第9回 あなたは公益のために喜んでダムに沈む山村になれるか?
電車やレストランなど公共の場で化粧をする人をよく思わない人が多いようで不思議でならない。
美を追及すること、同時に醜さをカムフラージュすることであり、悪いことではないように思えるのだ。私は鼠の死骸が流れるドブ川よりも美しいドナウ川を眺めていたい。
しかし、美醜という観点は「労働者の私にはドナウよりもドブのほうが犠牲的美徳に溢れているように思えるのです」と考える人もいるかもしれないので、より実際的な道路にたとえてみたい。
電車で化粧をはじめる女性は笑くぼもあばたのどうしようもない荒れ地である。商業地、工業地として使うには立地が悪すぎ、住宅用地としては、土壌が汚染されすぎている。道路だ。道路しかない。
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