物価により表される経済指標は売り手にも買い手にも重要な情報である。
またその指標は、より直感的で身近でなければならない。
 例えば「ビッグマック指数」だ。
ビックマックの販売価格で、その国や地域の物価や経済状況を計ろうというものである。
ただこのビッグマック指数は大型の社会団体を対象にすることしかできず、
個人や家庭レベルでの経済レベルを推し量るものとは言えない。
加えて、ビックマックの販売価格は物質的な豊さの指標に他ならず、
各個人の「心のゆとり」といったような隠れた要素には目を向けられていない。
 今回私は、個人の「物価」と「心のゆとり」の両面に目を向けた新たな指標を提示したい。
この指標を用いれば、高所得だが心のゆとりが無い人や、
稼ぎを少なくしていても心にゆとりを持った生活を送っている人がいるということを
数値として表すことができるであろう。
 その指標こそが「ひややっこ指数」である。
ひややっこに何をトッピングをするか、いくつのトッピングで何をかけるか、皿はどこまで彩るか。
こういったひややっこに関する支出と労力を経済指標にできないか?という心算だ。
構想段階である「ひややっこ指数」をいくつかの要素に分けて考えよう。

①豆腐の購入価格
豆腐の価格はピンキリでスーパーにある平均的な豆腐は300gで50円ほどだろうか。
それに引き換え陳列棚の右端の方に、時たま300円ぐらいの豆腐も売っている。
どの豆腐を購入するかで経済状況を量れると考えた。

②トッピング数
ひややっこにはネギや生姜を添えたり、醤油やポン酢をかけて食べることが多いのではないだろうか。
ここで「僕はミョウガを刻んでのせるんです」という人が現れたら
心のゆとりを感じないだろうか?
このゆとりをトッピングの数で表そうと考える。

③トッピングにかけた支出
ネギしかのせないが、ネギはネギでも高いネギを使う。
醤油しかかけないが、かける醤油はいい醤油。
このような価格におけるこだわりも存在するため、
トッピング数と同程度に考慮してよい要素だと考える。

④その他
先述の要素に加えて
・ひややっこを盛り付ける皿は固定か?いくらか?
・ひややっこ1に対するその他の品数はいくつか?
・ひややっこの調理にかけた時間
・ひややっこを食卓に並べる頻度
まだまだひややっこが構成する生活の要素はあるだろう。
これらを組み込んだ指数の表し方は、さらに研究を深める上で構築したい。

以上を踏まえたものが、現状の未完成ではあるがとりあえずの
「ひややっこ指数」の表し方を考える要素である。

 さて、ここで問題提起だ。
この指標には重大な欠陥があることに気がついた。
家庭料理における副菜の大定番だと考えたひややっこ。
さらには各個人において様々なアレンジのこだわりを有するひややっこ。
経済状況や精神状態を表すのに「こんな最適なものは無い」と考えついた時は気分も揚々とした。

ただひとつの問題は
「私は家でひややっこを食べない。」
ということだ。
要素からそもそも外れている人がいるのに、なんだこの指標は。
馬鹿らしいな。考えるのや〜めた。
豆腐なんかどう食ったていいわ。
ビックマック食って寝よっと。おやすみややっこ。