人間が吹っ飛んでしまう『スカイリム』のドラゴンシャウトを現実でやろうとしたら、どうなってしまうのでしょうか? ゲームの世界を検証することでお馴染みのVsauce3が、またまた科学的に解き明かしてくれました。
それでは、「ドラゴンシャウトは魔法であって叫びじゃない」なんて野暮なことは言わずに、以下から検証の動画をどうぞ。
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まず、0デシベルでは3m先で羽ばたいている蚊の音程度。65デシベルではVsauce3さんが話している程度、100デシベルはカーステレオのマックスの音量、また、145デシベルでは視界が揺れ、165デシベルで鼓膜が破れてしまうそうです。そして195デシベルともなると、人間は音として認識出来ず、鋭波や爆風と感じ、これを受けると、人間の体の外側は負傷しなくとも内臓が破壊されるのだとか。
第二次世界大戦で爆撃機から落とされた爆弾の影響で、外的負傷は無いにも関わらず、内臓が負傷して死に至った人たちが沢山いました。空中の爆発で発生した爆風でさえこの影響ということを考えると、数メートルしか離れていない場所でシャウトされたら、どうなってしまうのでしょうか?
Vsauce3さんによると、シャウトによって発生した熱圧と爆風で体は吹っ飛ばされ、体内を荒々しく貫くその鋭風によって肌はカラカラに枯れ、肺は押しつぶされ、体は引き裂かれるようにバラバラになってしまうようです。
そして、ドラゴンシャウトの「Fus Ro Dah」の「Dah」が耳に届く前に鼓膜が破れるので、最後まで聞けることはないとのこと。当然と言えば当然ですが、ドラゴンシャウトを発した本人も死んでしまいます。
次にVsauce3さんは「このドラゴンシャウトをより威力のある、1100デシベルにしてみたらどうなるかを考えていきます。まず、1100デシベルは、10^98(10の98乗)ワットと同じであると考えます。これは、ソビエトが開発した人類史上最大の水素爆弾と言われるツァーリ・ボンバ(TNT換算で49500キロトン)の不可思議(ゼロが64個)倍を遥かに超える数値です。
またVsauce3さんは、デビッド・ボルダーストーン氏の主張を引用し、『スターウォーズ』に登場するデス・スターは地球を破壊するだけの威力があり、53万780垓のTNTに相当するものの、1100デシベルの威力と比較すると圧倒的に弱いと伝えています。
そして、もしも誰かがこんなに大きな声で叫んだりしたら、それを受けた人は吹っ飛ばされるどころか、引っ張られてしまうだろうと主張しています。というのも、ここまでの威力があればブラックホールを作り出してしまうからです。
NASAの情報によると、宇宙の最大の質量エネルギーはおおよそ、4x10^69ジュール(エネルギーの単位)だそうで、これは1x10^97の1100デシベルのシャウトよりも小さいことになります。この1100デシベルと同等の値は、1.113(kg)x10^80と計算することができ、ともすると、ドラゴンシャウトの半径は1.747x10^37ly、つまり観測可能な宇宙よりも大きくなり、光や銀河、果ては宇宙までも飲み込んでしまうことになるようなのです。
もうここまでくると何が何だか分からない世界になってしまいますが、とりあえず通常の「Fus Ro Dah」でも人を殺すことができ、より強力なものであればブラックホールを出現させるくらいの破壊力をもつため、非常に危険だということが分かりました。
間違ってもFus Ro Dahを現実で再現しようとはせずに、『スカイリム』の世界だけにおさめていた方が良さそうです。
What if You Were Fus Ro Dah'd?[Vsauce3 via Kotaku]
(中川真知子)
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