オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第70回 ホラー作家まわりの怪異のウラガワ【1】
◆もくじ◆
・ホラー作家まわりの怪異のウラガワ【1】
・最近の志麻子さん
角川ホラー文庫『現代百物語 妄執』6/20(土)発売予定
6/14(日)オメ★コボシ関西編第2弾開催! 予約受付中
7/1(水)「鶯谷デッドボール大地雷祭り2」にゲスト出演
韓流アフタヌーン~岩井志麻子の秘密の昼下がり 次回最終回は7/3(金)
7/26(日)「オメ★コボシ31」開催! 豪華ゲスト決定
ろくでなし子さん新刊発売記念・対談記事第2回も公開
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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今月6月20日に、「現代百物語」シリーズの最新刊『現代百物語 妄執』が発売となる岩井さん。
今月はホラー作家の本領を発揮することに。気味の悪い、怖い実話を語ります。
霊感の強い美容師から聞いた優曇華の話と、そして……。
よくご一緒する「本人が一番怖い」人気ホラー作家に起こった出来事とは。
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http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga
2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ」
12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ」
2015年1月「「大人の冬休みの日記」なウラガワ」
2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ」
3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ」
4月「春の喜怒哀楽のウラガワ」
5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ」
http://chokumaga.com/magazine/backnumber/?mid=111
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浮気騒動で離婚を突きつけたら、ソウルの彼方に逃げ出して一年半も行方不明になっていた、韓国夫のジョンウォン(十八歳年下、カブトムシくらいのバカでオケラくらいオケラ。なんのこっちゃ)。
実は私にも新愛人ができていて、その金ちゃん(微妙な仮名。知能指数と年収はともにジョンウォンの十倍以上)のために正式離婚しようと、本腰を入れて夫を探した。
そして夫は、ものすごい捜査能力と、ついでに人情派でもある韓国警察によって探し出された。担当してくれた女性警官は、説得までしてくれたのよ~。
私が怒ってない、心配していると告げると、ケロッとして東京にやってきて、一週間以上もくつろぎまくっていた。うちの犬もあきれていたワンワン。
あんまりな元の木阿弥ぶりは、ちょっと今は脱力激しくて書く気になれない。金ちゃんも来週あたりやってくるので、一連の騒動の続きはもうちょっと先にまとめて書くわ。
今月は久しぶりに、ホラー作家の本領ってのも発揮してみたいのよ。
角川ホラー文庫から、シリーズ化してもらっている怪談実話集、『現代百物語』の最新刊も出ることだし。
──たびたび、このシリーズに登場してもらっている霊感の強い美容師がいる。
先日、彼の店に行った。彼は怖い話をしますよ、なんて前置きをあまりしたことがない。いつも、普通の雑談をするように妙な話を始める。
「子どもの頃、蟻地獄をほじくり返すのが好きだったんですよ。蟻を穴に落して、食わせたりもしてました。知ってますか、蟻地獄の虫がウスバカゲロウになるんですよ。その前に、虫は卵から孵るでしょ。
その卵は優曇華とも呼ばれていて、地方によって吉兆、凶兆となります。僕の生まれ育った地方では、後者の方でした。見つけると、よくないことが起きるといわれてた。
ある日、お母さんが何かの集金人が来たときのために置いてた三千円を、ちょっとしたいたずら心で座布団の下に隠したんです。お母さんがないないと騒ぎだしたから、座布団をめくったら……本当になくなってた。
僕、正直に隠したといって、必死にそのあたりを探しました。普通、僕がお金欲しくて盗んだと考えますよね。だけども母はそのとき、こんなふうにいいました。
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