オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第201回 去年に縁があったあれこれのウラガワ(3)
◆もくじ◆
・去年に縁があったあれこれのウラガワ(2)
・最近の志麻子さん
新刊『シマコの週刊!?宝石 』光文社文庫より発売
2/10(日)「オメ★コボシ44」開催
映画『シラユキサマ』公開記念対談 岩井志麻子×徳光正行×諸江亮 公開
TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
「岩井志麻子のおんな欲」連載中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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大人になると、だいたい見当がつくようになった未来の話よりも、
過去の栄光話、昔の自慢話にしがみついてしまうもの。
過ぎたこととは言えどうしても気になってしまう去年のあれこれについてつづります。
去年の夏、岩井さんが新宿のあるデパートで見かけた車椅子の女性とその連れの男性は……。
従妹が勤める化粧品店の常連客に、妙な母と娘がいるという……。
今まで出会った最大級の嘘つきと言えばおなじみのL美だが、去年であったカナちゃんもなかなかのものだった……。
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2014年11月~16年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ」
2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ」
3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ」
4月「木の芽時な人達のウラガワ」
5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ」
6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ」
7月「ほんのり怖い人達のウラガワ」
8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ」
9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ」
10月「大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ」
11月「年下韓国人夫とのアジア旅のウラガワ」
12月「捨ててもいいじゃないかのウラガワ」
2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ」
2月「人はなかなか変わらないのウラガワ」
3月「きれいに卒業できない女たちのウラガワ」
4月「新たな出会いの不気味なウラガワ」
5月「良い季節でも人は病むウラガワ」
6月「『有名な男の女』だった二人のウラガワ」
7月「怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ」
8月「嘘と本当のあわいの怖い話のウラガワ」
9月「大人になりきれない人達のウラガワ」
10月「ベトナム旅行チン道中のウラガワ」
11月「しみじみしんみりな出来事のウラガワ」
12月「来年まで引きずりそうなアノ人のウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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子どもの頃、来年の事をいえば鬼が笑うという諺を周りの大人に教えられたけれど、説教、戒めとしてではなかった。子どもはいつだって、未来を夢見るものだから。
では大人が過ぎ去った去年について語れば何が笑うか、というのを新年になって思いつき、今月はそれを書いてきた。そして大人になると、不確かにしてだいたい見当がつくようになる未来の話より、過去の栄光話、昔の自慢話にしがみつくものだとわかった。
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去年の夏、東京に遊びに来た姪っ子とマネージャーと、新宿のKデパートへ食事に行った。そのときトイレの前の踊り場というのか、ちょっと広い空間に出たとき、なんだか気になる人達を見てしまった。
ただ自分が好きな普段着、いや、ちょっとおしゃれした外出着なのか、アニメや漫画のコスプレをしているのかわからないが、とにかくマリンルックでキメた女性が車椅子に乗っている。至近距離で見たのじゃないが、おそらく三十代前半。
私から見ればすごく若いしマリンルックも似合っていたが、もしかしたら世間からはその歳でイタいとか、年相応の格好をすればとか、アレコレいわれてしまうのかもしれない。服装はさておき、顔立ちはなかなか可愛らしかった。
ともあれそんな彼女の傍らには、付き添いの男性がいた。こちらは見た目は何もかも普通。白いシャツに黒いズボン、きちんとした黒い短髪に黒縁眼鏡。中肉中背というやつで、マリンルックの彼女よりちょっと年上の雰囲気があった。
普通に見れば、車椅子の人と介助の人でしかないのだが。私達だけでなくけっこうな人数がちらちら立ち止まって見ていたのは、
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