このAとかいう奴を話題にすること自体が、Aのビジネスモデルに乗ってることになるので脱線話をば。チェスタトン『正統とは何か』(日本語訳済み解説)の一節を紹介。 第二節 狂気 狂気については、〈狂気には一種異様な詩美があるとしたところで、それを味わうのにはこちらが正気でなければ始まらぬのだ〉と語られています。 その上で、〈想像は狂気を生みはしない。狂気を生むのは実は理性なのである〉という論理が示されています。チェスタトンは、〈狂人のことを理性を失った人と言うのは誤解を招く。狂人とは理性を失った人ではない。狂人とは理性以外のあらゆる物を失った人である〉と述べています。なぜなら、〈狂気の最大にして見まごうかたなき兆候は、完璧の論理性と精神の偏狭とがかく結合していることにある〉とか、〈狂人の最大の特徴が何であるかを見た。無限の理性と偏狭な常識との結合である〉などと考えられているからです。 チェスタトンは、正気を語ります。〈正気な人間ならみな知っている。自分の中には動物的な一面があり、悪魔的な一面があり、聖者の一面があり、そして市民としての一面がある。いや、その男が本当に正気なら、自分の中には狂人の一面さえあることを知っているはずだ〉と。 チェスタトンが語るのは、学問的厳密性というより、生活における知恵のようなものです。〈彼らの狂気を証明するのは、彼らの推論の論理的欠陥ではなく、彼らの生活全体が明らかにまちがっているという事実にほかならない〉というわけです。 また、〈狂気とは、知的無力に帰着する知的活動であると定義することができるだろう〉とも語られています。
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このAとかいう奴を話題にすること自体が、Aのビジネスモデルに乗ってることになるので脱線話をば。チェスタトン『正統とは何か』(日本語訳済み解説)の一節を紹介。
第二節 狂気
狂気については、〈狂気には一種異様な詩美があるとしたところで、それを味わうのにはこちらが正気でなければ始まらぬのだ〉と語られています。
その上で、〈想像は狂気を生みはしない。狂気を生むのは実は理性なのである〉という論理が示されています。チェスタトンは、〈狂人のことを理性を失った人と言うのは誤解を招く。狂人とは理性を失った人ではない。狂人とは理性以外のあらゆる物を失った人である〉と述べています。なぜなら、〈狂気の最大にして見まごうかたなき兆候は、完璧の論理性と精神の偏狭とがかく結合していることにある〉とか、〈狂人の最大の特徴が何であるかを見た。無限の理性と偏狭な常識との結合である〉などと考えられているからです。
チェスタトンは、正気を語ります。〈正気な人間ならみな知っている。自分の中には動物的な一面があり、悪魔的な一面があり、聖者の一面があり、そして市民としての一面がある。いや、その男が本当に正気なら、自分の中には狂人の一面さえあることを知っているはずだ〉と。
チェスタトンが語るのは、学問的厳密性というより、生活における知恵のようなものです。〈彼らの狂気を証明するのは、彼らの推論の論理的欠陥ではなく、彼らの生活全体が明らかにまちがっているという事実にほかならない〉というわけです。
また、〈狂気とは、知的無力に帰着する知的活動であると定義することができるだろう〉とも語られています。