日本では8月30日に『マン・オブ・スティール』が公開されるので、少し高いところからジャンプする子供たちが増えるかもしれません。くるぐれもマントを羽織る程度にしておきましょう。
2. 『スパイダーマン』
小児科の事例研究によると、窓から飛び出した子供の半数以上が、スパイダーマンの格好をしていたのだとか。スパイダーマンへの憧れを持ち続けて成長すると、より無謀なことをするようになるのかもしれません。例えば、「スパイダーマン」と呼ばれるフランス人のアラン・ロベールさん。
彼は、オーストラリアのシドニー中心部にある57階建ての高層アパートにハーネスやロープといった体を固定するものを身につけないで登頂。不法侵入容疑と他者の安全を脅かしたとして身柄を拘束されました。
3. 『アサシンクリード』シリーズ
『アサシンクリード』が発売されて以来、YouTubeにはアサシンの格好をしたパルクールやフリークライミング動画が沢山投稿されるようになりました。万全を期してやっているとは思いますが、やはり危ないです。
4. 『遠い空の向こうに』
ロケット作りに夢を抱く4人の少年が奮闘する姿を描いた本作。途中、線路のスパイクを盗んで換金し、ロケット作りの資金にするシーケンスがあるのですが、そこからアイディアを得た少年ふたりが、2006年にウィスコンシン州で157もの線路スパイクを盗むという事件を起こしました。
列車を脱線させる恐れもあった危険な行為で、約6000ドル(約58万円)の損害と修繕による列車時刻の遅れを引き起こしました。
5. 『ウォーキング・デッド』(とその他のゾンビ物)
ゾンビ映画やドラマをヒントに、ゾンビの格好をして人を驚かせてやろうと考えた人は多いと思います。人が大勢集まる場所に行っても騒動になることは無いようですが、人気の少ない場所にゾンビの姿で現れ、追いかけ回すのは少々危険です。動画の男性は、住宅街や運動場等ので住民を追いかけていますが、反対に追いかけられたり、危うく撃たれる危険性もあったようです。
6. 『夜空の大空港』
1966年にテレビ放送されたテレビ映画『夜空の大空港』は、何者かが、飛行機に高度が一定以下になると爆発する仕組みの爆弾を仕掛け、身代金の代わりに爆弾の在処を教えるという内容で、キアヌ・リーブス主演の『スピード』の元となっているとも言われる作品です。
このテレビ映画が放映されて以来、この手の内容の電話が地元航空会社に頻繁にかかってくるようになりました。そこで、事態を重く見た連邦航空局が、テレビ局にこの作品を放送しないようにと求めたこともあるそうです。
7. 『マトリックス』
個性的な世界観と特殊効果が話題となった『マトリックス』。アクションが格好良いこともあり、Youtubeには弾を避けるネオの動きやファイトシーンを真似た動画が多くアップされました。
しかし、人々に良い影響を与えた反面、残念ながら暴力も引き起こすきっかけにもなりました。最低でも、3件の殺人事件が『マトリックス』から何らかのインスピレーションを受けていると言われています。中でも、「ワシントンD.C.エリア連続狙撃事件」は、犯人が「自分たちはマトリックスの世界に住んでいるので、自分たちが起こした行動は本当の人間ではなく、コンピュータープログラムにのみ影響を及ぼしている」と信じていました。
8. 『バットマン』
『バットマン』のカリスマヴィラン「ジョーカー」は、悪ぶりたい人たちに多大なる影響を与えたであろうことが容易に想像できます。近年だと、コロラド州オーロラの映画館で起きた死者12人、負傷者58人を出した「オーロラ銃乱射事件」のジェームズ・イーガン・ホームズ容疑者が、逮捕された際に、自らをジョーカーだと名乗ったと言われています。
また、ミシガン州では、ジョーカーの格好をした男が映画館から映画の記念品を盗んだり、イスラエルでは、10代の少年がジョーカーの格好をして高校を燃やしたという事件もありました。
9. 『ファイトクラブ』
2009年のこと、警察はスターバックスの外に爆弾を仕掛けたという17歳の少年を逮捕しました。その爆弾は威力が強いものではなく、被害は大きくありませんでした。後に、この事件は、『ファイトクラブ』に影響を受けて実行されたものだというのが判明。少年は、映画に登場するようなファイトクラブと「プロジェクト・メイヘム」を立ち上げ、このような事件をおこしたのでした。
ちなみにこの容疑者、爆破前に友人にニュースを見るようにと言ってしまっていた為に、簡単に警官に特定されたおマヌケさん。「io9」のニュウィッツ記者が言うように、映画と同じく「ファイトクラブのことは誰にも話してはいけない」を徹底していれば、捕まるのを遅らせることができたかもしれないですよね。
10. 『時計仕掛けのオレンジ』
暴力的な映画と言えば必ずと言っていいほど名前があがる『時計仕掛けのオレンジ』。訳者も、初めてあのレイプシーンを見たときのショックは忘れられません。しかし、あのようなシーンを見て、「なんて酷いことを...」と思うのではなく、「自分もやってみよう」と思うどうしようもない人間もいるのです。
スタンリー・キューブリックの「Stanley Kubrick: A Biography」には、ドルーグの象徴的な白いジャンプスーツと山高帽師をかぶり、暴力と殺人を模倣した人々のことが幾つか記載されています。中には「キャンプにきていた17歳のドイツ人少女が、ドルーグを模した男に『雨に唄えば』を歌いながらレイプされた」というものもありました。
11. 『カールじいさんの空飛ぶ家』
ディズニーの『カールじいさんの空飛ぶ家』には、大量の風船が付いた空飛ぶ家が出てきます。その空飛ぶ家をナショナル・ジオグラフィックTVが再現し、ロスアンゼルスのプライベート飛行場で飛ばしました。
プロの仕事なので安全そうに見えますが、空飛ぶ家を操縦しているパイロットは外を見ることが出来ないので、横にもう1台の気球を飛ばして無線受信で操縦指示したそうです。細心の注意のもとで行われたとは思いますが、一歩間違えれば大惨事だったかもしれません。
12. 『xkcd』(エックスケーシーディー)
ランダル・マンローのウェブマガジンに掲載されている棒人間の漫画を真似て、いくつものグループが、糊付したチェスを持ち込んでジェットコースターに乗りました。
上記で紹介したものと比較すると、大したこと無いように思えますが、ジェットコースターに乗るときには、落とす可能性のあるものは全てロッカーに預けるなどのルールがあります。落としたりなんかしたら、『ファイナルデッドコースター』並の大惨事を引き起こす可能性もあるのだから、やっぱり真似するべきではないでしょう。
[via io9]
(中川真知子)
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