小池壮彦 怪奇探偵ブロマガ vol.11

●ナマ怪談の巻

［姉妹が呪われた理由］

　2月は動画月間として「怪奇真夜通信」を配信したが、通信vol.7でお話しした〝消えた呑み屋〟の跡地にクレープ屋が入るという話を聞いたのが、1週間ほど前のことである。

　どんな店なのか、オープンしたら行ってみようと思うが、いまのところ工事をする気配もない。どうせまた続かないよ……という声が当然のように聞こえてくる。

　この場所で起きた陰惨な事件については動画で話したとおりだが、最初に起きた殺人の以前にも何かしらの事件があったらしい。聞くところによると、そもそもはクリーニング屋があって、見た目は子供のような双子の姉妹が経営していたという。

　姉妹の年齢は誰も知らず、聞いても笑うだけで答えない。きちんとした仕事ぶりから、実際にはそれなりの年と思えたが、つやつやとした仕草がいかにもあどけない。

　しかし、姉妹の身体にはある特徴があった。

　愛らしい子たちなのに……と近所で噂になっていたという。口さがない世間の人は、姉妹のことを陰で〝六つ指〟と呼んでいた。

　ここで動画で話した謎の姉妹とつながってくる。