老兵は死なず、ただ消え去るのみ......かつて「メガシティ・ワン」の法の番人であった老ジャッジは、死地を求めて無法の荒野へ旅立った。
2012年にカール・アーバン主演で映画化された『ジャッジ・ドレッド』は、95年にスライ主演で映画化された同名作品の完全リブートとして話題になりました。しかし今回ご紹介するのは、原作で描かれるドレッドのサイドストーリーをファンの手で映像化した、ショートフィルム『ジャッジ・ミンティ』。
引退を余儀なくされた初老のジャッジ「ミンティ」が、無法の地で掴んだ答えとは? 静かに、しかし熱く描かれるファンメイドのショートフィルムは、実に「渋い」作品。ドレッドもちょっとだけ登場しますよ!
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作品のベースとなっているのは、1977年の創刊以来、イギリスで今も刊行されているコミック・アンソロジー『2000AD』誌の147号に収録された、ジョン・ワグナー&マイク・マクマホンのコミック『Judge Minty』。低予算ながらもファンならではのこだわりに満ちた映像は、見どころたっぷりです。
前線で負傷し、肉体の衰えを感じたミンティは、ドレッドの勧めたアカデミーでの教職に就くことを辞退し、「ロング・ウォーク」という過酷な選択を行います。ロング・ウォークとは、メガシティ・ワンの外に広がる呪われた地「カースド・アース」に法をもたらすために、引退したジャッジが選ぶ「長い道」。ロング・ウォークを選んだジャッジは、シティに戻ることを許されない、まさに死出の旅ともいえる最後の選択なのです。
ミンティはカースド・アースで「無法の地に法をもたらす」という、ジャッジとしての最後の使命をロング・ウォークにかけることを決意するのですが......というのが大まかなプロットとなっています。
『ジャッジ・ドレッド』の映像作品としては、映画2作品に続く番外編といった感じのこの作品。ミンティを演じるのは俳優のエドモンド・デーンさん。ドレッドを演じているのは、なんとコミック・アーティストのグレッグ・ステイプルズさんです。
紹介映像としてはちょっと長いかも? とも感じる27分の作品ですが、短編映画だと思えば全然問題なし!(たぶん) ジャッジたちの装備はもちろん、バイクのローマスターなんて原作そのままのド直球な再現度。まさにファン精神にあふれた逸品であるといえます。
なにより、「姥捨て山」みたいなロング・ウォークで無法者たちと命懸けの戦いを繰り広げながら、最後には正義を掴もうとするミンティの姿が、内なる男の熱さを感じさせて実にカッコいいのです!
Judge Minty[Youtube]
[Judge Minty - A Fan Film]
(キネコ)
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