焼きトウモロコシもトルティーヤ・チップスも、缶詰だって美味しいですけど...。
ダイエットの方法も色々ありますが、食事療法で減量しようとしてトウモロコシだけを食べ続けていると、アナタの身体がアブない病気に冒されてしまうかもしれません。
ソレは、伝説のヴァンパイアのようになってしまう...という恐ろしくも興味深いモノなのです(Kotaku JAPAN的にね)。
コレは実際に、前世紀のアメリカ西部で長年に渡り起こっていた、ナゾの奇病デス。以下で詳しく見てみましょう。
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トウモロコシだけを見れば、育ててからそのままでも食べられますし、潰しても製粉しても、水を加えて焼いても、様々な調理方法で食べられますし、お茶やコーン油なども作れます。そして飼料にも堆肥にもなるだけでなく、ポリ乳酸プラスチックやバイオ・エタノールにもなってしまう、超スグレモノ。
さらには人々を吸血鬼に変えてしまうなんて...あまりにも優秀すぎますよ?(苦笑)
元々トウモロコシは、ネイティヴ・アメリカンたちが育てていた、アメリカ大陸のモノでした。食べ方を熟知していたカレらは、果物のライムと混ぜて食べていたので大丈夫だったのですが...ヨーロッパから渡ってきた白人たちは、きたばかりの新大陸で調達できる食材も乏しく、食べ方もよく解っていなかったために、ライム無しで食べていたんですって。
ナイアシンを含むトウモロコシは、消化しにくい形状をしているため、ライム、または特定のアミノ酸がないと、水酸化カルシウム(またの名を消石灰)が身体に悪さをするそうです。普通に食べているだけなら健康的に問題は無いのですが、コレを主食にしている場合、ナイアシン欠乏症やペラグラと呼ばれる、皮膚、神経、消化器の疾患が生じるコトがあります。
ペラグラにかかった患者は、皮膚が太陽光に晒されると、その部分が水ぶくれになったり、普通の食事を消化できなくなったりします。ベロは赤茶色に変色し、まるで生き血をすすっているかのような様相と化してしまうのです。
ソレだけではありません、ヴァンパイア信仰ではなく、皮膚のトラブルを避けるため、太陽光から逃げるようになるので、夜行性となってしまうからか、患者は痴呆になってしまうのです。痴呆はヒトの攻撃性を高めてしまうと言うから、コレは益々ヴァンパイアらしい症状と言えるでしょう。
吸血鬼モノではまず出てこない設定ですが、ギレルモ・デル・トロ監督による『The Strain(邦題:沈黙のエクリプス)』では、吸血鬼的なモンスターがパンツにウ○コをするそうですが...コレ、実は下痢を起こしやすくなる、ペラグラの症状とも合致しちゃうんです。
さてこの病気...1900年代の初め頃、毎年季節が春になると、(トウモロコシを主食にする人たちに)この吸血鬼的な症状が出てきていたそうです。
ヴァンパイア伝説は、アメリカ大陸にやってきたヨーロピアンが食べ始めたトウモロコシ文化よりも古いモノです。1937年に犬が掛かったナイアシン欠乏症という原因を突き止めるまで、ずっと原因不明で吸血鬼と化してしまう恐怖の奇病として扱われていたんじゃないかと思われます。
それ以降は、トウモロコシを主食にしている人間や動物に、ナイアシンのサプリメントが手渡されるようになったため、このヴァンパイア病患者は減退したのだそうです。
とは言え、ポップ・カルチャーとしてティーン・エイジャーに蔓延する、ヴァンパイア信仰から吸血鬼化する人たちは減っていませんけどね!(苦笑)
Via Journal of the Royal Society of Medicine and Britannica
Eating too much corn turns you into a vampire (without the blood drinking)[io9]
(岡本玄介)
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