岩井志麻子「オンナのウラガワ ~名器大作戦~」

第113回 大人だからわかる怖い話のウラガワ(2)

2016/08/15 11:00 投稿

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オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第113回 大人だからわかる怖い話のウラガワ(2)


◆もくじ◆

・大人だからわかる怖い話のウラガワ(2)

・最近の志麻子さん
 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中 
 8/18(木)及川眠子さん『破婚』イベントにゲスト出演
 8/21(日)ふかわりょうさんプロデュース「ロケフェス」に出演
 8/26(金)「韓流アフタヌーン ~岩井志麻子のイイオトコ図鑑~」開催
 「岩井志麻子の千夜玩具物語」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

===

大人になったからこそ、そのディテールがわかる「怖い話」。
今月は「大人だからわかる怖い話」のエピソードをお届け。

今号は「おしぼり」怪談! 「おしぼり」と言えば、大人ならではのエッチなお店で使われるアイテム。
「おしぼり」がキーワードとなる怖い話を、複数から聞いた岩井さんだったが……。

バックナンバーはこちらから↓
http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ​
12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ
2015年1月「「大人の冬休みの日記」なウラガワ
2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ
3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ
4月「春の喜怒哀楽のウラガワ
5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ

6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ
7月「異国の夏休みのウラガワ
8月「そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ
9月「秋風に謎めく過去のウラガワ
10月「人生の秋を生きる女達のウラガワ
11月「「結婚」に振り回される女達のウラガワ
12月「出版業界の仕打ちのウラガワ」ほか
2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ
2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ
3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ
4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ
5月「距離感のおかしい人たちのウラガワ
6月「台湾から連れてこられたある女性のウラガワ
7月「大人の夏の観察日記のウラガワ

※上記以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

====

 夏といえば怪談。かなり昔から、我が国ではそうなっている。ぞーっと鳥肌を立てて寒気をもよおし、少しでも涼しくなるため。と、いわれているが。

 エアコン完備となっても、冷たい飲み物食べ物が存分に味わえるようになっても。書店やビデオ店やネットで、いつでも怖い話を見られる読めるようになっても。
 やっぱり今も、夏は怪談で涼しくならなくっちゃ、となってしまう。

 私は子どもの頃の「怖い話がいっぱい聞ける夏」の楽しさが、今も続いている。とはいうものの、あの頃と今とでは、「怖い話」の意味と質がやや変化してきている。

 子どもの頃は気づかなかったところ、幼かったときは怖くなかった部分、それらが今はなんともいえない恐怖のツボとなっている。

 そんな今月は、「大人だからわかる怖い話」を書いてみたい。

                    ※ 

 何年か前、風俗店経営の男性に聞いたこの話は、なかなか子ども達にはしてやれない。しても、ピンとこないみたいだ。当たり前だが。

 しかし大人、特に男に話すと、本気で怖がるというより嫌がる。

 ……ある風俗店で雇ったボーイが店の嬢とデキてしまい、しかし幸せな経過と結末はなかった。ボーイが暴行し、嬢を殺してしまった。

 身元をわからなくするため死体を全裸にし、店で使うおしぼりを入れておく大きな袋に詰め込んで、海に遺棄した。

 ところがその袋に、おしぼり会社の名前が大きく書いてあった。そこから足がついて捕まるのだが、ボーイは死体を遺棄した直後に店を無断で辞めて逃亡していた。その間、ソープランドのボーイになっていた。

「なぜそいつが、ソープに勤めたかわかりますか」
 私にこの話をしてくれた店の経営者は、そういってニヤリと笑った。

 

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