本日の美術のお時間は、珍しいネイティヴ・アメリカン・アート×アメコミです。
ステレオタイプでアレですが...大雑把に例えますと、日本であれば浮世絵、ペルシャなら絨毯、中国なら水墨画と言った具合に、人それぞれ生まれ育った環境が、原体験的にその人の好む色彩や造形などに自然と影響を及ぼし、アーティストであれば当然その作品上に表れるのが普通の流れかと思います。
今回ご紹介しますアーティストは、カナダに近いアメリカ太平洋の北西で育った、ジェフリー・ヴェレッジさん。カレは自分のルーツである、伝統的なネイティヴ・アメリカン(モンサン族)が持つアート・スタイルを勉強したデザイナーで、アメコミのスーパーヒーロー・アートを描いています。
このカレが、原住民的なテイストでアメコミ・キャラを描くとどうなるのでしょうか? とりあえずギャラリーでドンなアートなのか観てみて、作家ご本人によるコメントも読んでみましょう。どうぞ!
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おぉー、この発想はありませんでしたね。どれもカッコ良いです!
というコトで、ヴェレッジさんによるコメントを読んでみてください。
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私はスクアミッシュ族とドゥワミッシュ族を祖先に持ちながらも、地元で「リトル・ボストン」と呼ばれるギャンブル港の、スクララム族のメンバーとして育てられ、人生の大半をそこで過ごしました。その土地はワシントン州のキングストンに程近いところにあります。
ワタシはシアトルの美術大学を優等で卒業し、短期ではあるものの、ツィムシアン族で彫刻の師匠であるデイヴィッド・ボックスレイさんから、セイリッシュ・スタイルにおける基礎的な線描デザインを教えてもらう特権を貰いました。
ワタシの作品は、生涯に渡るコミック・ブックス、オモチャ、そしてテレビや映画への愛が反映されており、そうした情熱を、自分が持つネイティヴ・アメリカンの観点からブレンドしてみたモノなのです。
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なるほど、ふたつのカルチャーの融合......イイですねぇ。
実は訳者もカナダのバンクーバーへ旅した時に、民俗学博物館でたくさんのネイティヴ・アメリカン・アートを観て、本まで買ってデザイン科の課題の資料として勉強したコトがあります。
基本的にこのスタイルは真正面と真横から観た構図で、これでもか! といった装飾(と言えども意味がある)を盛り込んで平面的に描くので、ギャラクタスとオプティマス・プライムの絵は、とてもお見事な出来栄えです。しかし『ヘルボーイ』の物体が重なったり、ちょっと斜めになったことで出来る奥行きが感じられる絵は、どうも違和感を憶えてしまうんですよねぇ。その点、横から観た『バットマン』は正しかったりします。
日本人のワタシが偉そうに語るのは大変おこがましいのですが、総じてかなりクール&ナイス・アイディアだと思います。読者の皆さんは、どうお感じになりましたでしょうか!?
ヴェレッジさんのウェブサイトからは、こうしたスタイルで他にも『フラッシュ・ゴードン』や『メタルギアソリッド』スネーク、『エイリアン』といったアートワークもご覧いただけるようになっています。ゼヒとも訪れちゃってください。
Epic Superhero Art in a Traditional Native American Style[io9]
(岡本玄介)
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