オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第127回 自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ(1)
◆もくじ◆
・自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ(1)
・最近の志麻子さん
TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
1/22(日)「オメ★コボシ37」開催
3月に台北ツアーが開催
「岩井志麻子のおんな欲」連載中
「岩井志麻子の千夜玩具物語」連載中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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仕事の場などで、「若者」世代に接することも多い岩井さん。
ついつい若い子達に、過ぎ去ったかつての自分を重ねて眺めてしまうこともあると言う。
今月は、そんな風に、自分を重ねてしまった若者のエピソードをお届け。
共演した芸能人達に紛れていた、ショップ店員の奈々(仮名)はいわゆる「カリスマ店員」なのだが……。
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2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ」
12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ」
2015年1月「「大人の冬休みの日記」なウラガワ」
2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ」
3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ」
4月「春の喜怒哀楽のウラガワ」
5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ」
6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ」
7月「異国の夏休みのウラガワ」
8月「そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ」
9月「秋風に謎めく過去のウラガワ」
10月「人生の秋を生きる女達のウラガワ」
11月「「結婚」に振り回される女達のウラガワ」
12月「出版業界の仕打ちのウラガワ」ほか
2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ」
2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ」
3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ」
4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ」
5月「距離感のおかしい人たちのウラガワ」
6月「台湾から連れてこられたある女性のウラガワ」
7月「大人の夏の観察日記のウラガワ」
8月「大人だからわかる怖い話のウラガワ」
9月「『志麻子のヤバモンGO』なウラガワ」
10月「取り返せない夏の思い出のウラガワ」
11月「常夏の国で生きる女の秋のウラガワ」
12月「冬を生きながら春を待つ女達のウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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新年早々、なんだけど。一年の短さに、焦りとあきらめを感じるようになったのはいつからだろう。若い頃、そして子どもの頃の時間はじれったいほどゆっくり進み、夏休みは永遠に続くように錯覚し、はてしなく広がる未来が希望ではなく恐怖ですらあった。
そんな私は今、未来の姿であるすっかり隠居してしまった老人達にはまだ自分を重ねられないでいるが、若い子達に過ぎ去ったかつての自分を重ねて眺めたりしている。
「若い子はうらやましいけど、今さら若返りたくはない」
という、強がりではないが何やら後悔となつかしさと、なんだかんだで現状に満足はしているという優しいあきらめもある。
今年の最初の月は、そんなふうに勝手に自分を重ねた若者達を取り上げる。登場する若者はすべて、個人を特定されないよう人となりや背景を少し変えて仮名にしてある。
※
とあるイベント会場で共演した芸能人達の中に、彼女はいた。仮に奈々としておく。
奈々は芸能人ではなく、ショップの店員。いってみれば一般人だが、いわゆるカリスマ店員だった。
私が滅多に行かない若者の街とされる繁華街の店に勤め、もちろんその店の服を着て接客し、通販もしている店のHPなどではモデルも務めている。
その店のHPや個人のブログに挙げられる写真の奈々が、むちゃくちゃ可愛いと評判になった。私も見てみたが、小さな顔にこぼれ落ちそうな大きな瞳、折れそうなウエストに驚異的な長さの脚、もう顔もスタイルもバービー人形そのまんまだった。
ところが。現実に私の目の前にいたのは、ちっちゃくて手足の短いコロッとした体型に、しもぶくれの庶民的な顔だちの、どこにでもいる普通の女の子だった。
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