もし『クトゥルフ神話』の生みの親H.P.ラヴクラフトが『ファンタスティック・フォー』を書いたら


クトゥルフ・フタグン! ラ! ラ! ファンタスティック・フォー!

もしも、『ファンタスティック・フォー』のキャラクターたちが、『クトゥルフ神話』と融合したら...いったいどんな禍々しい作品になっちゃうんでしょう?

ファンタスティック・フォーのメンバーからして、「タコのようにクネクネと体を捻らせる男、何もない空間から突如として現れる女、念じるだけで炎を呼び起こす男、蠢く岩の塊」なんて、ちょっと表現を変えただけでもすでにヤバそうな作品になること請け合いの面子揃いですが、コメディアンのマイク・スターリングさんがラヴクラフト風アレンジを加えてもっとおぞましいモノにしてしまいました。

ミスター・ファンタスティックことリード・リチャーズ氏の自宅を訪れた書き手が遭遇する怪奇...それは! 続きは以下より。
 

 
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それは到底巧く言い表しがたいものだった。「感覚」とでもいえばいいのか。それは何か、何者かにじっと見つめられているかのような、無作法にも私を凝視している者の存在が、自らその観察者を確認せずとも確信できる感覚とでも形容しようか。

しかしこれは、私が感じていた、何者かの観察下にあるという重圧とは次元を異にするものであった。私の背後の「感覚」は私に近づくわけでもなく、ただ通り過ぎ、蛇のように捻れ、ものすごい速さで宙を裂くという「感覚」であった。

それが何であったのか、遂に私は目にすることがなかった。しかし私はその「感覚」にその場に釘付けになり、数歩離れたところにあった本がひしめき合う棚をぼんやりと見つめるほかなかった。遠くの、どこか高い位置から微かに聞こえた、厚表紙の本がこすれ合うような音を除いては、物音一つすることはなかった。

先に感じたあの「感覚」は、それを感じたときと同じように忽然と消えた。そしてかかっていた魔法が突然解けたかのように、私はくるりと振り返り、背後に存在したはずの「感覚」の主を探した。梯子でもあるのだろうと思いそれを探したが、それは徒労に終わった。

リチャード教授は、先と変わらず椅子に座ったままだ。机に身を乗り出した教授の椅子が、またしても軽く軋む音を発する。しかし私を驚かせたのは、教授が手にしていたのが先程の論文ではなく、ついさっきまで本棚に収まっていたはずのエジプト学の本に変わっていたということであった。きっと教授は2冊同じ本を持っており、机の中にしまってあったその1冊を音を立てずに取り出したのだな、などと思いながら、もう1冊があるはずの上の本棚を見上げると、そこにはなにもなかった。

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わー、なんだか急にクトゥルフ神話チックになっちゃいましたね。『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』では「コズミックビーイング」のギャラクタスが出てきてましたし、「コズミックホラー」のクトゥルフ神話とも意外と愛称がいいかも? 是非次回作ではニャルラトホテプとかシュブ=ニググラトフとか、外なる神々とも戦って欲しいですね!


The Arkham House of Ideas[Mike Sterling's Progressive Ruin via Tor via Kotaku

(abcxyz)

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