岩井志麻子「オンナのウラガワ ~名器大作戦~」

第94回 接点がないのに気になる人たちのウラガワ(1)

2016/02/05 19:45 投稿

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オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第94回 接点がないのに気になる人たちのウラガワ(1)


◆もくじ◆

・接点がないのに気になる人たちのウラガワ(1)

・最近の志麻子さん
 「韓流アフタヌーン~岩井志麻子のイイオトコ図鑑」スタート
 「ひかりTV」4Kホラードラマ「伝染る物語 ~KADOKAWA 怪談実話~」に原作提供
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

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現実にはまったく接点がないのに、妙に気になって引きずる人たち。
そんな人たちへの思いを今月は綴っていきます。
今年の正月を、愛人Vとベトナムで迎えた岩井さん。そこで見た新聞に報道されていた、ベトナム人の風俗嬢が殺された事件に思うのは……



バックナンバーはこちらから↓
http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ​
12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ
2015年1月「「大人の冬休みの日記」なウラガワ
2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ
3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ
4月「春の喜怒哀楽のウラガワ
5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ

6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ
7月「異国の夏休みのウラガワ
8月「そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ
9月「秋風に謎めく過去のウラガワ
10月「人生の秋を生きる女達のウラガワ
11月「「結婚」に振り回される女達のウラガワ
12月「出版業界の仕打ちのウラガワ」ほか
2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ

※上記以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 また新しい年を迎えてしまったが、すべてが一新されるわけでもなく、何もかもリセットできるものでもない。旧年からのいろいろなものを、変わらず引きずるほうが多い。

 その中にはもちろん、旧年と変わりないから幸せだと感じ、来年もこのまま続きますようにと祈るものも多い。

 私も、正式な離婚はしていない十八歳年下の韓国夫のジョンウォンだの、二年目に突入してしまった新愛人の金ちゃん(微妙な仮名)だの、大学卒業しても就職せず映画を作りたいなどといい出した阿呆の極みみたいな息子だの、問題は山積している。

 どれも早急にどうにかしなきゃならないような、いや、放っといてもどうってことないような、手遅れになったら惨事を招くような、実はこのまま現状維持するほうが傷は浅いような、なんともいえない感じであるよ。

 とりあえず、仕事のほうを優先する。といったらプロの職業人ぽいが、現実逃避の側面もあるわけよ。いずれにしても、こうして文章にはできているけどね。

 そうしてこれもある種の現実逃避、なのだろうが。自分とは何の関係もないし、自分の身にも起こり得ることだと身につまされもせず、どこか私と同じだと生々しい感情を抱くなんてこともないのに、妙に気になって引きずる人達がいる。  

 前回もそんな人達を書いたが、彼らは私を知っていたり、私の友人や知人には会っていたり、私も関係者や遺族には会える可能性のある人達だった。

 今月書くのは、それすら無理な人達だ。向こうはまったく私を知らなかったり、どうにも会う手立ても間に立ってくれる人もなく、とにかく何一つ現実的な接点がない。

 私が一方的に、たまたま知ってしまった。なのに気になって仕方がなくて、こうして書かずにはいられない人達。いったい、どんな縁があるのか、ないのか。

 ……今年の正月は、ベトナムで迎えた。長年の愛人Vと一緒だったが、彼とのエロなあれこれ、彼のファミリーストーリーはまた別の機会に書かせてもらうとして。

 ご存じのように日本以外のアジアの国は、新暦よりも旧暦の正月の方が大事。だから新暦の正月のホーチミンは、ごく普通のなんてことない休日といった雰囲気だった。

 それでも前日は外国人だらけの繁華街で飲みあかし、二人して郊外の小さなホテルに泊まった。ベトナムは社会主義国なので、いろいろと規制が厳しい。結婚していないベトナム人と外国人は、同宿できない。同宿には、結婚証明書なんてものが必要なのだ。

 それでも、どんな国にも抜け道や裏技はある。彼の身分証明書と前金があれば、一緒に泊まれるホテルもあるのだよ。そういうホテルは当然、私らみたいな訳ありカップル、もしくは商売の女と客の男の組み合わせばかりだ。

 

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