オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第294回 夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ(3)
◆もくじ◆
・夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ(3)
・最近の志麻子さん
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MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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夏はやっぱり怪談、怖い話を楽しみたい!
ぞっとする、夫婦にまつわる2つの怖い話をお届け。
五十を過ぎようやく安定した生活を手に入れた千春は、夫となった純一に話していないことがある。
また、純一も千春に話していないことがあって……。
洋子は、同い年の夫の隆と、二十五年以上の結婚生活を幸せに送っていた。一人息子の元気も素直な良い子である。だがある日、インターフォンを鳴らした男が伝えてきたこと、見せてきた画像は、思いもよらないことだった……。
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2014年11月~19年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ」
2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ」
3月「どこか心残りの別れのウラガワ」
4月「未経験な世の中のあれこれのウラガワ」
5月「「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ」
6月「アマビエ的なものや人のウラガワ」
7月「怖い話をエンタメとして楽しみたいウラガワ」
8月「どこか楽しめる怖い話のウラガワ」
9月「エンタメとして味わいたい人の怖さのウラガワ」
10月「いい大人なのに未経験のウラガワ」
11月「まだ猶予があるのかもという気分のウラガワ」
12月「私なりに引っかかる物事のウラガワ」
2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ」
2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ」
3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ」
4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ」
5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ」
6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ」
7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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子どもの頃から、八月といえば真夏で夏休み真っただ中で、さらにテレビや雑誌で怪談特集もしてくれて、ウハウハな季節だった。怪談に取って代わられたのが新型肺炎だ。これも怖い話ではあるが、怪談に不可欠な情緒がない。
という怒りで今月は本来の怖い話を書いてきたつもりだが、なんとなく怖い怪談というより奇妙な話になってしまったか。今月のラストもそんな、もやもやした話になるか。
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中古ではあるが、念願の庭付き一戸建てに引っ越せた。千春は五十を過ぎ、ようやく安定した生活を手に入れた。磨き上げたキッチンに立つだけで、満たされる。
近所では若々しい奥さんと見られる千春が、崩壊した家庭に生まれ育ち、家出して路上で暮らしたこともあるなど、今の友人知人は誰一人知らない。三度の離婚を経たが、今の夫の純一は初めての殴らない男で、定職に就いている人だった。
五十近くなって風俗店勤めが難しくなった以前に、千春は体も壊していた。近所の病院に通ううちに、売店の雇われ店長と親しくなった。
「体が良くなったら、うちでバイトしたらどうかな。いつも、人手不足なんですよ」
その店長が純一で、四度目の夫となったのだ。婚姻届けは純一が出しに行き、結婚式もしなかったので、本当に当人同士の結びつきだった。
二人は過去や経歴を嘘で塗り固めてはいないが、かなりのところを黙っていた。
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