オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第272回 ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ(2)
◆もくじ◆
・ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ(2)
・最近の志麻子さん
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2/25発売『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』に作品収録
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「岩井志麻子のおんな欲」連載中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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去年はとんでもない厄災に皆が遭った年になってしまった。
年が明け、まだ終息が見えない今に思うのは、ゆるく共存するしかないということ。
それは人生、生活、すべてにも当てはまることだ。
ある雑誌の取材で会った、依存症のカウンセラーの先生にいろいろお話を聞いた。
三大依存症は酒、薬物、賭博といわれていて、近年そこに課金ゲームが加わったそうだ。
さらに先生が語る「加えてほしいもの」は……。
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2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ」
2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ」
3月「どこか心残りの別れのウラガワ」
4月「未経験な世の中のあれこれのウラガワ」
5月「「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ」
6月「アマビエ的なものや人のウラガワ」
7月「怖い話をエンタメとして楽しみたいウラガワ」
8月「どこか楽しめる怖い話のウラガワ」
9月「エンタメとして味わいたい人の怖さのウラガワ」
10月「いい大人なのに未経験のウラガワ」
11月「まだ猶予があるのかもという気分のウラガワ」
12月「私なりに引っかかる物事のウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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戦争というものを経験せず、大きな天災も事件も事故も、直接的には被ったことがない、ただ幸運だった私だが。去年はとんでもない厄災に見舞われたと、記憶することになってしまった。これまた運よく、というしかないが、新型肺炎にもまだ感染していない。
年が明け、まだ終息が見えない今に思うのは、ゆるく共存するしかないということだ。それは私の人生、生活、すべてに当てはまることだ。というのが今月のテーマだ。
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ある雑誌の取材として、依存症のカウンセラーに会いに行った。仮に畑上先生としておくが、ご本人もアルコール依存症を克服した過去を持つ。
まだ四十路に入ったばかりの優しいお姉さんという雰囲気だが、親くらいの人達からも頼られている。名前は出せないが、多くの有名人も助けてきた。その中には、薬物で逮捕された人も含まれている。
畑上先生によると、昔から三大依存症は酒、薬物、賭博といわれていて、近年そこに課金ゲームが加わったそうだ。
先生はさらに、買い物やホストやセックスも加えてほしいといっていたが。とりあえず、カウンセリングに来る人の依存症は、前記の三つのうちのどれかが圧倒的に多いとか。
ちなみに私は酒は好きだが、朝から飲むとか、飲まないと手が震えるとか、幻覚が見えるとか、そこまでのことはない。
酔って多少はっちゃけても、暴力的なケンカをするとか、誰彼かまわずからむとか、それもない(たぶん)。そもそも、楽しくなりたくて飲んでいるのだから。
違法薬物は一度もやったことがないし、興味も関心もない。それこそ、酒で充分に気持ちよくなれるんだから必要ない。
あとやっぱり、単純に怖い。未知のものなので、自分にどれほど薬物が効くのか、どのような効き方をするのか、まったくわからない。
たとえば高層から飛び降りるとか、そこにいる人を刺してしまうとか、取り返しがつかないことをしたらどうしようと、想像しただけで怖い。
賭博は、心底から興味がない。愛好家を否定するつもりもまったくないが、なんというか私は賭博では興奮できない性質なのだ。一度負けると、もういいやとなってしまい、あっさりやめてしまう。取り返すぞ、と燃えられない。
ソウルやマカオの本格的なカジノも行ったことはあるが、すぐに賭博そのものに飽きてしまい、男前のディーラーやおもしろそうな客に視線も興味も行ってしまった。
そして私はゲームというのは、ポケモンしかやったことがない。課金もせず、対戦もせず、独りでひたすらポケモン集めを楽しんでいるだけ。
ということをいうと、畑上先生にこういわれてしまった。
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