「in the looop」では、PCと多機能携帯の毎月インターネット視聴率をご紹介しています。当記事では、ソーシャルメディアサイトの携帯ネット視聴率、2012年8月分をお届けします。PC版のネット視聴率は別記事として毎月公開しているため「ソーシャルメディア視聴率」からご参照いただけます。過去データも同じリンクで一覧できます。
視聴率データは、ビデオリサーチ・インタラクティブ社の「Mobile Media Measurement for i-mode」から提供していただいています。ただし、対象キャリアはNTTドコモのみ、また スマートフォンは対象外としている点にご注意ください。
先日、コムスコア・ジャパン株式会社より、日本におけるスマートフォン普及は直近6ヶ月で約7%伸張し、携帯電話利用者の4人にひとりはスマートフォンユーザーとの調査結果が発表されました。スマートフォンユーザーが、今後一層拡大していくのは議論の余地の無いものになっています。一方、このような状況を踏まえ、フィーチャーフォン利用者の利用動向にどのような変化が生じているのか、最新データを活用し定点観測をしていきたいと思います。早速8月の視聴率データを見ていきます。
携帯サイト視聴率 トップ20
まずは全携帯サイトの視聴データランキングからトップ20をご紹介します。
それぞれの携帯サイトに関して、推定接触者数(千人)、リーチ率、平均訪問回数、推定視聴ページ数(千PV)、平均視聴ベージ数、平均滞在時間が調査されています。なお、ameba.jpの数値にはameblo.jpを、mixi.jpの数値にはmixi.netを、twitter.jpの数値には twtr.jpをそれぞれ含んだ統計値としています。
ソーシャルメディア系では、Ameba(Amebaモバイル)が5位、 Twitter 16位、Facebook 18位という結果になっています。リーチ率ではそれほど目立たないソーシャルメディア系サイトですが、訪問回数や滞在時間では突出しており、他の携帯サービスと比較して圧倒的なスティッキネスを誇っていることがデータから分かります。特にAmebaの平均視聴ページ数の多さは他を圧倒しています。
この中から、ソーシャルメディア系携帯サイト6サービスを順位順に抽出すると、以下のような結果となっています。
接触者数及びリーチ率ではAmeba、平均訪問回数、視聴ページ数、平均滞在時間ではGREE、Mobageとそれぞれ強い分野が明確に表れている点が興味深い点です。Facebook及びTwitterは他のソーシャルメディア系携帯サイトと比較すると、利用者数は多いが、滞在時間が短く、視聴ページ数も少ない結果となっています。
推定接触者数、推定視聴ページ数、推定総滞在時間の時系列推移について
続いて、これら6サービスの推定接触者数、推定視聴ページ数、推定総滞在時間をそれぞれ時系列で比較していきます。なお、推定総滞在時間は、推定接触者数に平均滞在時間をかけ合わせることで算出しています。また、この調査は携帯シェア48%のドコモを対象としている点、現時点ではスマートフォンが対象外となっている点などから結果に関してはあくまでも、参考値として提示させていただきます。
まず推定接触者数をみると、Amebaが19ヶ月連続でトップを維持し、 続いて、Twitter、Facebook、mixi、GREE、Mobageの順となっていました。フィーチャー・フォンからスマートフォンへの移行が加速する中で、全体的なダウントレンドが続いています。例えば半年前と比較すると、Amebaが▲27%、GREEが▲56%、Mobageが▲27%、mixiが▲40%、Twitterが▲31%と、それぞれ減少が続いている。一点Facebookのみが、若干の増加傾向であった。
なお、4社のスマートフォン対応や業績比較については、下記記事に詳細を記載しています。
・ 直近決算発表に基づくmixi、GREE、Mobage、Amebaの業績比較 (2012/8)
この2つのチャートは、推定視聴ページ数(上図)と推定総滞在時間(下図)の時系列推移です。
推定視聴ページ数では、前月同様 GREE がトップではあるものの、上位2サービス共にフィーチャーフォンユーザーでは引き続きダウントレンドの結果となっていました。一方で、Ameba、mixi に関しては微減ではあるが、減少傾向の傾きも緩く、比較的安定して利用されている傾向にあるのではないでしょうか。特定の利用者層が定期的に利用しているシーンが推測されます。TwitterとFacebookは他のサービスと比較すると視聴ページ数及び滞在時間が少ない結果となっています。
利用者属性(学生、主婦、職業人)別、リーチ率と平均滞在時間について
属性別 (職業人、学生、主婦、無職他) のリーチ率と平均滞在時間を見てみます。
リーチ率では前月同様、全ての属性においてAmebaがトップとなっていました。他の属性と比較すると学生のFacebook及びmixiの利用率の高さが目を引きます。また、Twitterに関しては、無職他層の利用率が最も高い結果となっていました。
最後に、属性別の平均滞在時間を見てみます。すべての属性においてGREEへの滞在時間が長いことが確認されます。また、職業人層でのMobageへの滞在時間が特に長い点は特徴的です。
総括
冒頭でも申しましたが、スマートフォンへと生活者の乗り換えが進んでいる中で、フィーチャーフォンから各メディアへの訪問者数は減少傾向を強めている結果となっていました。各ソーシャルメディアサイトが、フィーチャーフォンユーザーをもれなくスマートフォンに移行できるのか?、更には、このパラダイムシフトに乗じてどこまでシェアを伸ばせるのか? 、一方でフィーチャーフォンを利用しているユーザーは、どのサービスに関心が高いのかと?など、多角的な視点で今後も最新データを活用し定点観測していきたいと思います。
利用視聴データについて
視聴率データは、PCがネットレイティングス社「Neilsen Netview」、携帯がビデオリサーチ・インタラクティブ社の「Mobile Media Measurement for i-mode」から提供していただいている。ただし、携帯視聴率の方は、(1)対象キャリアはNTTドコモのみ、(2)スマートフォンは対象外 としている点にご注意いただきたい。また、NTTドコモから毎月発表されている月次iモード契約者数では、2012年6月iモード契約者数を4,033万人と発表している。
Mobile Media Measurement(β) について
ビデオリサーチインタラクティブ社の提供するMobile Media Measurementは、アクチュアルでのモバイル・インターネット視聴データを取りまとめたものを、ASPによるサービスにて提供するもので、i-modeユーザー版とYahoo!ケータイユーザー版があります。詳細は ビデオリサーチインタラクティブ モバイル・インターネット視聴データまで。
- 調査対象者 全国の男女15歳以上のi-mode利用者
- 標本抽出法 ドコモプレミアクラブ会員より抽出
- 視聴データ取得方法 NTTドコモの「iモードアクセス履歴検索サービス」に調査対象者が加入し、定期的にアクセス履歴データを取得し、VRIにデータ転送
- データ更新頻度
- 調査標本数 2010年8月時点/約2600サンプル (ただし毎月変動します)
過去データはこちらからどうぞ。「ソーシャルメディア視聴率」
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">by 関根 健介