※この物語はフィクションです
むかーしむかしのお話です。
老害「リーチに絶対放銃してはいけない」
という老害の教えを信仰している部落がありました。
民はその教えを守り、リーチがかかると一生懸命ベタオリをしていたのです。
ある日のことです。部落に住むある若害はこう考えました。
若害「皆が教え通り打つのなら、どんな愚形でも先に曲げたほうがお得じゃね?」
若害は一切手作りをせず、一貫して先制リーチ効率重視の打ち方に変えました。
うまくはまったのか、若害は見違えて成績を伸ばすことに成功しました。
周りも若害の打ち方を真似るようになり「棒テン即リーチ」の戦術が大流行したのです。
努力家は昔から老害の教えに疑問を抱いていました。
努力家「そもそもリーチに全員ベタオリしてたらリーチの一人勝ちじゃないか?」
また、努力家は「棒テン即リーチ」の戦術にも疑問を抱いていました。
努力家「ベタオリが多いステージでは有効でも、押し返す人がいたらどうだろうか?」
努力家は教えに背き、押す条件を満たす手牌を研究し
リーチにもガンガンぶつけていく打ち方に変えてみることにしました。
うまくはまったのか、努力家は見違えて成績を伸ばすことに成功しました。
周りも努力家の打ち方を真似、リーチに押し返す人が徐々に増えていったのです。
部落の麻雀は次第に変わっていきました。
その変化についていけず、かつての勝ち組だった老害は全く勝てなくなりました。
また「棒テン即リーチ」の戦術を編み出した若害も徐々に勝てなくなりました。老害も若害もかつての打ち方を頑なに変えようとせず、昔のことを思い出しては――
老害「リーチに打ちまわしてアガリを拾うレベルの高い打ち手がいなくなった」
若害「バカみたいに押し返すレベルの低い打ち手が増えてやりにくくなった」
そして声をそろえてこう言うのです。
老害・若害「昔のほうがレベルが高かった――」
おわり
コメント
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棒テン即リー全ツッパ、というフレーズも今や懐かしさすら感じますね
(著者)
いつもありがとうございます
先制リーチは有効な手段であることは間違いありませんが、手牌や場況に応じて手段を選ぶことが大事ですよね。